○酒類提供等営業に係る不当な勧誘、料金の不当な取立て等の規制等に関する条例
平成二十九年三月二十八日
愛知県条例第一号
酒類提供等営業に係る不当な勧誘、料金の不当な取立て等の規制等に関する条例をここに公布する。
酒類提供等営業に係る不当な勧誘、料金の不当な取立て等の規制等に関する条例
(目的)
第一条 この条例は、酒類提供等営業に関し、不当な勧誘、料金の不当な取立て等について必要な規制を行うこと等により、個人の身体及び財産に対する危害の発生を防止することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において「酒類提供等営業」とは、バー、酒場その他名称のいかんを問わず、営業所を設けて客に飲食させる営業のうち、客に酒類を提供し、かつ、客の接待(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第三項に規定する接待をいう。以下同じ。)をして営むものをいう。
(特別区域)
第三条 酒類提供等営業に係る不当な勧誘、料金の不当な取立て等による個人の身体及び財産に対する危害の発生を防止するため、この条例による規制を行う必要性が特に高いと認められる区域として、次に掲げる区域を不当な勧誘、料金の不当な取立て等規制特別区域(以下「特別区域」という。)と定める。
一 名古屋市中区錦三丁目の区域(都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)第二条第一項に規定する都市公園の区域を除く。)
二 名古屋市中区栄三丁目一番から十五番まで、栄四丁目並びに栄五丁目一番及び三番から七番までの区域
(料金等の表示)
第四条 酒類提供等営業を営む者は、公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を表示した書面その他の物を営業所内において客に見やすいように掲げ、又は備えなければならない。
一 当該酒類提供等営業に係る料金(当該営業所において、当該酒類提供等営業を営む者の代理人、使用人その他の従業者(以下「従業者等」という。)がその提供する飲食、接待等の対価として受け取る一切の金銭を含む。以下同じ。)
二 違約金その他名目のいかんを問わず、当該酒類提供等営業に関し客が支払うべきものとする金銭(前号に掲げるものを除く。以下「違約金等」という。)に関する定めがある場合にあっては、その内容
2 酒類提供等営業を営む者は、客を営業所に立ち入らせた直後に(それ以前に当該酒類提供等営業に係る料金又は違約金等が生ずる場合にあっては、それらが生ずる前に)、前項各号に掲げる事項を表示した書面その他の物を客に見やすいように示さなければならない。
(不当な勧誘等の禁止)
第五条 何人も、人に酒類提供等営業の客となるように勧誘をし、又は広告若しくは宣伝をするに当たっては、次に掲げる行為をしてはならない。
一 当該酒類提供等営業に係る料金について、実際のものよりも著しく低廉であると誤認させるような事項を告げ、又は表示すること。
二 前条第一項第二号に掲げる事項について、不実のことを告げ、又は表示すること。
(料金等の不当な取立ての禁止)
第六条 何人も、酒類提供等営業の客に対し、粗野若しくは乱暴な言動を交えて、又はその者から預かった所持品を隠匿する等迷惑を覚えさせるような方法で、当該酒類提供等営業に係る料金又は違約金等の取立てをしてはならない。
(酒類提供等営業を営む者の勧誘等の委託に伴う指導義務)
第七条 酒類提供等営業を営む者は、当該酒類提供等営業に関し人に客となるように勧誘をし、又は広告若しくは宣伝をすることを委託したときは、当該酒類提供等営業を営む者その他の者から委託を受けて、当該酒類提供等営業に関し人に客となるように勧誘をし、又は広告若しくは宣伝をする者が第五条の規定に違反することのないよう必要な指導をしなければならない。
(違法な客引きを受けた者を立ち入らせることの禁止)
第八条 酒類提供等営業を営む者は、当該酒類提供等営業に関し、愛知県迷惑行為防止条例(昭和三十八年愛知県条例第四号)第七条第一項の規定に違反する行為(同項第二号又は第八号に該当する客引きに限る。)をした者その他の者から紹介を受けて、当該客引きを受けた者を客として営業所内に立ち入らせてはならない。
(一部改正〔平成三〇年条例五三号〕)
(指示)
第九条 公安委員会は、酒類提供等営業を営む者又はその従業者等が、当該酒類提供等営業に関しこの条例の規定に違反したときは、当該酒類提供等営業を営む者に対し、個人の身体及び財産に対する危害の発生を防止するため、必要な指示をすることができる。
二 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百五十九条、第百六十一条、第百六十三条の二から第百六十三条の五まで、第百九十九条、第二百一条、第二百三条(第百九十九条に係る部分に限る。)から第二百六条まで、第二百八条、第二百九条、第二百十条、第二百十七条から第二百二十三条まで、第二百三十五条、第二百三十六条から第二百四十一条まで、第二百四十三条(第二百三十五条、第二百三十六条及び第二百三十八条から第二百四十一条までに係る部分に限る。)、第二百四十六条、第二百四十六条の二、第二百四十八条から第二百五十条(第二百四十六条、第二百四十六条の二、第二百四十八条及び第二百四十九条に係る部分に限る。)まで、第二百六十一条及び第二百六十二条の罪に当たる違法な行為
(標章の貼付け)
第十一条 公安委員会は、前条の規定により酒類提供等営業の停止を命じたときは、公安委員会規則で定めるところにより、当該命令に係る施設の出入口の見やすい場所に、公安委員会規則で定める様式の標章を貼り付けるものとする。
一 当該施設を当該酒類提供等営業の用以外の用に供しようとするとき。
二 当該施設を取り壊そうとするとき。
三 当該施設を増築し、又は改築しようとする場合であって、やむを得ないと認められる理由があるとき。
3 第一項の規定により標章を貼り付けられた施設について、当該命令に係る酒類提供等営業を営む者から当該施設を買い受けた者その他当該施設の使用について正当な権原を有する第三者は、公安委員会規則で定めるところにより、標章を取り除くべきことを申請することができる。この場合において、公安委員会は、標章を取り除かなければならない。
(建物の提供をする者の責務)
第十三条 酒類提供等営業を営む者に対し建物(建物の一部を含み、当該酒類提供等営業の用に供されるものに限る。以下同じ。)の提供(継続的なものに限る。第十五条第一項において同じ。)をする者は、当該建物がこの条例の規定に違反する行為を用いた酒類提供等営業の用に供されることのないよう適正な管理に努めなければならない。
(建物の提供をする者に対する勧告等)
第十五条 公安委員会は、酒類提供等営業を営む者に特別区域内に所在する建物の提供をする者に対し、当該建物が第二十条第二項の罪に当たる違法な行為を用いた酒類提供等営業の用に供されているときは、当該建物をこれらの行為を用いた酒類提供等営業の用に供させないために必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
2 公安委員会は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、公安委員会規則で定めるところにより、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。
(報告及び立入検査)
第十六条 公安委員会は、この条例の施行に必要な限度において、酒類提供等営業を営む者その他の関係者に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
2 警察官は、この条例の施行に必要な限度において、酒類提供等営業の営業所(個室その他これに類する施設(以下この項において「個室等」という。)を設ける営業所にあっては、客が在室する個室等を除く。)に立ち入り、書類その他の物件を検査し、又は関係者に質問することができる。
3 前項の規定により警察官が立入検査をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4 第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(情報の提供)
第十七条 警察署長は、その管轄区域における酒類提供等営業に係る不当な勧誘、料金の不当な取立て等による個人の身体及び財産に対する危害の発生を防止するため必要な情報の提供を行うものとする。
(関係機関への照会等)
第十八条 公安委員会は、この条例の適切かつ円滑な運用を図るため、関係機関に照会し、又は協力を求めることができる。
(委任)
第十九条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定める。
(罰則)
第二十条 第十条の規定による公安委員会の命令に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
三 特別区域内において営まれる酒類提供等営業に関し第五条の規定に違反した者
四 特別区域内において営まれる酒類提供等営業に関し第六条の規定に違反した者
五 特別区域内において営まれる酒類提供等営業に関し第八条の規定に違反した者
六 第十四条の規定に違反した者
3 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第十一条第四項の規定に違反した者
附則
この条例は、平成二十九年七月一日から施行する。
附則(平成三十年十月十九日条例第五十三号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成三十一年一月一日から施行する。