サトイモは稲作よりも歴史のある作物で、縄文時代の主食であったとも言われています。山でとれる山ノイモ(ジネンジョなど)に対して、里で栽培されるためこの名がついています。
写真1 サトイモ
第1表 栽培体系
高温多湿を好み、乾燥に弱いです。ポリマルチトンネル等で初期生育を促し、かん水に努めて夏場の乾燥を防ぐと収量が増えます。ただし、排水が悪いとよく育たないので、排水条件のよい場所を選んで作付けます。
種イモは、上手に貯蔵されて消耗の少ないものを種苗店で購入し、10m2当たり25〜30個準備します。敷きわらも準備します。
4月上旬
・土垂れ
・石川早生
種イモは4月頃に種苗店で購入します。40〜60gの大きさで、形のよいものを選びましょう。小さ過ぎるもの、芽が欠けたもの、病気のものは避けます(第1図)。
第1図 種イモの選び方
植えつけの1週間前に、苦土石灰を10m2当たり1kgまいて土を耕しておきます。植えつけ当日にうねを作り、基肥として化成肥料を10m2当たり1kgまきます。間土をした上に、上下を間違えないように種イモを並べ、土をかけます(第2図)。
第2図 植えつけの方法
土寄せは子イモの芽を土に埋め、子イモを肥大させる大切な作業です(第3図)。
・1回目:草丈40〜50cmの頃、株元へ軽く土寄せ。
・2回目:6月下旬頃追肥し、株元へ7〜8cm土寄せする。
・3回目:梅雨明けの頃、うねの高さが20cm程度に土寄せする。
第3図 土寄せ
乾燥には最も弱い作物です。3回目の土寄せの後、株元に敷きわらし、乾燥する前に忘れずにかん水しましょう(第4図)。
第4図 敷きわらとかん水
アブラムシ、ヨトウムシが発生したら防除します。特にヨトウムシは、若齢幼虫の時の防除に心がけましょう。
軽い霜に一度あった頃、地際で茎を切り取り、イモを傷つけないよう少し離してシャベルなどで掘り上げます(第5図)。寒さには弱いので、いつまでも放置すると腐り込んできます。わらをのせ白ビニルを掛けておくと、ほ場で貯蔵することができます。
第5図 収穫
農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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