園芸用に用いられる針葉樹種をコニファーと呼んでいます。知多地域では、平成初期のガーデニングブームの頃から様々なコニファー類の鉢物生産が盛んになりました。種苗費や暖房費のかからない省力的な安定品目として、他作物からの作目変更で生産を始めた生産者も多く、ブーム以降も生産増加が続きました。
平成20年代以降、花きの消費低迷とともに生産者数は減少しましたが、令和元年現在も約10戸により年間約40万鉢が生産され、知多地域で最も生産者数の多い鉢物品目のひとつとなっています(令和元年農業改良普及課調べ)。
観賞用として葉色や樹形が美しく成長の早い8品種(表1)を中心に約15品種が栽培され、秋から年末にかけ、寄せ植え素材に適した3号ポット(9cm)と4号プラ鉢(12cm)が主として出荷されています。
写真1 ゴールドクレスト・ウィルマの出荷作業
表1 知多地域におけるコニファー類の主要品種
図1 品種別生産割合
自然風景を連想させる円錐形の針葉樹形は、寄せ植えアレンジのシンボルとして活躍します。品種により暖色系と寒色系の色彩を使い分けることができます。また、庭やコンテナに植えて屋外で栽培すると、新緑や紅葉など季節による色彩の変化を楽しめる品種もあります。
最も生産の多いゴールドクレスト・ウィルマは、ゴールドクレストの矮性種で鮮黄緑の緻密でふわふわとした針状葉が特徴です。ミニチュアクリスマスツリーとしての素材にも利用されるほか、緑と赤のクリスマスカラーのインテリアに添えると温かみのあるウィルマの鮮やかな黄緑色が映えます。
購入後は乾燥に弱く鉢を乾かすと枯れてしまいがちですが、栽培環境に慣れてくると意外と丈夫な植物です。地植えすると大きく育つので、伸びすぎないうちに葉の先端を摘み取るようにして樹形を維持しましょう。茂ってきたら、風通しをよくするために枝を間引き剪定してください。
写真2 さまざまな色彩の品種
写真3 出荷を待つウィルマ
写真4 コニファー類の栽培風景
農林水産部農業経営課普及企画グループ
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