○愛知県風俗案内所規制条例
平成二十四年三月二十七日
愛知県条例第十四号
愛知県風俗案内所規制条例をここに公布する。
愛知県風俗案内所規制条例
(目的)
第一条 この条例は、風俗案内所における業務について必要な規制を行うことにより、清浄な風俗環境を保持し、並びに青少年の健全な育成に障害を及ぼす行為及び特定風俗案内業者による不当な行為を防止し、もって県民が安心して暮らすことができる健全な生活環境を確保することを目的とする。
一 風俗案内所 接待風俗案内又は性風俗案内を行うための施設であって、不特定多数の者が出入りすることができるものをいう。
二 接待風俗案内 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号。以下「法」という。)第二条第一項第一号に該当する営業(以下「接待風俗営業」という。)に関する次に掲げる情報を、当該情報の提供を受けようとする者の求めに応じて提供することをいう。
イ 接待の内容、接待を受けることのできる時間、接待に従事する者に関する事項又は接待を受けるための料金
ロ 営業所の名称、所在地又は電話番号その他の連絡先
三 性風俗案内 法第二条第六項第一号若しくは第二号又は第七項第一号のいずれかに該当する営業に関する次に掲げる情報を、当該情報の提供を受けようとする者の求めに応じて提供することをいう。
イ 異性の客に接触する役務の内容、当該役務を受けることのできる時間、当該役務に従事する者に関する事項又は当該役務を受けるための料金
ロ 営業所の名称、所在地又は電話番号その他の連絡先(法第二条第七項第一号に該当する営業にあっては、当該営業につき広告若しくは宣伝をするときに当該営業を示すものとして使用する呼称、法第三十一条の二第一項第七号に規定する受付所の所在地又は客の依頼を受けるための電話番号その他の連絡先)
四 特定風俗案内業 風俗案内所を設けて有償又は無償で接待風俗案内を行う事業をいう。
五 特定風俗案内業者 特定風俗案内業を行う者をいう。
六 利用者 風俗案内所を利用して情報の提供を受けようとする者をいう。
(一部改正〔平成二七年条例七三号〕)
(禁止行為)
第三条 何人も、風俗案内所を設けて性風俗案内を行ってはならない。
(禁止地域)
第四条 何人も、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(昭和五十九年愛知県条例第三十六号。以下「施行条例」という。)第二条第一号に規定する第一種地域においては、特定風俗案内業を行ってはならない。
2 何人も、施行条例第二条第二号に規定する第二種地域及び同条第三号に規定する第三種地域においては、次の各号に掲げる施設の敷地(当該施設の用に供するものと決定した土地を含む。以下同じ。)の周囲から当該各号に定める距離の区域内において特定風俗案内業を行ってはならない。
一 学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定するもの(大学を除く。)をいう。以下同じ。)又は幼保連携型認定こども園(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定するものをいう。以下同じ。) 百メートル
二 保育所(児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項に規定するものをいう。以下同じ。)、病院(医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の五第一項に規定するものをいう。以下同じ。)又は診療所(医療法第一条の五第二項に規定するもの(患者を入院させるための施設を有するものに限る。)をいう。以下同じ。) 五十メートル
3 何人も、施行条例第二条第四号に規定する第四種地域においては、次の各号に掲げる施設の敷地の周囲から当該各号に定める距離の区域内において特定風俗案内業を行ってはならない。
一 学校又は幼保連携型認定こども園 七十メートル
二 保育所、病院又は診療所 三十メートル
(一部改正〔平成二七年条例三三号〕)
(欠格事由)
第五条 次の各号のいずれかに該当する者は、特定風俗案内業を行ってはならない。
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
二 一年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は次に掲げる罪を犯して一年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
イ 第十八条第一項の罪
ロ 法第四十九条、第五十条第一項第四号から第九号まで、第五十二条第一号、第四号若しくは第五号又は第五十三条第一号若しくは第二号の罪
ハ 売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第六条の罪
ニ 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第五条又は第六条の罪
ホ 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第百十八条第一項(同法第五十六条に係る部分に限る。)又は第百十九条第一号(同法第六十一条又は第六十二条に係る部分に限り、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第四十四条第二項又は第四項の規定により適用する場合を含む。)の罪
ヘ 児童福祉法第六十条第一項又は第二項(同法第三十四条第一項第四号の三、第五号、第七号又は第九号に係る部分に限る。)の罪
三 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者
四 愛知県暴力団排除条例第二十六条第一項の規定による公表(同条例第十四条第一項、第十四条の二第二項、第十六条第一項、第十七条第一項又は第二十二条第三項の規定に違反する行為に係る同条例第二十五条の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなく当該勧告に従わない場合に係るものに限る。)をされ、当該公表をされた日から起算して五年を経過しない者
五 心身の故障により特定風俗案内業を適正に行うことができない者として公安委員会規則で定める者
六 第十四条の規定により特定風俗案内業の廃止の命令を受け、当該命令を受けた日から起算して五年を経過しない者(当該命令を受けた者が法人である場合においては、当該命令に係る聴聞の期日及び場所が公示された日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下同じ。)であった者で当該命令を受けた日から起算して五年を経過しないものを含む。)
七 未成年者
(一部改正〔平成二四年条例六二号・二五年三一号・二六年六七号・二九年二二号・三〇年五三号・令和元年五六号・四年二九号・三〇号・六年三七号〕)
(届出)
第六条 特定風俗案内業を行おうとする者は、風俗案内所ごとに、特定風俗案内業を開始しようとする日の十日前までに、公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を公安委員会に届け出なければならない。この場合において、届出には、公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。
一 氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
二 風俗案内所の名称及び所在地
三 第八条第一項の管理者の氏名及び住所
四 法人にあっては、その役員の氏名及び住所
五 前各号に掲げるもののほか、公安委員会規則で定める事項
(名義貸しの禁止)
第七条 前条第一項の規定による届出をした者は、自己の名義をもって、他人に特定風俗案内業を行わせてはならない。
(管理者)
第八条 特定風俗案内業者は、風俗案内所ごとに、当該風俗案内所における業務の実施を統括管理する者のうちから、第四項に規定する業務を行う者として、管理者一人を選任しなければならない。
2 特定風俗案内業者は、管理者として選任した者が欠けるに至ったときは、その日から十四日以内に、新たな管理者を選任しなければならない。この場合において、新たな管理者の選任の時までの間は、当該特定風俗案内業者(法人にあっては、その役員)が自ら第四項に規定する業務を行わなければならない。
3 次の各号のいずれかに該当する者は、管理者となることができない。
二 未成年者
三 心身の故障により管理者の業務を適正に行うことができない者として公安委員会規則で定める者
4 管理者は、次に掲げる業務を行うものとする。
一 当該風俗案内所における業務がこの条例に違反して行われることのないよう、当該特定風俗案内業者又はその代理人、使用人その他の従業者に対して助言又は指導を行うこと。
二 第十条に規定する従業者名簿及びその記載又は記録について管理すること。
(一部改正〔令和元年条例五六号〕)
(特定風俗案内業者の禁止行為)
第九条 特定風俗案内業者は、当該風俗案内所における業務に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
一 十八歳未満の者を風俗案内所における業務に従事させること。
二 十八歳未満の者に対し接待風俗案内を行い、又は十八歳未満の者を風俗案内所に利用者として立ち入らせること。
三 営業に関する情報を利用者に提供することを委託する契約(以下「委託契約」という。)を締結させ、又は委託契約の申込みの撤回、解除若しくは解約を妨げるため、人を威迫して困惑させること。
四 風俗案内所の周辺において、公衆の目に触れるような方法で接待風俗案内を行うこと。
五 卑わいな行為その他善良の風俗を害する行為が行われていることを告げ、又はこれらの行為が行われていると思わせる方法で、接待風俗案内を行うこと。
六 風俗案内所の外周又は内部に、性的感情を刺激する絵画、写真その他の物品を掲げ、又は性的感情を刺激する装飾をすること。
七 午前零時(次に掲げる日の区分に応じそれぞれ次に定める地域内にあっては、午前一時)から午前九時までの時間において接待風俗案内を行うこと。
イ 施行条例第五条第二項各号に掲げる日 当該各号に定める地域
ロ イに掲げる日以外の日 施行条例第五条第三項に規定する地域
八 風俗案内所の周辺において、公安委員会規則で定める方法により測定した場合における数値が、当該風俗案内所が所在する施行条例第七条第一項の表の上欄に掲げる地域ごとに、同表の下欄に掲げる時間の区分に応じ、それぞれ同欄に定める数値以上となる騒音を生じさせること。
九 第十一条第二項に規定する書類を備えていない接待風俗営業に係る接待風俗案内を行うこと。
十 委託契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、執ように当該委託契約の締結について勧誘すること。
十一 委託契約の解除又は解約をする旨の意思を表示した者に対し、執ように当該委託契約の存続を要求すること。
(一部改正〔平成二七年条例七三号〕)
(従業者名簿)
第十条 特定風俗案内業者は、公安委員会規則で定めるところにより、風俗案内所ごとに、従業者名簿(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をもって作成するものを含む。以下同じ。)を備え、これに当該風俗案内所における業務に従事する者の氏名、生年月日、住所その他公安委員会規則で定める事項を記載し、又は記録しなければならない。
(接待風俗案内受託時の確認等)
第十一条 特定風俗案内業者は、接待風俗営業を営む者から風俗案内所における接待風俗案内を受託するときは、次に掲げる事項を、当該事項を証する書類として公安委員会規則で定める書類により、確認しなければならない。
一 接待風俗営業を営む者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
二 営業所の名称及び所在地
三 営業の種別
四 前三号に掲げるもののほか、公安委員会規則で定める事項
2 特定風俗案内業者は、前項の確認をしたときは、公安委員会規則で定めるところにより、当該確認に係る事項を記載した書類(当該書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。)を作成し、当該風俗案内所ごとにこれを備えなければならない。
3 特定風俗案内業者は、接待風俗営業以外の営業を営む者から当該営業に関する情報を利用者に提供することを受託するときは、公安委員会規則で定めるところにより、当該受託に係る事項を記載した書類(当該書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。)を作成し、当該風俗案内所ごとにこれを備えなければならない。
(青少年の立入禁止の表示)
第十二条 特定風俗案内業者は、公安委員会規則で定めるところにより、十八歳未満の者が立ち入ってはならない旨を当該風俗案内所の入口に表示しなければならない。
(指示)
第十三条 公安委員会は、特定風俗案内業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下「特定風俗案内業者等」という。)が、当該特定風俗案内業に関し、この条例の規定に違反したときは、当該特定風俗案内業者に対し、清浄な風俗環境を害する行為、青少年の健全な育成に障害を及ぼす行為又は特定風俗案内業者による不当な行為を防止するため必要な指示をすることができる。
(特定風俗案内業の停止等)
第十四条 公安委員会は、特定風俗案内業者等が当該特定風俗案内業に関しこの条例の規定に違反した場合において著しく清浄な風俗環境を害し若しくは著しく青少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるとき若しくは特定風俗案内業者による著しく不当な行為を防止するため必要があると認めるとき、又は特定風俗案内業者が前条の規定による指示に違反したときは、当該特定風俗案内業者に対し、当該特定風俗案内業の廃止を命じ、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて、当該特定風俗案内業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
(聴聞の特例)
第十五条 公安委員会は、前条の規定による命令をしようとするときは、愛知県行政手続条例(平成七年愛知県条例第二十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
2 公安委員会は、前項の聴聞を行うに当たっては、その期日の一週間前までに、愛知県行政手続条例第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
3 前項の通知を愛知県行政手続条例第十五条第三項に規定する方法によって行う場合においては、同条第一項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、二週間を下回ってはならない。
4 第一項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
(報告及び立入検査)
第十六条 公安委員会は、この条例の施行に必要な限度において、特定風俗案内業者に対し、その業務に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は警察職員に、風俗案内所に立ち入り、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により警察職員が立入検査をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(公安委員会規則への委任)
第十七条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定める。
(罰則)
第十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第三条の規定に違反した者
三 第七条の規定に違反した者
五 第十四条の規定による命令に違反した者
第十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
三 第十条の規定に違反し、又は従業者名簿に虚偽の記載若しくは記録をした者
四 第十一条第一項の規定に違反した者
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成二十四年六月一日から施行する。
附則(平成二十四年十月十六日条例第六十二号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成二十五年三月二十九日条例第三十一号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成二十五年六月一日から施行する。
附則(平成二十六年十月十四日条例第六十七号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成二十七年三月二十四日条例第三十三号)
この条例は、平成二十七年四月一日から施行する。
附則(平成二十七年十二月二十二日条例第七十三号)
この条例は、平成二十八年六月二十三日から施行する。(後略)
附則(平成二十九年三月二十八日条例第二十二号)
この条例は、平成二十九年七月一日から施行する。
附則(平成三十年十月十九日条例第五十三号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成三十一年一月一日から施行する。
附則(令和元年十月十八日条例第五十六号)
この条例は、令和元年十二月十四日から施行する。
附則(令和四年三月二十五日条例第二十九号)
この条例は、令和四年四月一日から施行する。
附則(令和四年三月二十五日条例第三十号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和四年六月一日から施行する。ただし、第二十九条に一項を加える改正規定、第三十一条第一項の改正規定並びに次項及び附則第三項の規定は、公布の日から施行する。
附則(令和六年三月二六日条例第三七号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和六年六月一日から施行する。