果樹苗木の定植、ミカンのせん定

                              【平成22年11月22日掲載】

 果樹の苗木は、定植時に40〜50cm程度に切ることで、早く大きく育てることができます。  ミカンのせん定は、込み合った枝を元から切り落とし、残った枝に太陽光線を十分当てることがポイントです。


          ミカン
写真 ミカン



◇果樹苗木の定植

○植える場所を決めよう
 果樹苗木は日当たり、水はけの良い場所に植えましょう。

○植える時期
 落葉果樹・常緑果樹いずれも、3月ごろに植えればよいです。

○良い苗木を選ぶ
 園芸店などで自分で苗木を選ぶときは、
  (1) 病害虫が付いてない。
  (2) よく生育しており、かつ、節間(芽と芽の間)が詰まっている。
  (3) 根、特に細根がたくさん生えている。
 ものを選ぶようにします。
 またリンゴやナシ、ウメは異なる品種を植えないと結実が良くありません。キウイフルーツは雌花が咲く木と雄花が咲く木は別の品種ですので、注意が必要です。

○ほ場の準備
 植付けするほ場は、水はけの良い場合を除いて植え穴を掘るのではなく、土を寄せて盛り土の上に植える方がよいです。盛り土の高さは20cm、幅は1mくらいでよいです。盛り土には土壌改良のために完熟堆肥など有機資材を20kgと、ようりん2kgを入れてよく混ぜておきます。

○植えつけ方法
 盛り土の上に苗木の根(傷ついた根や腐った根は、あらかじめ切り落とします)を四方に広げながら置き、その上から肥料を混ぜていない土を、10cmくらいの厚さになるようにかぶせます。このとき深植えしないように注意します。
 苗木は地際から40〜50cmくらいのところで切るとともに、支柱を添えて倒れないようにします。 植え付け後は 、土と根がなじむように十分水やりした後、土が乾燥しないように敷き草、敷きワラなどをおきます (第1図)
第1図
○植え付け後の管理
 土が乾燥しているようであれば、適宜水やりします。


◇ミカンのせん定

○せん定の基本
 枝の途中で切る「切り返しせん定」は枝を伸ばしたいときに、枝の基部で切る「間引きせん定」は樹の勢いを落ち着けて、果実を成らせたいときに使います。
 通常は主に間引きせん定をし、伸ばすべき枝だけ切り返しせん定を用います。

○理想とする樹形
 温州ミカンの理想となる樹形は第2図のとおりです。
 亜主枝・側枝は、まず地面から80cmくらいのところで出し、後は60cmくらいの間隔で出します。
第2図
○初めにのこぎりで太い枝を切ろう
 第3図のように樹冠内部が込み合うので、のこぎりを使って太い枝を元から切り落とします(第3図の線を引いた枝を切ります)。切り落とす量が多く、残す枝の量より多いときは1年ですべて切り落とさずに、2〜3年かけて切ります。切り落とす枝には後で分かるように、印をつけておくとよいです。
第3図
○込み合った枝を元から切ろう
 太い枝を切り落としたら、第4図左側のように残した枝の込んだ部分を切り落とします。(第4図の線を引いた枝を切り落とします)。
 切り落とした後は枝が少なくなりますが、樹の中まで太陽光線が当たることで、残った枝が伸びます。(第4図右側)。
第4図
○せん定が終わったら
 せん定後の十円玉以上の大きさの切り口には、木工用ボンドなどを塗って切り口を保護します。



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  農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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