田原市の輪ギク(1本の茎に一つの花を咲かせるキクのこと)栽培は、昭和11年ごろ、旧渥美町小塩津地区での栽培が始まりとされています。当時は、夏の作物として秋ギクの遮光栽培が導入され、9月上旬から10月上旬ごろにかけて収穫されていました。
昭和23年には、晩生秋ギクを用いて、電灯照明によって開花を抑制した年末出荷が行われるようになりました。こうした電灯照明によって開花時期を調節するキクは、「電照菊」と呼ばれています。
現在は、一年中栽培が行われ、栽培面積は991ヘクタール、生産量は約3億6,000万本で、全国の34%を占め、日本一の産地となっています。
写真1 輪ギク
生産されている花の色は、ほとんどが白色です。ガラス温室やビニルハウスで栽培され、電照やシェード、暖房装置などを用いて、一年中生産・出荷されています。
主力品種は、秋から初夏の出荷が「精興の誠」「神馬」、夏が「岩の白扇」で、品質面で高く評価されています。
写真2 輪ギクの栽培風景
キクの開花を調節する電灯をつける時刻は、午後10時ごろから午前2時ごろまでです。電照栽培の風景はこの時間帯が見ごろで、渥美半島の太平洋岸、田原市赤羽根町から堀切町で多く見ることができます。
写真3 キクの電照風景
農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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