○在留外国人の安全確保のための総合対策推進要綱の制定

令和2年3月27日

務教・刑国・備外発甲第69号

出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(平成30年法律第102号)の施行に伴い、新たな在留資格である「特定技能」による外国人材の受入れが開始され、在留外国人は、今後一層増加していくことが予想される。

本県警察においては、外国人集住地域等の安全を確保するための各種警察活動に取り組んできたところであるが、こうした社会情勢の変化を踏まえ、国籍又は民族の違いにかかわらず、全ての住民が安心して暮らせる安全な地域社会の実現に向け、在留外国人の実態に応じた施策を一層柔軟かつ部門横断的に取り組む必要がある。

そこで、別記のとおり在留外国人の安全確保のための総合対策推進要綱を制定し、令和2年4月1日から実施することとしたので、その効果的な運用に努められたい。

なお、外国人集住地域等における安全確保のための警察活動推進要綱の制定(平成28年務教発甲第220号)は、令和2年3月31日限り廃止する。

別記

在留外国人の安全確保のための総合対策推進要綱

第1 趣旨

この要綱は、在留外国人の安全確保に資する対策(以下「在留外国人安全対策」という。)を的確かつ効果的に推進するための体制を定めることにより、在留外国人が犯罪の被害者となることを防止し、及び外国人コミュニティに犯罪組織等が浸透することを防止し、もって全ての住民が安心して暮らせる安全な地域社会を実現することを目的とする。

第2 用語の定義

この要綱において、外国人コミュニティとは、在留外国人が多く集住する地域、在留外国人が多く所属する企業及び学校、在留外国人が多く集まる繁華街及び商業施設等をいう。

第3 基本的心構え

在留外国人安全対策は、全ての住民が安心して暮らせる安全な地域社会を実現するために不可欠な警察活動であることを認識し、組織的に情報を共有し、部門横断的な取組により推進すること。

また、他の行政機関と緊密に連携し、各機関が推進すべき在留外国人の安全確保に関する対策に対し、積極的な助言及び支援を行うことが極めて重要であることを認識すること。

第4 推進事項

1 外国人コミュニティの実態把握

外国人コミュニティの実態は、社会経済等の変動に伴い、常に変化することから、関係行政機関、団体等と連携しつつ、関係部門が緊密に意思疎通を図り、入手した情報を組織的に共有しながら、外国人コミュニティ及びそのネットワークに関する実態を把握すること。この場合において、犯罪組織等の浸透の予兆等を把握した場合には、これを防止するための措置を速やかに講ずること。

2 部門横断的な対策

警戒活動、防犯指導、交通安全教育、防災啓発活動、各種犯罪の取締り等のあらゆる警察活動は、在留外国人安全対策につながることを念頭に置き、各部門が緊密に連携して推進すること。

また、警察本部の所属は、組織の総合力を発揮した対策を推進するため、各警察署が在留外国人安全対策を推進する上で必要な支援を行うこと。

3 違法行為に対する厳正な取締り

在留外国人が安心して暮らすことができるよう、在留外国人の就労等に際して介在する悪質な仲介事業者等の実態把握に努めるとともに、違法行為を認知した場合には、厳正な取締りを行うこと。

また、関係機関と連携し、不法滞在事犯、偽装滞在事犯等の取締りを推進すること。

第5 推進体制

1 総括推進責任者

(1) 警察本部に在留外国人安全対策総括推進責任者(以下「総括推進責任者」という。)を置き、警務部長をもって充てる。

(2) 総括推進責任者は、全ての住民が安心して暮らせる安全な地域社会を実現するため、第4に掲げる事項に係る業務を総括する。

2 協議会

(1) 設置

警察本部に在留外国人安全対策推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。

(2) 任務

協議会は、第4に掲げる事項を効果的に推進するため、情報共有を図るとともに、必要な事項について検討を行い、その結果を総括推進責任者に報告することを任務とする。

(3) 組織

協議会は、推進責任者、副推進責任者及び推進委員をもって構成し、その構成員は、別表のとおりとする。

(4) 運営

ア 推進責任者は、必要により協議会を招集する。

イ 推進責任者は、必要があると認めるときは、推進委員以外の者に対し、協議会への出席を求めることができる。

ウ 協議会の庶務は、教養課国際警察センターにおいて行う。

(5) 部長会議等への報告等

ア 協議会における検討結果について、総括推進責任者が必要と認めるときは、企画調整会議(愛知県警察処務規程(昭和51年愛知県警察本部訓令第6号。以下「処務規程」という。)第15条に規定する企画調整会議をいう。)に報告し、更なる審議が必要な案件については企画調整会議に付議するものとする。

イ 企画調整会議における検討結果について、警務部長が必要と認めるときは、部長会議(処務規程第13条に規定する部長会議をいう。)に報告するものとし、更なる審議が必要な案件については、部長会議に付議するものとする。

3 警察署における推進体制

警察署長は、管内における外国人コミュニティの実態を把握した上で、必要な対策を推進するための体制を確立すること。

第6 留意事項

在留外国人安全対策の推進に当たっては、国籍又は民族の違いによる差別をしているなどと誤解を招くことのないよう特段の注意を払うこと。

第7 その他

この要綱に定めるもののほか、在留外国人安全対策の具体的な推進要領は、警務部長が別に定める。

別表

在留外国人安全対策推進協議会

推進責任者

教養課長

副推進責任者

教養課国際警察センター所長

推進委員

教養課国際警察センター課長補佐(国際企画担当)

国際捜査課課長補佐(指導企画担当)

外事課課長補佐(企画担当)

総務課課長補佐(企画担当)

会計課課長補佐(企画担当)

警務課課長補佐(企画第一担当)

生活安全総務課課長補佐(企画担当)

地域総務課課長補佐(企画担当)

刑事総務課課長補佐(企画担当)

組織犯罪対策課課長補佐(指導企画担当)

交通総務課課長補佐(企画担当)

警備総務課課長補佐(企画担当)

企画調整課課長補佐(企画調整担当)

警察学校主任教官(企画担当)

在留外国人の安全確保のための総合対策推進要綱の制定

令和2年3月27日 務教・刑国・備外発甲第69号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第3編 務/第3章 養/第4節 国際警察センター
沿革情報
令和2年3月27日 務教・刑国・備外発甲第69号
令和5年3月28日 務警発甲第66号