グロリオサ

 グロリオサは、別名クライミングリリーと呼ばれるユリ科の半蔓性の球根植物です。原産地はアフリカとインドで、暑さに強く、夏の庭の彩りに最適です。


1 品種と入手方法

 入手しやすい品種は、ローズクイーン(赤紫:写真1)、ロスチャイルディアナ(赤)、ルテア(黄)、アフリカーナ(オレンジ)などです。春植え球根として、園芸種苗店やホームセンターで購入できます。

写真1 特に作りやすいローズクイーン
写真1 作りやすいローズクイーン

2 性質

 グロリオサの球根には、先端に1つの芽しかありません。この芽を傷つけてしまうと、ほかにどこからも芽は出ませんので丁寧に扱います。購入する際は、芽の有無をよく確認します。
 開花後、地中に新しい球根が形成され、およそ2倍に増えます。


3 球根の芽出し

 発芽していない球根を植えると、発芽しなかったり生育がそろわない場合が多いので、植え付け前の芽出しが必要です。購入した球根を放置しておけば、気温の上昇とともに芽が伸び始めます。早く植え付けたい場合は、25〜30度で保温すると早く芽が出ます。芽が1cmほど伸びた時が植え付けに適した状態です(写真2)

写真2 定植適期の芽の様子
写真2 定植適期の芽の様子

4 植え付け

 プランター、鉢、花壇のいずれでも栽培できます。プランターや鉢植えでは、新しい球根は地下に伸びて肥大するので、できるだけ深い容器を選びます。用土は、普通の草花が育つ用土で十分です。
 生育が早いので、施肥は基肥としてIB化成を1球当たり7〜8粒施します。鉢栽培では大鉢が管理しやすく、6号鉢で2〜3球程度の植え付けが適当です。花壇ではできるだけ深く耕し、植え付け間隔は10cm前後とします。
 植え付けの深さは5cm前後の浅植えとし、球根をすべて埋めなくても生育に支障はありませんので、第1図のような植え方ができます。芽の伸びた球根は、多湿条件を与えなければ1か月程度はそのまま放置できますので、順次植え付けると長期間観賞できます。

第1図 グロリオサの球根の植え方
第1図 グロリオサの球根の植え方

5 誘引・開花

 グロリオサの葉先は巻きひげとなっており、この巻きひげで絡みついて成長しますので、誘引はネットが適しています。温室栽培では茎が2m以上に伸びますが、家庭では1m程度で咲くので、支柱で誘引しても十分栽培できます。


6 開花後の管理

 開花後に土中に新しい球根が肥大します。球根の肥大には葉の役割が大きいので、切り花は茎を短めに切り、多くの葉を残すようにします。新しい球根の肥大は、切り花後およそ2か月で完了します。球根の表面の皮が茶色くなっていれば掘り上げの適期です。球根先端を傷つけないよう注意深く掘り上げます。


7 球根の管理

 掘り上げた球根は、ただちに風通しの良い日陰で乾燥させます。この時、大きい球根は2つに分割します(写真3)。50g以上の小さな球根は、分割してしまうと翌年開花しなかったり着蕾数が少なくなってしまいます。十分乾燥したら網袋などに入れ、倉庫など温度差の少ない場所で貯蔵します。貯蔵中に自然低温と時間の経過により休眠は解除され、春には芽が出始めます。

写真3 新しく形成した球根
写真3 新しく形成した球根。二股に分かれているので、分岐部で割ると2球になる

8 病害虫

 定植後の出芽時期に、ナメクジやカタツムリが芽を好んで食べます。特に梅雨時の出芽時には、ナメクジ誘因剤で防除します。


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  農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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