○愛知県警察長寿社会総合対策要綱の制定

昭和61年9月18日

防犯・総務・務警・ら勤・交企・刑総・備一発甲第28号

21世紀初頭の本格的な高齢化社会の到来に備え、人生80年時代にふさわしい経済社会システムの構築を目指し、政府が推進すべき長寿社会対策の指針として「長寿社会対策大綱(昭和61年6月6日閣議決定)」が決定されたところである。

また、このたび、警察庁においても高齢者(おおむね65歳以上の者をいう。以下同じ。)の保護及び社会参加を中心とする総合的な長寿社会対策を推進し、国民の期待と信頼にこたえるため、「長寿社会総合対策要綱の制定について(昭和61年警察庁乙保発第8号ほか5局共同)」が示されたところである。

このため、本県警察においても総合力を発揮して、長寿社会対策の充実及び強化を図るため、別記のとおり「愛知県警察長寿社会総合対策要綱」を定め、昭和61年9月18日から実施することとしたから、その運用に誤りのないようにされたい。

別記

愛知県警察長寿社会総合対策要綱

第1 趣旨

この要綱は、急速に長寿社会に移行しつつある社会の現状にかんがみ、長寿社会における警察上の諸問題に対する総合的かつ計画的な対策の推進を図るため、必要な事項を定めるものとする。

第2 長寿社会総合対策の重点推進項目等

1 重点推進項目及び推進事項

長寿社会総合対策のための重点推進項目及び推進事項は、次のとおりとする。

(1) 実態把握活動及び広報啓発活動の推進等

ア 実態把握活動の推進

保護を要する高齢者、高齢者の社会参加等の実態を的確に把握し、高齢者の保護及び社会参加に資するものとする。

イ 広報啓発活動の推進

高齢者の保護及び社会参加に資するため、関係機関・団体等との連携の下に、広報啓発活動を積極的に推進して、長寿社会対策に関する県民の意識の啓発を図るとともに、その理解と協力が得られるように努めるものとする。

ウ 関係機関・団体等との連携の強化

関係機関・団体等との連携を強化し、それぞれの地域における総合的かつ計画的な長寿社会対策の推進を図るとともに、長寿社会対策の効果的な推進に資するため、関係団体・業界等の育成、指導に努めるものとする。

(2) 高齢者の保護の推進

ア 交通事故の防止活動の推進

高齢者の交通事故防止に資するため、自治体、関係機関・団体等と連携を強化し、高齢者に対する効果的な広報啓発活動、交通安全教育及び高齢運転者を保護する活動の推進、高齢者にやさしい道路交通環境を確保するなど、高齢者の交通事故防止活動を推進するものとする。

イ 各種犯罪及び事故の防止活動の推進

高齢者、独居老人等に係る各種犯罪及び事故の防止に資するため、関係機関・団体等との連携の下に、高齢者に対する効果的な防犯広報、防犯診断、防犯指導及び困りごと相談活動等を積極的に推進するものとする。

ウ 各種犯罪の取締り活動の推進等

高齢者が被害にかかりやすい各種刑法犯及び生活経済関係事犯の取締り活動を積極的に推進するとともに、この種犯罪の再発及び被害の拡大防止を図るものとする。

(3) 高齢者の社会参加の促進

ア 高齢者の関係団体等への参加の促進

生活安全、交通等の関係団体等への高齢者の参加の促進等を通じ、高齢者の社会参加意識の高揚を図るものとする。

イ 高齢者の社会奉仕活動への参加の促進

高齢者が参加しやすい条件を整備した上で、地域安全活動、交通安全活動等の地域に密着した社会奉仕活動への高齢者の参加の積極的な促進を図るものとする。

2 推進細目等

重点推進項目及び推進事項の推進細目等については、別表のとおりとする。

〔平3務警発甲28号平4務警発甲21号平7生総発甲31号平10務警発甲56号平22交総発甲25号平26生総・総務・務警・地総・交総・刑総・備一発甲216号・本別記一部改正〕

別表

〔平7生総発甲31号平10務警発甲56号平16務警発甲72号平22交総発甲25号・本表一部改正、平26生総・総務・務警・地総・交総・刑総・備一発甲216号・旧別表第3を一部改正〕

重点推進項目

推進事項

推進細目

担当部門

実態把握活動及び広報啓発活動の推進等

実態把握活動の推進

高齢者の保護及び社会参加に資するための実態把握活動の推進

警ら、巡回連絡、防犯指導、交通安全指導、統計分析、アンケート調査、モニターの委嘱等を通じ、次の実態を的確に把握すること。

・保護を要する高齢者の状況

・高齢者に係る各種犯罪及び事故の状況

・高齢者及び高齢運転者に係る交通事故の状況

・高齢者の社会参加の状況

・高齢者の警察に対する要望及び意見の状況

総務、警務生活安全、地域、刑事交通、警備情報通信

広報啓発活動の推進

高齢者の保護及び社会参加に資するための広報啓発活動の推進

(1) マス・メデイア等の各種広報媒体を積極的に活用すること。

(2) 関係機関・団体等の発行する機関誌(紙)、広報誌(紙)等を積極的に活用すること。

(3) 地域座談会、街頭啓発活動等を積極的に活用し、広報啓発活動を推進すること。

関係機関・団体等との連携の強化

総合的かつ計画的な長寿社会対策の推進

(1) 県、市町村等の働きかけ、高齢者の保護及び社会参加を含めた総合的な長寿社会対策の策定を促進すること。

(2) 県、市町村、社会福祉協議会、老人クラブ等との連絡会議を定期的に開催し、長寿社会対策の計画的な推進を図ること。

(3) 防犯協会、交通安全協会等の育成、指導に努め、高齢者の保護及び社会参加のための自主活動を促進すること。

高齢者の保護の推進

交通事故の防止活動の推進

1 交通安全教育活動の推進

(1) マス・メデイア等の各種広報媒体の積極的な活用等を通じ、高齢者に対する効果的な広報啓発活動等を実施すること。

(2) 老人クラブ、老人ホーム等における参加・体験・実践型の交通安全教育等を計画的に実施すること。

(3) 巡回連絡等を通じ、高齢者家庭における交通安全指導等を計画的に実施するとともに、反射材の活用等交通安全用品の開発・普及を促進すること。

(4) 高齢者の特性、要望等を踏まえた交通安全教育の充実に努めるとともに、専門的知識を有する教育担当者の養成を図ること。

総務、地域交通

2 高齢運転者対策の推進

(1) 高齢者講習等を通じ、効果的な交通安全教育を実施すること。

(2) 加齢に伴う身体機能の低下が行動に及ぼす影響等を理解させるため、各種教育用機材を活用した参加・体験・実践型の交通安全教育を推進すること。

(3) 高齢運転者の運転特性等に関する調査・研究を行い、これを高齢運転者対策に活用すること。

3 交通環境の整備の推進

(1) バリアフリー事業を始めとした高齢者にやさしい道路交通環境を醸成すること。

(2) 高齢者の保護に効果的な交通安全施設の開発・整備を図ること。

各種犯罪及び事故の防止活動の推進

1 地域安全活動等の推進

(1) マス・メデイア等の各種広報媒体の積極的な活用等を通じ、高齢者に対する効果的な防犯広報等を実施すること。

(2) 老人クラブ、老人ホーム等における防犯講習等を計画的に実施すること。

(3) 巡回連絡等を通じ、高齢者家庭における防犯診断、防犯指導等を計画的に実施すること。

(4) 県、市町村等に働き掛け、災害等における高齢者の避難対策の策定を促進するとともに、必要に応じ、避難訓練を実施すること。

(5) 防犯機器業、警備業等の育成、指導に努め、高齢者に適する防犯機器、防犯システム等の開発・普及を促進すること。

総務、警務生活安全、地域、警備情報通信

2 独居老人等に対する保護活動の推進

(1) 独居老人、痴ほう症老人家庭等に対し計画的な訪問を行い、防犯診断、防犯指導等を積極的に実施すること。

(2) 特異行方不明者と認められる痴ほう症老人等については、手配を励行し、その早期発見及び保護に努めること。

(3) 必要に応じ、親族、福祉事務所、民生委員等と連携し、保護活動の徹底を図ること。

(4) 独居老人等の保護に関する通信機器の開発・普及を促進すること。

3 困りごと相談活動の推進

(1) 専門相談職員の育成、配置を通じ、困りごと相談体制の整備、充実を図ること。

(2) 困りごと相談に関する広報を徹底し、その利用の促進を図ること。

(3) 必要に応じ、関係機関・団体等と連携し、相談事案の効果的な解決を図ること。

各種犯罪の取締り活動の推進等

1 各種犯罪の取締り活動の推進

高齢者が被害にかかりやすい各種刑法犯及び生活経済関係事犯の迅速、的確な検挙に努めること。

生活安全、地域、刑事

2 関係機関・団体等との連携による被害の防止活動の推進

(1) 消費生活センター等と連携し、被害の早期把握に努めること。

(2) 関係機関による行政措置及び関係業界による自主規制の促進を図ること。

(3) マス・メデイア等の各種広報媒体を活用し、被害防止のための注意を喚起すること。

高齢者の社会参加の促進

高齢者の関係団体等への参加の促進

関係団体等への参加の促進

(1) 防犯協会、交通安全協会等における高齢者部会の設置及びこれらの団体への高齢者の参加を促進すること。

(2) 防犯連絡責任者、少年補導委員及び交通安全指導員等への高齢者の委嘱を推奨すること。

生活安全、地域、交通

高齢者の社会奉仕活動への参加の促進

社会奉仕活動への参加の促進

(1) 防犯協会、交通安全協会、老人クラブ等と連携し、地域安全活動、青少年健全育成活動、風俗環境浄化活動及び交通安全活動等の社会奉仕活動への高齢者の積極的な参加を促進すること。

(2) 社会奉仕活動に高齢者の参加しやすい内容のものを取り入れるとともに、積極的な情報提供、必要な協力及び支援を行うこと。

(3) 高齢者の社会奉仕活動への参加に当たつては、世代間の交流を促進し、地域社会の連帯意識の醸成を図ること。

愛知県警察長寿社会総合対策要綱の制定

昭和61年9月18日 防犯・総務・務警・ら勤・交企・刑総・備一発甲第28号

(平成26年1月1日施行)

体系情報
第4編 生活安全/第1章 生活安全/第1節 地域安全活動
沿革情報
昭和61年9月18日 防犯・総務・務警・ら勤・交企・刑総・備一発甲第28号
平成3年 務警発甲第28号
平成4年 務警発甲第21号
平成5年 総務発甲第42号
平成7年 生総発甲第31号
平成10年 務警発甲第56号
平成12年 務警発甲第31号
平成15年 務警発甲第48号
平成16年 務警発甲第72号
平成22年 交総発甲第25号
平成24年 務警発甲第52号
平成25年 務警発甲第76号
平成26年 務警発甲第65号
平成26年 生総・総務・務警・地総・交総・刑総・備一発甲第216号