○愛知県警察山岳遭難対策推進要綱の制定
平成28年3月2日
地総発甲第37号
この度、山岳遭難対策に万全を期すため、別記のとおり愛知県警察山岳遭難対策推進要綱を制定し、平成28年4月1日から施行することとしたので、その適正な運用に努められたい。
別記
愛知県警察山岳遭難対策推進要綱
第1 趣旨
この要綱は、登山者等の安全確保及び的確な救助活動を目的として行う山岳遭難対策(山岳遭難の防止及び山岳遭難救助に係る活動をいう。以下同じ。)に関して必要な事項を定めるものとする。
第2 山岳遭難対策体制
1 総括責任者等
(1) 総括責任者
ア 地域総務課に山岳遭難対策の総括責任者を置き、地域総務課長をもって充てる。
イ 総括責任者は、山岳遭難対策に係る事務を総括するものとする。
(2) 総括補助者
ア 地域総務課に山岳遭難対策の総括補助者を置き、地域指導室長をもって充てる。
イ 総括補助者は、総括責任者を補佐し、山岳遭難対策に関する指導、教養及び訓練を行うものとする。
(3) 推進責任者
ア 警察署に山岳遭難対策の推進責任者を置き、警察署長をもって充てる。
イ 推進責任者は山岳遭難の防止対策を推進し、又は山岳遭難が発生した場合は、捜索救助活動を指揮するものとする。
(4) 推進補助者
ア 警察署に山岳遭難対策の推進補助者を置き、地域課長(地域交通課長を含む。以下同じ。)をもって充てる。
イ 推進補助者は推進責任者を補佐し、その指示を受け、山岳遭難の防止対策を推進するほか、署員に対する教養を行い、山岳遭難事故が発生した場合は、現場指揮官として活動し、関係機関との連携に努めるものとする。
なお、山岳救助隊を編成する警察署においては、隊長を兼務するものとする。
2 山岳救助隊の編成等
(1) 山岳救助隊の編成
設楽警察署及び新城警察署の推進責任者は、山岳救助隊を編成するものとする。
(2) 山岳救助技術員
次表に定める指定警察署の推進責任者は、山岳遭難が発生した場合に的確な現場指導が行えるよう署員の中から山岳救助技術員を指定するものとする。
指定警察署 | 瀬戸警察署 小牧警察署 岡崎警察署 足助警察署 豊橋警察署 | 春日井警察署 犬山警察署 豊田警察署 豊川警察署 |
(3) 山岳救助隊員等の指定
第3 基礎資料の整備
山岳を管轄する警察署の推進責任者は、登山口、登山道、地形等を明らかにする図面等の資料を作成し、山岳遭難の防止及び捜索救助活動に資するものとする。
第4 山岳遭難の防止対策
1 関係機関と連携した現場確認
山岳を管轄する警察署の推進責任者は、平素から関係機関と協力して、登山道における危険箇所を把握し、案内看板の設置状況について現場確認をするなど、山岳遭難の防止に努めるものとする。
2 広報啓発活動
推進責任者は、あらゆる機会を通じ、各種広報媒体を積極的に活用するなど効果的に広報啓発活動を推進するものとする。
第5 山岳遭難救助活動
1 適切な山岳遭難救助活動の推進
(1) 体制の確立
自署管内の山岳において山岳遭難が発生したことを認知した時は、設楽警察署及び新城警察署の推進責任者にあっては隊員を、その他の警察署の推進責任者にあっては推進補助者又は山岳救助技術員を中心に必要な人員を招集して現場出動させるとともに、関係機関に連絡して協力体制の早期確立に努めること。
(2) 現場指揮官による的確な指揮
現場指揮官は、捜索救助活動を開始する際、隊員に対して活動要領を具体的に指示し、共通認識を持つこと。
(3) 活動の中止等
現場指揮官は、気象状況、隊員の疲労度等を常に掌握し、二重遭難の危険が高いと判断した場合は、直ちに活動を中止し、又は縮小すること。
(4) 打切りの決定
推進責任者は、捜索の長期化により、活動を打切る必要が認められる場合、関係機関及び遭難者の関係者に意見を求め、総括責任者と協議した上で総合的に判断して打切りを決定すること。
(5) 安全の確保
隊員は、自己の体力、技術及び経験に基づく冷静な判断により、安全な活動に努め事故防止に万全を期すこと。
2 関係機関との連携
推進責任者は、山岳遭難救助活動を安全かつ効果的に行うため、消防機関と連携を図るとともに、地元の山域に精通している住民、消防団、猟友会等からも情報収集等の山岳遭難救助に必要な協力を依頼するものとする。
3 警察航空隊との連携
推進責任者は、山岳遭難が発生し航空機による捜索が必要と認められる場合は、早期に警察本部長(警備第二課長経由)に対して警察航空隊の派遣を要請し、空陸一体となった捜索救助活動を展開して、要救助者の早期発見、救助に努めるものとする。
4 警備部隊の応援要請
推進責任者は、自署のみでの捜索、救助が困難と認められる場合には、警察本部長(警備第一課長経由)に対して警備部隊(機動隊及び第二機動隊をいう。)の応援派遣を要請し、その要請結果を地域部長に報告するものとする。
5 隣接警察署への協力要請
推進責任者は、山岳遭難の捜索範囲が隣接警察署にも及ぶことが想定される場合は、隣接警察署に協力を要請するものとする。
なお、複数の警察署が捜索救助活動を実施する場合は、発生地(通報時判明している住所地)を管轄する警察署の推進責任者が情報集約し、指揮を執るものとする。
第6 捜索救助活動の事前対策
1 山岳遭難救助訓練の実施
(1) 総括責任者は、総合的な山岳遭難救助訓練を計画的に行い、山岳救助隊等の知識、技能の向上に努めるものとする。
(2) 設楽警察署及び新城警察署の推進責任者は、署情に応じた教養訓練を行い、隊員の登山及び捜索救助に関する知識、技能の向上を図るものとする。
また、隣接警察署との合同訓練も計画的に行うものとする。
2 装備品の整備及び管理
総括責任者並びに設楽警察署及び新城警察署の推進責任者は、要救助者及び捜索救助活動に従事する職員の安全を確保するため、装備品の整備を図り、その管理を徹底するものとする。
第7 報告
1 山岳遭難諸対策の実施結果
山岳遭難防止活動や山岳遭難救助訓練等の山岳遭難対策を実施したときは、その結果を地域部長に報告するものとする。
2 山岳遭難の報告
山岳遭難が発生した場合は、山岳遭難発生報告(様式第3)により警察本部長に報告するものとする。
第8 その他
この要綱の実施に関し、必要な細目的事項は、地域部長が別に定めるものとする。
〔令3地総・地通発甲135号・本別記一部改正〕
〔平31務警発甲54号令元務警発甲93号・本様式一部改正〕
〔平31務警発甲54号令元務警発甲93号・本様式一部改正〕
〔平31務警発甲54号令元務警発甲93号・本様式一部改正〕