○犯罪被害に係るハウスクリーニング実施要領の制定
平成28年3月25日
務住・刑一・総会発甲第64号
この度、殺人及び故意の犯罪により死亡するに至った事件の犯罪被害者の遺族の精神的及び経済的な負担の軽減を図るため、別記のとおり犯罪被害に係るハウスクリーニング実施要領を制定し、平成28年4月1日から実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。
なお、この通達の規定は、この通達の実施の日以降において認知した事件について適用する。
別記
犯罪被害に係るハウスクリーニング実施要領
1 趣旨
この要領は、犯罪被害者又はその遺族の住居が犯罪現場となった場合における当該犯罪現場のハウスクリーニング費用を公費により負担すること(以下「公費負担」という。)に関し必要な事項を定めるものとする。
2 公費負担の対象事件
公費負担の対象は、次に掲げる事件(未遂罪の定めがある場合はこれを含む。以下「対象事件」という。)で、かつ愛知県内にある犯罪被害者又はその遺族の住居(生活の本拠地と認められる場所をいい、住宅の持家、借家の別を問わない。以下同じ。)が犯罪現場となった事件とする。
ア 刑法(明治40年法律第45号)第199条の罪(殺人罪)
イ 刑法第240条後段の罪(強盗致死罪)
ウ 刑法第241条第3項の罪(強盗・不同意性交等致死罪)
エ 刑法第181条の罪で死亡に至ったもの(不同意わいせつ等致死罪)
オ 刑法第221条の罪(逮捕等致死罪)
カ 刑法第205条の罪(傷害致死罪)
キ その他警察本部長が特に必要と認める事件
3 公費負担の範囲
公費負担の範囲は、対象となる住居の清掃作業(血痕、吐しゃ物、排せつ物等の除去、消毒、消臭等をいう。)に必要な経費とする。ただし、犯罪行為によって破損した建具及び家財道具(家具、器具、衣類等をいう。)の交換及び修復に要する経費は含まないものとする。
4 公費負担の適用除外
犯罪被害者若しくはその遺族が集団的に若しくは常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織に属している場合又はその他の事情から判断して公費負担をすることが社会通念上適切でないと認められる場合は、公費負担の適用をしないものとする。
5 申請手続
警察署長は、2の公費負担対象事件について、4の適用除外に該当せず、かつ、犯罪現場の状況から、ハウスクリーニングの必要があると認めたときは、ハウスクリーニング費用公費負担申請書(様式第1)により、警察本部長に申請(住民サービス課長経由。以下同じ。)すること。
6 承認通知
警察本部長は、5の申請について、公費負担をすることが適当と認めたときは、公費負担の承認年月日及び承認番号(年度の一連番号により住民サービス課犯罪被害者支援室において付番したものをいう。)を当該警察署長に通知するものとする。
7 承認後の手続
(1) 警察署長は、6の承認通知を受けた場合は、ハウスクリーニング費用を公費負担することについて、対象となる住居に居住し、又は対象となる住居を維持管理する遺族の承諾を得ること。この場合において、対象となる住居の所有者が異なるときは、遺族及び所有者の承諾をそれぞれ得ること。
(2) 警察署長は、(1)の承諾が得られたときは、ハウスクリーニングの実施時期について、警察本部の事件主管課長と協議すること。
8 完了報告
警察署長は、ハウスクリーニングが完了したことを確認した後、速やかにハウスクリーニング完了報告書(様式第2)により、警察本部長に報告すること。
9 細目的事項
この要領に定めるもののほか、支出手続その他必要な細目的事項については、住民サービス課長が別に定めるものとする。
〔平29刑総発甲102号・本別記一部改正〕