今、多様化した食生活の中で、山菜や野草がブームとなっています。
山の幸である山菜ですが、身近に食することができるように、ほ場での栽培も進んでいます。いろいろな食べ方に挑戦してみてください。
写真 フキノトウ
2月から3月は、もえてきた新芽と冬の名残の根を摘んで食べます。「フキノトウ」を見つけると「春を発見!」と、ワクワクしてきますよね。ほろ苦い味が食欲をそそるもので、まずはカラッと揚げたてんぷらに。たくさんあればつくだ煮やみそに入れて保存食にします((第1表、第1図)。
「フキノトウ」の旬が終わると、その茎や葉の季節です。フキの葉は細かく切り、いためてつくだ煮に、茎はシロップ煮やきゃらぶきにしておくと、長く楽しめます((第2表、第2図)。
(1) フキノトウは汚れた外葉を取り除いて水洗いし、重曹を入れた熱湯でサッとゆでたあと、流水に約10分さらします。
(2) (1)の水気をかたく絞って荒く刻みます。
(3) 鍋にaの調味料を入れて混ぜ合わせ、中火で焦がさないように煮詰めます。
(4) (3)に(2)を入れて混ぜながら煮詰めます。
※ よく冷めてから清潔な保存容器に入れて冷蔵庫で保存します(約3か月保存できます)。
(1) フキの葉を水洗いして塩ゆでし、流水によくさらして水気を絞り、荒く刻みます。
(2) 白いりごまは包丁で刻みます。
(3) 鍋を火にかけてごま油をなじませ、(1)を加えていため、水気をとばします。
(4) (3)に酒と砂糖を入れ、煮汁がなくなりかけたらしょうゆを加えて煮詰めます。
(5) (4)に(2)と粉がつおを入れてサッと混ぜ合わせ、火からおろします。
※ よく冷ましてから清潔な保存容器に入れて冷蔵庫で保存します(約3か月保存できます)。
「春の七草」の一つで、七草がゆに欠かせない「セリ」は、香りが特徴の野草です。早春のものは根まで利用できます。
田んぼやあぜ道などに生えるものを「田芹」といい、わき水や小川の水辺に群生するものを「水芹」といいます。「田芹」は葉を平らに広げ、葉は緑が濃く、あくが強いですが、「水芹」は「田芹」より緑色がうすく、軟らかく、あくも少ないようです。
食べ方としては、あえ物、おひたし、てんぷら、いため物などで、味と香りを楽しんでください(第3表、第3図)。
(1) セリは塩を入れた熱湯でゆでて水にさらし、3cmの長さに切っておきます。
(2) 生しいたけ、にんじん、たけのこ、焼き豚を薄切りにして、(1)を加えて一緒にごま油でいためます。
(3) aで味を付け、水溶きかたくり粉でとろみを付けて、丼に盛った熱いご飯にかけて食べます。
成長した葉がソテツの葉に似ていることからクサソテツとも呼ばれている「コゴミ」は、クセもあくもなく、料理の幅も広い利用しやすい山菜です。「ゼンマイ」にも似ていますが、「ゼンマイ」のような毛がなく、若芽が大きいのが特徴です。
先端が巻いている軟らかな若芽は簡単に手で折ることができますが、茎がすぐ硬くなるので採取時期を逃がさないようにしましょう。食べ方としては、あえ物、おひたし、てんぷらなどです。
「ノビル」はネギのように茎が軟らかく、ネギと同じにおいがし、塊茎ができる多年草です。「ノビル」という名前は、野のヒル(ヒルはネギ、ニンニクの総称)という意味です。生の根をかむと口がヒリヒリするので、ヒルと名付けられたとも言われているようです。
小川のそばや土手、畑のふちなどに野生しており、若い茎葉や地中の塊茎を食べます。食べ方としてはあえ物、煮物、卵とじ、油いため、てんぷら、みそあえなどです。(第4表、第4図)
(1) ノビルは熱湯で軽くゆでて水にさらします。
(2) aの調味料を合わせておきます。
(3) (1)の水気を絞って3cmの長さに切りそろえ、(2)であえます。
※ ノビルの球根を生のまま、生みそを付けて食べてもよいです。葉は薬味として使ってもおいしいです。
農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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