黒大豆 |
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黒大豆は煮豆にするほか、エダマメとしても直売所の目玉商品になります。普通の大豆と比較して病害虫に弱くて栽培しにくいですが、チャレンジしてみましょう。 |

写真 黒大豆 |
1 注目される黒大豆 |
大豆は「畑の牛肉」と言われ、栄養価が高いことはよく知られています。特に黒大豆は、古来から薬効(せき止め、血圧降下)があると珍重されてきました。
また黒大豆の代表である「丹波黒」を若い莢のうちに食べる、いわゆるエダマメとしての利用は、豆が大きくて独特のうま味があります。 |
2 ほ場の選定と準備 |
かん排水のしやすい地力のある畑、排水の良い水田を選ぶことが大切です。転作田では排水溝を設置します。
大豆の根粒菌は有機質に富む土壌ほど活躍しやすいので、冬季に堆肥を10m2当たり10kg程度施用しましょう。
よく耕起して土壌の団粒構造を発達させるとともに、酸度矯正のため苦土石灰を10m2当たり1kg施用します。基肥は、堆肥が施用されている場合は必要ないでしょう。基肥を施用する場合は多肥に注意します。 |
3 種の入手と種まきの時期 |
大粒の黒大豆は遺伝的純度が低く、特性の劣るものが混じる場合もあるので、種は信頼できるところから入手しましょう。
晩生タイプであるため、早く種まきするとつるぼけしやすいので、直まき栽培の場合の種まきの時期は、6月下旬〜7月上旬を目安とします。移植栽培の場合は、種まきの時期を6月中旬、移植を7月上旬とします。 |
4 種まきの方法 |
直まき、移植栽培が行われています。
出芽の割合が低下しやすいので、直まきの場合は多めに種まきします。種まきの深さは2〜3cmです。1か所に数粒まき、出芽後に間引いて10m2当たり10〜20株(1本立て)とします(第1図)。
鳥害を避けるためには移植栽培します。育苗はポットを利用すると手軽です。補植用に、余分に育苗すると良いでしょう。
大粒の黒大豆では、出芽に失敗したという声をよく聞きますので、次の点に注意しましょう。
豆の「へそ」の部分を下向きにまき、幼根が伸びやすいようにします(第2図)。用土は軽いものを選びます。用土が重いと、子葉が土を持ち上げられないで出芽できないことがあります。 |

第1図 直まきの様子 |
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第2図 種まきの方法 |
5 栽培管理 |
雑草防除を兼ねて中耕・培土します。黒大豆の生育や雑草の発生状況を見ながら中耕・培土を開始し、開花期前まで2〜3回程度実施します(第3図)。小面積なら鍬(くわ)で、面積が大きければ管理機を使います。
梅雨明けまでは排水に注意し、その後は土壌が乾燥しすぎないように注意します。特に8月中旬ごろの開花期から莢の伸張期に干ばつに遭うと落花、落莢しやすいので、かん水することが有効です。
8〜9月は虫害主体に数回防除を実施します。エダマメとしての収穫は10月中旬ごろ、煮豆用は11月下旬以降になるので、それぞれ登録農薬の使用基準を守って防除します。 |

第3図 中耕・培土 |
6 収穫、調製、出荷 |
エダマメとしての収穫適期は、莢中の豆の皮が少し紫色に色付いたころです。株元から刈り取った後、余分な枝葉や汚れを取り除きます。莢が枝に付いたまま、1〜2株を一束ねして出荷したり、莢のみに調製して出荷します。
煮豆用は、落葉して莢の中でカラカラ音がするようになったら刈り取り、掛け干しし、さらに乾燥させます。豆の成熟がまちまちなので、掛け干し後にたたいて脱穀し、豆を広げて陰干しする方が良いでしょう。黒大豆は裂皮や割れ粒は嫌われるので、丁寧に選別します。袋詰めは、消費者が1回に使用する量が目安です。
直売所では、厳格な選別をして消費者の信用を得ることが第一です。当然、出荷できない黒大豆も多くなります。直売所の品ぞろえも充実するので、みそ、豆腐、そのほかの加工品への利用にも取り組みましょう。
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