○触法少年に係る事件の証拠物等の還付公告及び県への帰属等に関する措置要領の制定

平成20年3月25日

生非・総会発甲第41号

このたび、少年法等の一部を改正する法律(平成19年法律第68号)等の施行に伴い、触法少年に係る事件の証拠物又は少年法(昭和23年法律第168号)第24条の2第1項各号のいずれかに該当する物のうち、還付を受けるべき者の所在が分からない等の事由により還付することができないものについては、同法第6条の5第2項の規定により準用する刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第499条の規定に基づき、還付公告、換価処分、廃棄、県への帰属等の措置を行うこととなった。

これに伴い、これらの措置の要領について、別記のとおり触法少年に係る事件の証拠物等の還付公告及び県への帰属等に関する措置要領を制定し、平成19年11月1日から適用することとしたから、誤りのないようにされたい。

別記

触法少年に係る事件の証拠物等の還付公告及び県への帰属等に関する措置要領

第1 総則

1 趣旨

この要領は、少年法(昭和23年法律第168号。以下「法」という。)第6条の5第2項及び少年法第6条の2第3項の規定に基づく警察職員の職務等に関する規則(平成19年国家公安委員会規則第23号)第2条の規定に基づき、触法少年に係る事件の証拠物並びに法第24条の2第1項各号及び第2項各号のいずれかに該当する物のうち、還付を受けるべき者の所在が分からない等の事由により還付することができないもの(以下「公告物件」という。)の還付公告、換価処分、廃棄、保管、県への帰属等の手続に関し必要な事項を定めるものとする。

2 準拠

かい(愛知県財務規則(昭和39年愛知県規則第10号。以下「財務規則」という。)第2条第4号に定めるかいをいう。以下同じ。)における公告物件の県への帰属手続については、財務規則の定めによるほか、この要領の定めるところによる。

第2 公告物件の管理体制

1 公告物件の取扱い

公告物件の還付公告、換価処分、廃棄、保管、県への帰属手続等については、触法少年に係る事件の調査(以下「触法調査」という。)を取り扱った警察署において行うものとし、警察本部の所属が取り扱った触法調査に係るものについては、当該事件の発生地を管轄する警察署において行うものとする。

2 管理責任者等

警察署に、次に掲げる責任者を置く。

ア 管理責任者

(ア) 管理責任者は、警察署長をもって充てる。

(イ) 管理責任者は、警察署における公告物件の管理全般について総括責任を負うものとする。

イ 副管理責任者

(ア) 副管理責任者は、副署長をもって充てる。

(イ) 副管理責任者は、管理責任者を補佐し、警察署における公告物件の適正な管理及び保管について責任を負うものとする。

ウ 保管責任者

(ア) 保管責任者は、警察署の触法調査を担当する課の課長又は課長代理のうちから管理責任者が指名するものをもって充てる。

(イ) 保管責任者は、管理責任者及び副管理責任者を補佐し、触法調査に係る公告物件の管理及び保管について責任を負うものとする。

エ 取扱責任者

(ア) 取扱責任者は、警察署の触法調査を担当する課の課員のうちから保管責任者が指名する者をもって充てる。

(イ) 取扱責任者は、触法調査に係る公告物件の出納、関係簿冊への記載等の取扱いについて責任を負うものとする。

第3 還付公告の手続

警察署長は、公告物件について警察署の掲示板に次のとおり還付公告を行うものとする。

(1) 公示書(様式第1)に次に掲げる事項を記載して掲示すること。

ア 警察署の名称

イ 事件名及び押収番号

ウ 品名及び数量

エ 公告の初日及び末日の年月日

(2) (1)に掲げる事項のほか、必要と認められるときは、押収の年月日若しくは場所又は押収物の特徴を記載して掲示すること。

(3) 掲示の期間は、14日間とすること。ただし、特に必要と認められるときは、その期間を延長することができる。

(4) 掲示は、次に掲げるときに速やかに行うこと。

ア 触法少年を児童相談所に通告せず、又は送致しない場合で、触法調査が終了したとき。

イ 触法少年を児童相談所に通告し、又は送致した場合で、児童相談所において児童福祉法(昭和22年法律第164号)第27条第1項第1号から第3号までのいずれかの措置が採られたとき。

ウ 触法少年が家庭裁判所の審判に付された場合で、その審判が終結したとき。ただし、保護処分の決定がされた場合は、法第32条に規定する抗告の期間が終了したとき。

第4 換価処分の手続

1 売却の伺い

保管責任者は、公告物件のうち、滅失若しくはき損のおそれがあるもの又はその保管に著しく費用若しくは手数を要するものについて、公告をしたときから6か月以内において、売却してその代価により保管する必要があると認められるときは、当該公告物件の写真撮影、記録等をしてその性質、形状、特徴等を明確にした上で、公告物件換価処分調査書(様式第2)により警察署長に報告するものとする。

2 売却の決定

1の報告を受けた警察署長は、公告物件を速やかに売却することが適当であると認められるときは、警察署の会計課長(以下「会計課長」という。)にこれを売却させるものとする。この場合において、保管責任者は、公告物件換価処分調査書の写しを会計課長に交付し、売却の決定があった旨を通知するものとする。

3 売却の実施

(1) 会計課長は、公告物件を売却するに当たっては、競争入札に付すものとする。ただし、競争入札に付すことが不適当であると認められるときは、随意契約により実施することができる。

(2) 会計課長は、(1)により買受人が決定したときは、当該買受人から売却公告物件受領書(様式第3)を徴し、売却代金と引き換えに売却に付した公告物件を引き渡した後、公告物件換価処分報告書(様式第4)に売却公告物件受領書及び売却代金を添えて警察署長に報告するものとする。

4 売却費用の取扱い

会計課長は、売却に当たって費用を要したときは、3による売却代金を当該費用(以下「売却費用」という。)に充てることができる。

5 公告物件売却費用充当計算書の作成

会計課長は、4により売却代金を売却費用に充当したときは、公告物件売却費用充当計算書(様式第5)を作成し、警察署長に報告するものとする。

第5 廃棄の手続

1 廃棄の伺い

保管責任者は、公告物件のうち、既にき損して価値がないと認められるもの又は売却に付しても買受人がないものについて、公告をしたときから6か月以内において、廃棄する必要があると認められるときは、当該公告物件の写真撮影、記録等をしてその性質、形状、特徴等を明確にした上で、公告物件廃棄報告書(様式第6)により警察署長に報告するものとする。

2 廃棄の決定

1の報告を受けた警察署長は、公告物件を廃棄することが適当であると認められるときは、保管責任者にこれを廃棄させるものとする。

第6 公告物件出納簿による管理

1 公告物件出納簿への登載

取扱責任者は、公告物件に該当するものについて、公告物件出納簿(様式第7)に登載しなければならない。

2 公告物件出納簿による受払状況等の把握

取扱責任者は、換価処分、廃棄、会計課長への保管依頼等により公告物件を払い出し、又はその返還を受けたときは、公告物件出納簿にその受払状況等を記載しなければならない。

第7 公告物件の保管

1 保管場所

公告物件は、施錠のできる堅ろうな金属製のキャビネット等の保管庫(以下「保管庫」という。)に保管するものとする。ただし、保管庫に収納できないものは、盗難、損傷等の防止措置を講じた上で、警察署長が指定する場所に保管することができる。

2 保管方法

公告物件は、次の方法により保管するものとする。

ア 滅失、変質、き損等の防止についての必要な措置を執ること。

イ 車両を警察署の施設内駐車場において保管する場合は、エンジンキーを抜き、ドアの施錠をするとともに、タイヤロックを掛ける等の盗難防止措置を執ること。

ウ 公告物件には、押収番号、事件名、品名、公告期間及び保管期間を明記した荷札(様式第8)を付して、事件ごとに区分して整理し、他の触法少年に係る事件の公告物件又は現に調査中若しくは審判の終結していない触法少年に係る事件若しくは他の犯罪捜査により押収した証拠物と確実に区分すること。

3 かぎの保管

保管庫のかぎは、保管責任者が施錠設備のある場所に保管するものとする。

4 会計課長による保管

(1) 警察署長は、公告物件のうち現金及び貴金属等(貴金属、宝石その他財産的価値が高いものをいう。以下同じ。)について必要があると認められるときは、これを会計課長に保管させることができる。

(2) 保管責任者は、(1)により会計課長が保管することとなった公告物件について、現金にあっては現金保管依頼書(様式第9)により、貴金属等にあっては公告物件保管依頼書(様式第10)により、会計課長に保管の依頼を行うものとする。この場合において、公告物件出納簿の「会計課長保管依頼」欄に会計課長の署名を受けるものとする。

(3) 会計課長は、保管の依頼を受けた公告物件が高額の現金で、警察署において保管することが困難と認められるときは、その旨を警察署長に報告し、県の指定金融機関又は警察署長が適当と認めるその他の金融機関に、警察署長印を使用した警察署長名義の無利息型の普通預金として預金することができる。

(4) 保管責任者は、(2)により保管を依頼した公告物件の返還の必要があるときは、現金にあっては現金返還依頼書(様式第11)により、貴金属等にあっては公告物件返還依頼書(様式第12)により、会計課長に返還の依頼を行うものとする。

5 保管委託

(1) 公告物件の保管委託

ア 警察署長は、公告物件が危険物等で警察署において保管することが困難又は不適当と認められるときは、当該公告物件を適切に保管することができる者にその保管を委託することができる。

イ 警察署長は、アにより保管を委託するときは、受託者から公告物件保管請書(様式第13)を徴し、公告物件出納簿に添付してその経緯を明らかにしておくとともに、受託者と連絡を密にし、常に適正な保管が行われるように配意しなければならない。

(2) 保管を委託した公告物件の返還

ア 警察署長は、(1)により保管を委託した公告物件の返還を受けようとするときは、あらかじめ保管責任者から受託者にその旨を通知させるものとする。

イ 取扱責任者は、アによる通知後、受託者から当該公告物件の返還を受けるとともに、公告物件保管請書の「備考」欄に受領した年月日を記載し、及び署名するものとする。

第8 県帰属等の取扱い

1 かいの長への報告等

警察署長は、法第6条の5第2項の規定により準用する刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第499条の規定により県に帰属した公告物件にあっては、次により取り扱うものとする。

ア 現金は、県帰属現金報告書(様式第14)により、かいの長に報告すること。

イ 警察署長は、かいの長がアの報告に基づいて発行する納入通知書により、県に帰属した現金を納付すること。

ウ 現金を除く公告物件は、県帰属公告物件送付書(様式第15)により、かいの長に送付すること。

2 報告及び送付の時期

1の報告及び送付は、毎四半期が終了した後速やかに行うものとする。

第9 事故報告

警察署長は、この要領に基づく措置に関し事故があったときは、直ちにその状況を警察本部長に報告(少年課長経由)するものとする。

〔平30務警発甲56号令2務警発甲176号・本別記一部改正〕

〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号令2務警発甲176号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号令2務警発甲176号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号令2務警発甲176号・本様式一部改正〕

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〔平23刑総発甲283号令元務警発甲93号令2務警発甲176号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号令2務警発甲176号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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触法少年に係る事件の証拠物等の還付公告及び県への帰属等に関する措置要領の制定

平成20年3月25日 生非・総会発甲第41号

(令和5年11月17日施行)

体系情報
第4編 生活安全/第2章 年/第1節 少年警察活動
沿革情報
平成20年3月25日 生非・総会発甲第41号
平成23年 刑総発甲第283号
平成30年 務警発甲第56号
令和元年 務警発甲第93号
令和2年 務警発甲第176号
令和5年11月17日 生少発甲第176号