○愛知県警察が取り扱う遺体に係る公費負担制度実施要領の制定

平成29年3月1日

務住・刑一・交捜・総会発甲第20号

この度、犯罪被害者遺族の経済的又は精神的負担を軽減するために行う遺体の公費搬送及び公費修復を適正に運用するため、愛知県警察が取り扱う遺体の公費搬送及び公費修復実施要領を別記のとおり制定し、平成29年4月1日から実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。

なお、愛知県警察司法解剖遺体公費搬送及び公費修復実施要領の制定(平成16年務住・刑一・交指・総会発甲第52号。以下「旧通達」という。)は、平成29年3月31日限り廃止することとし、この通達の実施の際現にあるこの通達による廃止前の旧通達の様式により使用されている書類は、この通達による様式によるものとみなす。

別記

愛知県警察が取り扱う遺体に係る公費負担制度実施要領

1 趣旨

この要領は、遺族の精神的被害の回復及び経済的負担の軽減に資する支援を図るため、遺体の公費搬送及び公費修復に係る費用並びに死体検案書又は死亡診断書(以下「死体検案書等」という。)に係る文書料を公費で負担する制度(以下「公費負担制度」という。)の実施に関し必要な事項を定めるものとする。

2 定義

この要領において次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。

ア 犯罪行為 犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(昭和55年法律第36号)第2条に定める犯罪行為(その疑いのあるものを含む。)をいう。

イ 国外犯罪行為 国外犯罪被害弔慰金等の支給に関する法律(平成28年法律第73号)第2条に定める国外犯罪行為をいう。

ウ 公費搬送 遺体の搬送に係る費用の全部又は一部を公費によって負担することをいう。

エ 公費修復 遺体の切開痕、縫合痕その他傷痕の修復に係る費用の全部又は一部を公費によって負担することをいう。

オ 死体検案書料 役所に提出するために必要な死体検案書等1通分に係る文書料の全部又は一部を公費によって負担することをいう。

3 公費負担制度の対象となる遺体

公費負担制度の対象となる遺体(以下「対象遺体」という。)は、次に掲げるものとする。

ア 犯罪行為又は国外犯罪行為により死亡したもの

イ 死亡事故(交通事故取扱要綱の制定(平成13年交指・交総発甲第181号。この項において「要綱」という。)に定める死亡事故をいう。)のうち、ひき逃げ事件(要綱に定めるひき逃げ事件をいう。)に係るもの

ウ 住民サービス課長が警察署長又は高速道路交通警察隊長(以下「警察署長等」という。)と協議の上、その必要性を認めたもの

4 公費負担制度の適用除外

次に掲げる事項のいずれかに該当する場合は、公費負担を行わないものとする。

ア 加害者が三親等内の親族(次に掲げる者を含む。)である場合

(ア) 婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者

(イ) 縁組の届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者

イ 死者が集団的又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織に属していた場合

ウ 死者の身元が明らかでない場合

エ 遺族が公費負担制度の適用を希望しない場合

オ 死者が犯罪行為を誘発した場合その他当該犯罪行為にかかる被害が死者にも、その責めに帰すべき行為があった場合

カ 公費修復において、高度に腐敗し、炭化し、白骨に近い等遺体の状態から遺族の精神的被害の回復等公費修復による効果が認められない場合

キ その他公費負担制度を適用することが社会通念上適切でないと住民サービス課長が認める場合

5 手続

(1) 警察署長等は、対象遺体を認知した場合は、当該対象遺体が4の適用除外事由に該当するか否かを速やかに確認するものとする。

(2) 警察署長等は、(1)により対象遺体が本制度の適用除外事由に該当しないと認める場合は、遺族に対し、本制度の趣旨及び範囲を十分説明し、希望の有無を確認するものとする。

なお、説明を行う遺族の選定に当たっては、死者との関係性その他の事情から総合的に判断して行うものとする。

(3) 警察署長等は、遺族が公費負担制度の適用を希望した場合は、住民サービス課長(犯罪被害者支援室支援係経由。以下同じ。)にその旨を報告し、手続に関する必要な指示を受けるものとする。この場合において、公費修復の希望があるときは、(2)により選定した遺族から遺体修復承諾書(様式第1)を徴するものとする。

(4) 警察署長等は、(3)の指示に基づき、搬送又は修復を行う業者の選定等の手続を行うものとする。

(5) 公費修復においては、遺体の修復及び措置を警察署等の死体安置所又はこれに準ずる施設において行い、適切に管理できる警察官が立ち会うものとする。

(6) 警察署長等は、遺族が遺体を搬送し、修復し、又は死体検案書等の取得に掛かった費用の支払いを完了した場合は、速やかに当該遺体に係る公費負担手続完了報告書(様式第2)により住民サービス課長に報告するものとする。

6 細目的事項

この要領の実施に関し必要な細目的事項は、住民サービス課長が別に通知する。

〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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愛知県警察が取り扱う遺体に係る公費負担制度実施要領の制定

平成29年3月1日 務住・刑一・交捜・総会発甲第20号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第3編 務/第2章 住民サービス/第2節 犯罪被害者支援
沿革情報
平成29年3月1日 務住・刑一・交捜・総会発甲第20号
令和元年 務警発甲第93号
令和5年3月23日 務住・刑一・交捜・総会発甲第58号