○点数切符による違反事実の告知、点数切符の作成等の要領の制定
昭和60年9月1日
交指・交免発甲第35号
このたび、道路交通法(昭和35年法律第105号)及び道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)の一部改正により、点数のみを付する騒音運転等及び座席ベルト装着義務違反に関する規定が増設され、乗車用ヘルメット着用義務違反に関する規定の一部が改正された。
これらの違反に関し、当該違反事実及び基礎点数が付される旨を記載した書面(以下「点数切符」という。)の様式その他必要な事務の処理について、別記のとおり点数切符による違反事実の告知、点数切符の作成等の要領を定め、昭和60年9月1日から実施することとしたから、次の事項に留意し、その運用に遺憾のないようにされたい。ただし、乗車用ヘルメット着用義務違反のうち、原動機付自転車の運転に係るもの及び大型自動二輪車及び普通自動二輪車について40キロメートル毎時未満の最高速度が定められている道路の区間における大型自動二輪車及び普通自動二輪車の運転に係るものについては、昭和61年7月5日から実施する。
なお、乗車用ヘルメツト着用義務違反点数切符の運用要領の制定(昭和50年交指発甲第28号)は廃止する。
〔平8交総・交指・交制・交免・交試・交東免発21号平20交指・交免発甲138号・本制定文一部改正〕
1 点数切符の趣旨を誤り、いやしくも件数主義に陥ることのないよう厳に戒め、軽微な違反については指導警告にとどめること。
2 点数切符の作成・交付に当たつては、細心の注意をもつて読みやすく正確に記載し、交付前の点検を確実に行つて、その後の事務処理に支障を来さないようにすること。
3 点数切符の携帯に当たつては、紛失し、汚損し、又は破損することがないよう慎重に取り扱うこと。また、複写部分のずれを生じさせないよう注意すること。
別記
点数切符による違反事実の告知、点数切符の作成等の要領
第1 趣旨
この要領は、座席ベルト装着義務違反、幼児用補助装置使用義務違反又は乗車用ヘルメット着用義務違反に対する違反事実及び基礎点数が付される旨を記載した書面(以下「点数切符」という。)による事務処理について必要な事項を定めるものとする。
第2 用語の意義
この要領において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。
(1) 座席ベルト装着義務違反 道路交通法施行令(以下「令」という。)別表第2の備考第2号の101に定める行為
(2) 幼児用補助装置使用義務違反 令別表第2の備考第2号の102に定める行為
(3) 乗車用ヘルメット着用義務違反 令別表第2の備考第2号の103に定める行為
第3 点数切符の様式等
1 様式、構成等
(1) 点数切符は、3枚で一組を構成するものとする。
1枚目を告知票、2枚目を報告票、3枚目を取締り原票とし、それぞれの様式は、様式第1のとおりとする。
(2) 告知票、報告票及び取締り原票の一組に同一番号を印刷するものとする。
なお、この番号は、010001号から099999号までの一連番号とする。
(3) 点数切符の各票の複写を要する部分は、ノーカーボン式複写とする。
(4) 点数切符は、5組を1冊とする。
2 各票の色及び用途
点数切符の各票の色及び用途は、次表のとおりとする。
区分 | 色 | 用途 |
告知票 | 白色 | 告知警察官が違反者に交付するもの |
報告票 | 白色 | 告知警察官が所属長に報告し、当該所属において取締りの参考資料として活用するもの |
取締り原票 | 白色 | 警察情報管理システムによる運転者管理業務の違反登録票、行政処分原票その他資料として運転免許課において用いるもの |
第4 点数切符による違反事実の告知要領
1 告知の方法
警察官は、座席ベルト装着義務違反、幼児用補助装置使用義務違反又は乗車用ヘルメツト着用義務違反をした者を現認し、又は認知したときは点数切符を作成し、違反者に告知票を交付するものとする。ただし、違反者が告知票の受領を拒否した場合は、当該違反行為に基礎点数が付される旨を口頭で告知するものとする。
2 違反行為が競合する場合の取扱い
(1) 点数切符の対象となる違反行為をした者が、酒気帯び運転(呼気中のアルコール濃度0.15mg/l以上0.25mg/l未満の場合に限る。)又は基礎点数が付されない違反である泥はね運転、公安委員会遵守事項違反、運行記録計不備、警音器使用制限違反若しくは免許証不携帯を同時にした場合は、交通切符又は交通反則切符とは別に点数切符を作成し、違反者に告知票を交付するものとする。
(2) 点数切符の対象となる違反行為をした者が、基礎点数が付される他の違反行為(酒気帯び運転については、呼気中のアルコール濃度0.25mg/l以上の場合に限る。)を同時にした場合は、点数切符の対象となる違反行為については、点数切符による告知を行わず、指導警告にとどめるものとする。
(3) 点数切符の対象となる複数の違反行為を同時にした場合は、立証が確実な一つの違反行為についてのみ点数切符を作成し、違反者に告知票を交付するものとする。
第5 点数切符の作成要領
第6 点数切符等の処理手続
1 告知警察官の措置
(1) 違反者に告知した警察官は、報告票及び取締り原票をとりまとめ、速やかに所属長に報告するものとする。
(2) 告知警察官は、第4の2の(1)に規定する競合する違反については、違反競合事件報告書(反則切符告知要領様式第9)の「切符番号等」欄の左余白にと表示して、これにより所属長に報告するものとする。
(3) 点数切符による違反行為を現認したが否認、逃走等のため「自認書」欄の記入がない場合又は現認によらず認知した場合は、道路交通法違反事件捜査報告書(様式第2)、参考人供述調書(反則切符告知要領様式第3)その他の必要書類を作成し、点数切符とともに所属長に報告するものとする。
(4) 点数切符使用状況表(様式第3)は、反則切符告知要領の例により作成し、処理するものとする。
2 所属長の措置
所属長は、1の規定により告知警察官から報告を受けたときは、その内容を点検し、別に定めるところにより、違反登録票の各欄を記載し、当該取締り原票その他の関係書類を原則として告知した日の翌日に運転免許課長に引き継ぐものとする。
第7 誤つて告知した場合の措置要領
1 警察官は、違反が成立しないことその他告知が誤りであつたことを発見した場合は、審査責任者(交通切符等管理システム運用要綱の制定(平成19年交指・総情・地総・交駐・交免発甲第70号)第3の2の(4)に規定する審査責任者をいう。以下同じ。)に速やかに連絡するものとする。
2 審査責任者は、1の連絡を受けた場合は、所属長に報告するとともに、運転免許課長に連絡するものとする。
〔昭61交指・交免発甲34号平2交企・交指・交駐・務警発甲44号平8交総・交指・交制・交免・交試・交東免発21号平12交指・交免・交制発甲17号平14交指発甲136号平16交指発甲126号平20交指・交免発甲138号平21交指・交免発甲102号平25交指発甲45号・本別記一部改正〕
別表第1
〔昭61交指・交免発甲34号・本別表追加〕
保安基準により座席ベルトの装備が義務付けられている自動車
自動車の区分 | 普通乗用自動車及び小型乗用自動車(いずれも乗車定員11人以上のものを除く。) | 小型貨物自動車及び軽自動車 | 普通貨物自動車 | 乗車定員11人以上の自動車(バス) | |
座席別 | 座席ベルトの構造 | ||||
運転者席 | 第1種座席ベルト | 昭和44年4月1日から昭和50年3月31日までに製作されたもの | 昭和44年10月1日から昭和50年3月31日までに製作されたもの | 昭和50年12月1日以降に製作されたもの | 昭和62年9月1日(輸入自動車にあつては、昭和63年4月1日)以降に製作されたもの |
第2種座席ベルト | 昭和50年4月1日以降に製作されたもの | ||||
外側助手席 | 第1種座席ベルト | 昭和48年12月1日から昭和50年3月31日までに製作されたもの | 昭和50年12月1日以降に製作されたもの | 昭和62年9月1日(輸入自動車にあつては、昭和63年4月1日)以降に製作されたもの | |
第2種座席ベルト | 昭和50年4月1日以降に製作されたもの | ||||
内側助手席 | 第1種座席ベルト | 昭和62年3月1日(輸入自動車にあつては、昭和63年4月1日)以降に製作されたもの | 昭和62年9月1日(輸入自動車にあつては、昭和63年4月1日)以降に製作されたもの |
備考 第1種座席ベルトとは2点式等、第2種座席ベルトとは3点式等の座席ベルトをいう。
別表第2
〔昭61交指・交免発甲34号・旧別表一部改正し繰下、平8交総・交指・交制・交免・交試・交東免発21号平12交指・交免・交制発甲17号平16交指発甲126号平20交指・交免発甲138号令3交指発甲167号・本表一部改正〕
点数切符の作成要領
1 告知票の作成要領
違反の種別 | 記入欄 | 作成要領 |
座席ベルト装着義務違反 | 免許証 | 「免許証の種別」は、違反者の免許証記載の免許種別に従い該当する免許種別を○で囲むこと。 |
違反場所 | 市区町村名・番地のほか、当該場所を特定する目標施設等を入れて具体的に記入すること。 なお、高速自動車国道又は自動車専用道路については、上り線・下り線の別、キロポスト、料金所名、サービスエリア名等についても記載すること。 | |
違反行為 | 1 「□座席ベルト装着義務違反」の□印を○で囲むこと。 2 違反行為の内容に応じ、座席ベルトを装着していない者が、運転者である場合は「□運転者 第1項」の□印を、運転者席の横座席の同乗者である場合は「□運転者席横同乗者 第2項」の□印を、運転者席の横座席以外の座席(以下「後部座席」という。)の同乗者である場合は「□後部座席同乗者 第2項」の□印を、運転者及び運転者席の横座席の同乗者である場合は「□運転者 第1項 □運転者席横同乗者 第2項」の□印を、運転者及び後部座席の同乗者である場合は「□運転者 第1項 □後部座席同乗者 第2項」の□印を、運転者席の横座席の同乗者及び後部座席の同乗者である場合は「□運転者席横同乗者 第2項 □後部座席同乗者 第2項」の□印を、運転者、運転者席の横座席の同乗者及び後部座席の同乗者である場合は「□運転者 第1項 □運転者席横同乗者 第2項 □後部座席同乗者 第2項」の□印を○で囲むこと。 | |
幼児用補助装置使用義務違反 | 免許証 | 座席ベルト装着義務違反の場合と同じ。 |
違反場所 | 座席ベルト装着義務違反の場合と同じ。 | |
違反行為 | 1 「□幼児用補助装置使用義務違反」の□印を○で囲むこと。 2 違反行為の内容に応じ、幼児用補助装置を使用していない幼児が、運転者席の横座席に同乗の幼児である場合は「□運転者席横同乗の幼児」の□印を、後部座席に同乗の幼児である場合は「□後部座席同乗の幼児」の□印を○で囲むこと。 | |
乗車用ヘルメット着用義務違反 | 免許証 | 座席ベルト装着義務違反の場合と同じ。 |
違反場所 | 座席ベルト装着義務違反の場合と同じ。 | |
違反行為 | 1 「□乗車用ヘルメット着用義務違反」の□印を○で囲むこと。 2 「□大型自動二輪車 第1項」、「□普通自動二輪車 第1項」又は「□一般原動機付自転車 第2項」のいずれかの□印を○で囲み、違反行為の内容に応じ、乗車用ヘルメットを着用していない者が、運転者である場合は「□運転者」の□印を、運転者と同乗者である場合は「□運転者 □同乗者」の□印を、同乗者のみの場合は「□同乗者」の□印を○で囲むこと。 |
2 報告票の作成要領
違反の種別 | 記入欄 | 作成要領 |
座席ベルト装着義務違反 | 自認書 | 1 違反者が任意に作成する場合に記入させること。 2 同欄に印刷してある自認文言を活用するほか、違反者が違反の動機等について弁解すべき事項があれば、その要旨を余白部分に簡記するよう求めた上、署名を求めること。この場合において、違反者に指印又は押印を求めても差し支えない。 |
特記事項 | 必要により次の事項を記載すること。 (1) 違反現場の略図、道路名又は交通規制標識の設置位置及び内容 (2) 認知した違反の場合は、その認知状況 (3) 告知票の受領拒否、自認書の署名拒否、違反者が逃走した場合等の状況 (4) 令第26条の3の2第1項又は第2項に定める座席ベルト装着義務の除外事由に該当しないと認めた場合は、その理由 (例)「座高が低いが、適切に装着可能」等 (5) 座席ベルト装備の義務付けのある自動車であるのに装備がない場合は、その理由 (例)「座席ベルトは運転手本人が切り取り装備されていない」等 (6) その他弁解の要旨、違反事実に関する特記すべき事項 | |
取締りメモ | 「特記事項」の項の補足欄として活用するほか、違反を告知した場合に、同時に複数の違反行為があつたときは、その状況を記載すること。 | |
幼児用補助装置使用義務違反 | 自認書 | 座席ベルト装着義務違反の場合と同じ。 |
特記事項 | 座席ベルト装着義務違反の場合に準じるが、必要により次の事項についても記載すること。 (1) 令26条の3の2第3項に定める幼児用補助装置の使用義務の免除事由に該当しないと認めた場合は、その理由について「肥満しているが適切に幼児用補助装置の使用が可能」等と記入すること。 (2) 乗車させていた幼児の年齢 | |
取締りメモ | 座席ベルト装着義務違反の場合と同じ。 | |
乗車用ヘルメット着用義務違反 | 自認書 | 座席ベルト装着義務違反の場合と同じ。 |
特記事項 | 座席ベルト装着義務違反の場合と同じ。 | |
取締りメモ | 座席ベルト装着義務違反の場合と同じ。 |
〔昭61交指・交免発甲34号平元交指発甲50号平2交企・交指・交駐・務警発甲44号平4交指・交免発甲43号平8交総・交指・交制・交免・交試・交東免21号平10交総・交指・交駐・交制・交免・務警発甲27号・本様式一部改正、平12交指・交免・交制発甲17号平14交指発甲136号・本様式全部改正、平16交指発甲126号平20交指・交免発甲138号平29交総発甲30号・本様式一部改正〕
〔平元交指発甲50号・本様式一部改正〕
〔平元交指発甲50号・本様式一部改正、平25交指発甲45号平29交総発甲30号・本様式全部改正〕