キイチゴ類を作ってみよう

                                     【平成19年11月20日掲載】

 キイチゴ類は果実が傷みやすいため、完熟果を味わうためには家庭で栽培するのが一番です。樹高が低くて場所をとらず、丈夫で育てやすい果樹なので、まさに家庭向きの果樹といえます。


          属性
写真1 ラズベリー


第1表
 キイチゴ類の栽培体系
第1表 キイチゴ類の栽培体系

●キイチゴ類について

 キイチゴ類はバラ科の落葉低木果樹で、ラズベリーとブラックベリーに大別されます。
 ラズベリーは果実が熟すとへたから離れやすくなります。一方、ブラックベリーは果実とへたが離れにくいので、容易に区別できます。またラズベリーは一般的に夏季に冷涼な気候を好み、直立性でとげがあります。逆にブラックベリーはラズベリーに比べて暖地に向き、とげがなく、ほふく性(つる性)のものが多い傾向があります。

●品種選びのために知っておきたい特性

○樹姿

 直立性、半直立性、ほふく性(つる性)があり、その性質によって仕立て方が異なります。直立性のものは株仕立てとしますが、半直立性やほふく性のものは垣根仕立てとします(第2表)

○とげの有無

 キイチゴ類は元来とげのある植物ですが、品種改良によってとげなしになっているものがあります。とげがない品種は管理作業が容易ですが、とげがある品種は種類が多く、風味も優れていると言われています(第2表)

第2表 主な品種の特性
第2表 主な品種の特性

●植えつけ

 植え付けは2月中旬〜3月中旬頃が適しています。土質を選ばず、やせ地でもよく育ちますが、日当たりがよく風が強くない場所で、夏に西日が当たらない場所が適しています。鉢植えでは赤玉土6、腐葉土3、砂1の混合土、もしくは市販の培養土に2割のピートモスか腐葉土を混ぜたものを用います。
 枝は植え付ける前に、20cm前後のところで切り戻しておきます。

●かん水

 庭植えの場合、植え付け時にたっぷりかん水しますが、その後は特にかん水の必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底からあふれるまでたっぷりとかん水するようにします。

●施肥

 庭植えでは、毎年1〜2月頃、株の周辺に化成肥料などを70gぐらい、鉢植えは植え付け1か月後と毎年春先に、固形の有機肥料を3〜5個程度施します。

●収穫

 収穫は7月が最盛期ですが、6月中旬頃から熟します。ラズベリーは熟すとへたから外れやすくなるので、収穫適期が容易に判定できます。ブラックベリーはへたごと収穫します。

●せん定

 地際から伸びてきた新梢の先端芽に花芽が分化し、翌年果実がつきます。果実のなった枝はできるだけ早く株元から間引き、残った新梢の発育を促します。冬に1.5mくらいのところで切り戻し、垣根などに誘引し、倒伏を防止します(第1図)

第1図 せん定方法
    第1図 せん定方法


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  農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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