ソバ

                            【平成19年7月20日掲載】

 ソバは食品としての利用だけではなく、花も美しい作物です。湿害対策、適期は種、倒伏回避が多収への鍵です。ここでは、秋ソバの栽培方法を紹介します。


          ソバの花
写真1 


第1表
 ソバの栽培体系
第1表 ソバの栽培体系

●品種

 ソバの品種は、夏ソバと秋ソバに大別されます。夏ソバの収穫期は梅雨に当たるため、収量が不安定です。
 従って、愛知県の平たん部では、秋ソバの「信濃一号」「信州大そば」「みやぎおおつぶ」が適しています。

●排水対策

 ソバは昔から「水を嫌う」と言われており、乾燥に強くて湿害に弱い作物です。ほ場の周りや内部に排水溝を掘って、雨水が停滞しないように気をつけましょう。

●栽培管理

1 は種

 は種期は平たん部で8月中下旬です。は種量は10a当たり5〜6kgです。目標とする苗立ち数は1m2当たり150本程度が適当です。
 は種幅は15〜20cm、うね幅は70〜80cmがよく、覆土は2〜3cmが適当です(第1図)。乾燥が続く時期なので、は種後に鎮圧します。適度な降雨があれば、は種後5日ほどで出芽します。

第1図 作付けほ場の例
    第1図 作付けほ場の例

2 施肥

 基肥は10a当たり窒素3kg、リン酸3kg、カリ5kgが標準です(第2表)。窒素肥料が多すぎると草丈が長くなり、倒れやすくなります。特に野菜作付け後では基肥に窒素成分を投入せず、生育状況を見て開花期に窒素2kgを目安に施用するとよいでしょう。なお、リン酸とカリには稔実を良くする効果があります。


第2表
 施肥事例
第2表 施肥事例

3 中耕培土と除草

 ソバは倒伏しやすい作物です。そのため、開花期前にうね間を除草しながら中耕培土(株間を掘り起こし、根元に土を寄せる)を行います。秋ソバの作付け時期には雑草の発生が少なくなってくるので、は種後はそのままにし、中耕培土で除草します。

4 病害虫防除

 ソバは虫媒花であるため、ハスモンヨトウ等が発生しても、昆虫の訪花を妨げないよう、不必要な防除は避ける方が好ましいでしょう。

●収穫

 子実が70〜80%黒化した時期に刈り取ります。稲刈り鎌で刈り取り、3つかみを1束にして稲わらで結束します。「ハザかけ乾燥」や「島立て乾燥」で自然に乾かすのがよいでしょう。「島立て乾燥」は10束を一組とし、9束は頭を上に互いにもたせかけて立て、1束を上から帽子をかぶせるように架けてまとめます。乾燥が不十分だと保存中にカビが生えやすいので、十分に乾燥させます。
 脱穀には動力脱穀機を使用すると楽ですが、機械がない場合には、シートの上で棒で打つなどして子実を茎から外します。選別はとうみによる風選で行います。風のある日に風下に向かってソバを背の高さから落とすことで、枯れ葉と子実粒を分離することができます。

          収穫したソバ
         写真2 


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  農林水産部農業経営課普及・営農グループ
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