ブドウは世界中で栽培されており、最もメジャーな果樹といえます。種類も多く、いろいろな味、香りを楽しむことができます。
写真1 ブドウ
第1表 ブドウの栽培体系
ブドウには、欧州種、米国種と両者の交配による欧米雑種があります。主な品種は第2表のとおりです。欧州種は病気に弱くて栽培が難しいため、家庭で作る場合には病気に強くて実も着きやすい米国種系品種がおすすめです。「巨峰」は欧米雑種であり、実が着きにくくて栽培が難しい面があります。
第2表 代表的なブドウの品種
ブドウはつるで枝が伸びるので、棚や垣根仕立てで栽培します(第1〜3図)。樹はすぐに大きくなり、非常に広い場所を必要とします。広い場所がない場合は鉢植えにした方がよいでしょう。植え付けは11月〜12月、または3月〜4月にします。寒さの厳しいところでは、春に植え付けた方が安心です。
第1図 棒仕立て
第2図 垣根仕立て
第3図 棚仕立て
通常、花穂は1枝に2〜4個ほど着きます。開花前に2花穂以下にします。開花直前に花穂の整形をします(写真2)。花穂を小さくすることにより、実のつきが良くなります。また、枝が多くて棚下などが暗くなりすぎる場合は芽かきをします。この場合、生育が中程度の枝を残します。
写真2 花穂の整形方法
花が咲き終わって10日後くらい(果粒がダイズ大になったとき)に果房を整理し、葉15枚から20枚に1房残します。ブドウは、成らせすぎると糖度が低くて色も悪くなります。少なめに着果させることがポイントです。摘粒は巨峰系の品種で1房当たり30〜35粒、それ以外の品種では60粒程度を目安にします。摘粒後に、病気、虫を防ぐために袋かけをします。
ブドウは病気に弱く、春先の雨が多いときに黒とう病、梅雨期にべと病が発生します。一度発生すると防除が難しいため、予防的な薬剤散布を心掛けてください。枯れ葉や巻きづるの除去なども予防に効果があります。
11月から12月に基肥として、樹冠下1m2当たり窒素で10g程度施肥します。なたね油かすなら160〜170g、化成肥料(窒素10%)なら100g程度となります。ブドウは、窒素を与えすぎると枝が伸びすぎて実のつきが悪くなるので注意します。葉の色が悪いようなら、花が咲いて実の着きが分かる6月上旬に化成肥料を若干与えます。また、ブドウはアルカリ性を好むので、冬季に苦土石灰を1m2当たり100g程度施してください。
農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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