金俵まくわうり

                                     【平成19年3月22日掲載】

 「あいちの伝統野菜」に選定されている金俵まくわうりは、果重が350g前後、皮は濃黄色、果実の形は俵型、果肉は白色で甘く、香りが良いのが特徴です。夏場のデザートにお勧めです。

写真1 金俵まくわうり
写真1 金俵まくわうり

第1図 金俵まくわうりの尾張平坦部での作型
第1図 金俵まくわうりの尾張平坦部での作型
・育苗はビニルハウスかトンネルを利用します。また定植から収穫まで、保温と降雨による落花、病害予防のためトンネルを利用します。

品種

 まくわうりは中国原産で、水稲栽培が大陸から伝わったころに渡来し、平安時代から美濃国真桑(まくわ)村が著名な産地であったことからその名が付きました。各地に多くの在来種がありますが、金俵まくわうりは、明治から昭和にかけて江南市や安城市で多く栽培されていました。

畑の準備

 土づくりと施肥は第1表、畝作りは第2図を参考にしてください。

第1表 金俵まくわうりの施肥事例 (g/10m2
肥料名 全量 内訳 施用時期
土づくり 基肥 追肥1 追肥2
完熟堆肥 20,000 20,000 植え付けの約1か月前
苦土石灰 1,000 1,000 植え付けの約3週間前
BMようりん(0-20-0) 400 400 植え付けの約3週間前
有機配合(5-5-5) 1,200 1,200 植え付けの約2週間前
有機配合(8-8-8) 600 300 300 1回目は1番果の着果時、2回目は1回目の追肥の2週間後
・10m2当たりの成分量:窒素108g、リン酸188g、カリ108g

第2図 畝作り
第2図 畝作り

育苗

 作型は第1図を参考にしてください。
 10m2当たりの植え付け本数は4本が目安です。12cmポットに市販の育苗用土を詰めて、種まきします。
 発芽適温は28〜30度、育苗適温は日中25〜30度、夜間18〜20度なので、育苗はビニルハウスやトンネルなどを利用します。育苗日数は30日程度です。

定植

 本葉3〜4枚が適期です。定植の1週間程度前に畝を作ってマルチと有孔トンネルを設置し、定植時の地温が15度を確保できるようにします。
 苗はあらかじめ十分かん水しておき、暖かい日の午前中に株間130cmで定植します。定植後はホットキャップをかけます。活着したらホットキャップを取り、すそ換気を始めます。トンネル内が日中30度以上にならないようにします。

摘芯・整枝

 適期に摘芯し、充実した雌花を作ることが、良い果実を収穫するポイントです。
 本葉5枚になったら親づるを摘芯します。子づるが30cm程度伸びてきたら、しっかりしたものを4本残し、ほかは取り除きます。このとき合わせて敷きわらもします。子づるの10〜13節目から出る孫づるに着果させます。子づるの9節までに出た孫づる、花、実は早めに取り除きます。子づるは14節目前後で摘芯します。着果させる孫づるは、1節目に雌花が見えたら開花前に雌花の先に葉を1つ残して摘芯します(第3図)
 なるべく開花当日の午前中に、雌花の柱頭にむらなく花粉がつくように授粉し、着果を安定させます。1株当たり8〜10果前後の着果が目安です。これ以上の着果は果実肥大が悪くなり、糖度も低下するので、果実がピンポン玉程度の大きさになったころに、形の良いものを残して摘果します。

第3図 整枝
第3図 整枝

栽培管理

 トンネル内の温度は日中25〜30度、最低夜温18度以上を目標に管理します。トンネルは病害予防のため最後まで残し、雨よけとして使います。保温が必要な時期を過ぎたらビニルの両すそを約20cm上げて中央部に寄せた状態とします(第4図)
 かん水は畝間に行います。1番果の着果までは日中しおれない程度とし、着果後は乾燥に注意し、果実の肥大に合わせてかん水量をふやしていきますが、着果後20〜25日ごろからは、かん水量を徐々に減らして糖度を高めます。
 追肥は1番果の着果時と、その2週間後を目安に畝間の通路に施用します。

第4図 トンネルのすそ上げ方法
第4図 トンネルのすそ上げ方法

収穫

 授粉してから25〜30日後で、へたの基に環状の亀裂ができたのを目安に、午前中に収穫します。

病害虫防除

 モザイク病、うどんこ病、アブラムシ、ウリハムシなどが発生するので注意しましょう。

種の入手

 種に関する問い合わせは、愛知県種苗協同組合(電話:052-301-8507、ウェブサイト:http://www.aichi-tanenae-org.jp 別ウインドウで表示されます)か、愛知県内の近くの種苗店に問い合わせてください。


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  農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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