○愛知県警察職員の職務執行等に伴う物的損害補償要綱の制定

昭和60年3月29日

務警発甲第13号

警察業務は、その特殊性から絶えず危険を伴うものであり、職務の執行に際して職員の私有物品に損害を被ることも少なくないのが現状である。

従来、このような場合に損害が補償されることは極めて少なく、制度上救済の手段が設けられていなかつた。

このたび、このような物的損害について補償の制度を確立し、職員の士気を高揚することにより警察業務の積極的な推進を図るため、別記のとおり愛知県警察職員の職務執行等に伴う物的損害補償要綱を定め、昭和60年4月1日から施行し、同日以後に発生した物的損害について適用することとしたから運用に誤りのないようにされたい。

別記

愛知県警察職員の職務執行等に伴う物的損害補償要綱

第1 目的

この要綱は、愛知県警察の職員(以下「職員」という。)が、緊急性若しくは危険を伴う職務執行又は高度な危険を伴う訓練(以下「職務執行等」という。)により被つた物的損害の補償について必要な事項を定め、もつて職員の士気を高揚し、警察業務の積極的な推進に資することを目的とする。

第2 補償の対象となる範囲

1 補償の対象となる物的損害

職員の占有に係る物品が、職務執行等により滅失し、亡失し、又はき損した場合に補償を行うものとする。

2 補償の対象となる職務執行等

職務執行等が、次に掲げる要件のいずれかを具備している場合に補償を行うものとする。

(1) 緊急性又は危険を伴う職務執行

人命の救助、被疑者の追跡及び逮捕、保護に伴う抵抗の抑止、警備実施並びにこれらに準ずる緊急性又は危険を伴うものであること。

(2) 高度な危険を伴う訓練

警備訓練、白バイ訓練その他の訓練のうち、高度な危険を伴うものであること。

3 補償の対象となる行為

損害の発生に至ることとなつた行為が、次に掲げる要件をすべて具備している場合に補償を行うものとする。

(1) 適法な職務執行等であること。

(2) 損害が職務執行等に起因するものであること。

(3) 損害の原因が、本人の故意又は重大な過失によるものでないこと。

4 補償の対象となる物品

損害を受けた物品が、次に掲げる要件をすべて具備している場合に補償を行うものとする。

ただし、現金は、補償の対象とはしない。

(1) 職員の占有に係る物品であること。

(2) 職務の執行等に必要と認められる物品であること。

第3 補償額

1 補償額の算定

損害を受けた物品が、別表に掲げる耐用年数以内である場合は次の式により算定された補償額を、耐用年数を超えていた場合は取得価格に0.1を乗じて得た補償額を補償するものとする。ただし、補修により使用できる物品については、その補修に要した費用を当該補償額の範囲内で補償するものとする。

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2 補償額の限度

前記1の規定により算定された補償額は、物品の種別ごとに警務部長が職務執行等に必要と認める相当な物の額の範囲内において補償するものとする。

3 補償額の調整

法令の規定に基づき、物的損害について補てんがなされた場合は、前記1及び2の規定により算定された額から、当該補てんに相当する額を減じて得た額を補償するものとする。

第4 補償の申請

所属長は、所属職員の物的損害が第2の規定に該当すると認めるときは、様式第1の物的損害補償申請書に次に掲げる書類を添えて、警察本部長(警察本部の警務課経由)に申請するものとする。

(1) 職務執行等の状況、損害を受けた物品の種類、損害の程度その他必要な事項を記載した当該職員の申立書

(2) 損害の発生、損害を受けた物品の所携事実その他関連事実を証明できる者があればその者の報告書

(3) 取得価格を証する書類があればその書類

(4) 補修をした場合はその領収書

(5) その他参考資料

第5 補償の審査及び決定

1 補償の審査

警察本部の警務課長(以下「警務課長」という。)は、補償の申請を受理した場合は、補償の要否及び補償額について審査するものとする。この場合において、警務課長は、申請の内容について必要があると認めるときは、関係所属長に意見を求めることができる。

2 補償の決定

警務部長は、警務課長の審査結果に基づき、補償の要否及び補償額を決定し、警察本部長に報告するものとする。

第6 補償の通知及び実施

1 補償の通知

警務課長は、補償の要否及び補償額の決定結果を様式第2の物的損害補償決定通知書に記載し、申請をした所属長に送付するものとする。

2 補償の実施

警務課長は、前記1の補償額を、申請に係る職員の指定する金融機関の預金口座に振り込むものとする。

別表

物品の種別

耐用年数

時計

10年

眼鏡

5年

背広

5年

万年筆

5年

1年

その他

警務部長が別に定める年数

〔平5総務発甲42号・本様式全部改正、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平5総務発甲42号令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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愛知県警察職員の職務執行等に伴う物的損害補償要綱の制定

昭和60年3月29日 務警発甲第13号

(令和元年5月1日施行)

体系情報
第3編 務/第1章 務/第4節 災害補償等
沿革情報
昭和60年3月29日 務警発甲第13号
平成5年 総務発甲第42号
令和元年 務警発甲第93号