愛知縮緬かぼちゃ

                                     【平成19年1月22日掲載】

 愛知縮緬(ちりめん)かぼちゃは、愛知県で栽培が多かった日本かぼちゃの代表品種です。現在でも海部郡大治町で栽培され、料亭などでしょうゆ煮などの日本料理に利用されています。
 皮のこぶ(イボ)のところがおいしく、低カロリーも売りの一つです。

写真1 愛知縮緬(ちりめん)かぼちゃ
写真1 愛知縮緬(ちりめん)かぼちゃ

特徴

 西洋かぼちゃに比較すると、やや水分が多く、デンプンが少なく、肉質は粘質です。江戸時代から日本人に最も親しまれるかぼちゃの味として、広く普及してきました。
 しかし戦後に、粉質デンプンや糖が多い西洋かぼちゃの栽培が温暖地域で一般化し、日本かぼちゃに替わって普及しました。現在では限られた地域での栽培となりましたが、伝統野菜の見直しとともに復活の兆しが出てきました。

栽培のポイント

 栽培のポイントは、吸肥力が旺盛なので、草勢を強くしすぎないことです。肥料分が多いと茎葉が茂りすぎて着果しなくなるので、土壌が肥えている時は、基肥を控えて草勢をみながら追肥します。
 露地栽培では4月中下旬から種まきできますが、温床線を利用して育苗を行ったトンネル栽培(2月種まき)が一般的です(第1図)

第1図 愛知縮緬かぼちゃのトンネル栽培例
第1図 愛知縮緬かぼちゃのトンネル栽培例

種まき・育苗

 温床を利用し、苗床を作ります。種まきは、トロ箱に行います。
 3〜4月で2回移植を行います。
 なお、種の入手方法については、愛知県種苗協同組合(電話:052-301-8507、ウェブサイト:http://www.aichi-tanenae-org.jp 別ウインドウで表示されます)か、愛知県内の近くの種苗店に問い合わせてください。

ほ場の準備

 定植の1か月まえに完熟堆肥を10m2当たり20kg投入し、2週間前に苦土石灰1kgを土とよく混ぜておきます。
 定植1週間前に基肥を10m2当たり1kg全面に施用します。

定植・トンネル内の換気

 幅2mの畝を立ててトンネルを張り、定植します。株間は90cmとします。定植は、風の少ない穏やかな日を選びます。
 日中温度が高いときは、トンネル内の換気に注意します。

第2図 栽植方法
第2図 栽植方法

トンネル除去

 5月10日から15日を目安として、トンネルを除去します。

摘心・整枝

 本葉4〜5枚のときに摘心します。子づるは1株当たり4本伸ばします。
 株元の雌しべは除去し、以後、着果する雌しべを午前中に授粉し、子づる1枝当たり1個の着果を標準とします。

第3図 摘心・整枝
第3図 摘心・整枝
 子づるを4本伸ばします

授粉

 花の咲く時期は、交配する昆虫がまだ少ないため、授粉を行います。

第4図 授粉方法
第4図 授粉方法


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  農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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