○自動車の運行供用制限等に関する事務処理要領の制定

平成3年6月26日

交駐発甲第29号

このたび、自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和37年法律第145号。以下「法」という。)の一部が改正され、道路上の場所以外の場所において保管場所を確保していない自動車の保有者に対する自動車の運行供用制限命令の規定が設けられたこと等に伴い、別記のとおり、自動車の運行供用制限等に関する事務処理要領を定め、平成3年7月1日から適用することとしたから、その適正な運用に努められたい。

別記

自動車の運行供用制限等に関する事務処理要領

第1 目的

この要領は、法第8条から第10条まで及び第13条第2項の規定に基づき、公安委員会が行う保管場所を確保していない自動車の保有者に対する措置に関する事務処理手続について必要な事項を定め、その適正かつ効果的な処理を図ることを目的とする。

第2 用語の意義

この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 運送事業用自動車

道路運送法(昭和26年法律第183号)の規定による自動車運送事業又は貨物利用運送事業法(平成元年法律第82号)の規定による第二種貨物利用運送事業の用に供する自動車をいう。

(2) 自家用自動車

運送事業用自動車以外の自動車をいう。

(3) 適用地域

法附則第4項の規定により、法第8条から第10条までの規定が適用される地域をいう。

第3 処分対象事案の認知等

1 通知事案の認知等

警察官又は交通巡視員(以下「警察官等」という。)は、法第8条の規定による通知の要件に該当する自動車を認知したときは、速やかに当該自動車の使用の本拠の位置が適用地域に在るかどうか等必要な事項を調査の上、様式第1の通知事案報告書を作成するとともに、当該事案に係る現認報告書、保管場所としての道路の使用の禁止等違反に係る交通切符(以下「保管法切符」という。)、放置駐車違反に係る交通反則切符又は交通切符その他の捜査書類等を添付して、警察署長に対し報告するものとする。

2 通知事案報告書の審査等

警察署長は、通知事案の報告を受けたときは、次に掲げる事項について審査するものとする。

(1) 自動車の使用の本拠の位置が適用地域に在るかどうか。

(2) 自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律(平成2年法律第74号)附則第2条第4項の規定により、法第9条の規定が適用できる自動車及び当該自動車の保有者であるかどうか。

(3) 当該事案が通知事案に該当するかどうか。

(4) 事案の認定についての誤りがないかどうか。

(5) 通知事案報告書の記載内容に不備がないかどうか。

3 保管場所の確保状況の照会等

警察署長は、通知事案に該当する事案については、通知事案報告書に基づき様式第2の自動車保管場所確保状況照会書を作成し、当該照会書に係る自動車の保有者に対し、当該照会書を交付し、保管場所の確保状況を照会するとともに、保管場所を確保していない場合は、保管場所を確保した上、保管場所証明、保管場所に係る届出等の手続を履行するよう指導するものとする。この場合において、当該照会書を交付したときから15日以内に、当該自動車の保有者に対し、保管場所の確保の状況について様式第3の自動車保管場所確保状況回答書により、回答を求めるものとする。

第4 処分対象事案の通知

1 通知の方法

警察署長は、15日以内に自動車保管場所確保状況回答書による回答がなく、又は保管場所を確保する予定がないと判断される自動車の保有者については、様式第4の通知書を作成するとともに、必要な関係書類を添付して、警察本部の交通指導課長(以下「交通指導課長」という。)に送付するものとする。

2 添付書類

通知書に添付する書類は、次に掲げる書類の全部又は一部とし、必要に応じ他の書類を加えるものとする。

(1) 保管場所確保状況回答書の写し

(2) 現認報告書の写し

(3) 保管法切符2枚目(交通事件原票)の写し

(4) 放置駐車違反に係る交通反則切符2枚目(交通事件原票)又は交通切符2枚目(交通事件原票)の写し

(5) その他通知事案の事実の証明に必要な資料

3 通知の方法の特例

警察署長が自動車の使用の本拠の位置を管轄する他の都道府県公安委員会に対して通知する場合は、公安委員会(交通指導課長経由)を通じて通知するものとする。

第5 処分の上申手続

1 交通指導課長による審査

法第8条の規定による警察署長からの通知を交通指導課長が受理したときは、当該通知に係る事案について、法第9条第1項の規定による自動車の運行供用の制限の要件に該当し、かつ、その内容について適正な事実認定及び十分な事実の証明がなされているかを審査するものとする。

2 処分事案の移送

交通指導課長は、自動車の運行供用の制限の処分(以下「処分」という。)を行う事案(以下「処分事案」という。)に該当するもののうち、自動車の使用の本拠の位置が他の都道府県公安委員会の管轄区域内にあるものについては、様式第5の自動車運行供用制限事案移送通知書に関係書類を添付して当該都道府県公安委員会(運行供用制限に係る事務を担当する警察本部の所属経由。以下同じ。)に移送の手続をとるものとする。

なお、添付書類については第4の2の手続を準用する。

3 聴聞の実施

聴聞に関する手続は、法第10条の規定によるほか、聴聞及び弁明の機会の付与に関する規則(平成6年国家公安委員会規則第26号)により行うものとする。

第6 処分の執行等の手続

1 処分の執行

(1) 自動車運行供用制限書等の作成

交通指導課長は、公安委員会が処分を決定した事案については、様式第6の自動車運行供用制限書(以下「運行供用制限書」という。)及び自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則(平成3年国家公安委員会規則第1号。以下「規則」という。)別記様式第6号の標章(以下「運行禁止標章」という。)を作成するものとする。

(2) 運行供用制限書等の送付

交通指導課長は、当該処分に係る自動車の使用の本拠の位置を管轄する警察署長に対して運行供用制限書及び運行禁止標章を送付するものとする。

(3) 処分の執行

警察署長は、交通指導課長から運行供用制限書及び運行禁止の標章の送付を受けたときは、速やかに当該処分に係る自動車の保有者(以下「被処分者」という。)に対して運行供用制限書を交付するとともに、当該処分に係る自動車の前面の見やすい箇所に運行禁止標章をはり付けるものとする。この場合、運行供用制限書の交付及び標章のはり付けは、処分を行う日時、場所において、警察署交通課の幹部(課長、課長代理又は係長)が行うものとし、運行供用制限書の交付に当たっては、あらかじめ口頭で処分の理由及び処分の解除のための手続について告げるものとする。

(4) 処分執行結果の報告

警察署長は、処分を執行したときは、様式第7の自動車運行供用制限処分執行報告書に処分の執行日時、場所、自動車運行供用制限書の交付者の氏名等を記入の上、交通指導課長に送付するものとする。

2 処分の解除

(1) 保管場所確保の申告

被処分者の規則別記様式第7号の自動車保管場所確保申告書(以下「確保申告書」という。)による保管場所確保の申告は、処分執行をした警察署長が受理するものとする。

なお、次に掲げる場合による申告は、それぞれの手続を行うものとする。

ア 被処分者が、保管場所を確保した後、保管場所証明の申請又は保管場所に係る届出を行った場合において、申請又は届出を受理した警察署長は、被処分者から確保申告書の提出を受け、処分執行した警察署長に送付するものとする。

イ 他の都道府県公安委員会の処分に係る被処分者からの保管場所証明の申請又は保管場所に係る届出を受理した警察署長は、確保申告書を公安委員会(交通指導課長経由)を通じて他の都道府県公安委員会に送付する手続をとるものとする。

(2) 確認

保管場所確保の申告を受理した警察署長は、速やかに保管場所の確保の状況を次により確認するものとする。ただし、確認できない場合については、保管場所の確保状況に関し、保有者に対する質問、現地調査等を行うものとする。

ア 自動車の保有者が、保管場所証明書の交付を受け、又は保管場所に係る届出を行った上で、申告を行う場合は、保管場所の標章の表示により確認すること。

イ 前記以外の場合は、保管場所である駐車場の賃貸借契約書等保管場所を確保していることを疎明する書面の提示により確認すること。

(3) 確認通知書の作成等

保管場所が確保されていることを確認した警察署長は、様式第8の確認通知書を作成の上、処分に係る自動車の保有者に対し、速やかに交付するとともに、運行禁止標章を取り除くものとする。この場合、取り除いた運行禁止標章の取扱いには十分に注意し、警察署長において確実に処分するものとする。

(4) 手続終了の報告

確認通知書を交付し、運行禁止標章を取り除いた警察署長は、様式第9の手続終了報告書を作成し、交通指導課長に送付するものとする。

3 処分の執行及び解除の依頼等

(1) 他の都道府県公安委員会に対する処分の執行等の依頼

交通指導課長は、公安委員会の処分決定後、被処分者が自動車の使用の本拠の位置を他の都道府県公安委員会の管轄区域に変更した場合は、当該都道府県公安委員会に対して連絡し、様式第10の自動車運行供用制限処分執行依頼書、運行供用制限書、通行禁止標章その他関係書類を送付するものとする。

(2) 処分執行結果の連絡

交通指導課長は、他の都道府県公安委員会から処分の執行等の依頼を受けたときは、速やかに警察署長に対し、処分を執行させるとともに、その結果について、処分の執行を依頼した当該都道府県公安委員会に対して連絡し、自動車運行供用制限処分執行報告書の写しを送付するものとする。

(3) 処分の解除等

交通指導課長は、他の都道府県公安委員会から処分の執行等の依頼を受け、自動車の保有者の保管場所を確認したときは、処分の執行等の依頼をした当該都道府県公安委員会から確認通知書の送付を受け、処分の解除の手続を行うものとし、警察署長から手続終了報告書を受理したときは、処分の執行等を依頼した当該都道府県公安委員会に対して連絡し、手続終了報告書の写しを送付するものとする。

第7 運送事業用自動車に対する措置

1 通知事案の認知及び報告

警察官が法第8条の規定による通知の要件に該当する運送事業用自動車を認知したときは、第3の1及び2の手続を準用する。

2 通知

警察署長は、通知事案に該当する事案については、様式第4の通知書を作成するとともに、必要な関係書類を添付して、公安委員会(交通指導課長経由)を通じて、当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する他の都道府県公安委員会に通知するものとする。この場合において、第4の2及び3の手続を準用する。

3 監督行政庁に対する通知

(1) 交通指導課長における審査

交通指導課長は、警察署長から第3の2の通知を受理したときは、当該通知に係る事案について、法第13条第2項の規定による監督行政庁に対する通知(以下「運送事業用自動車通知」という。)の要件に該当するかどうかを審査するものとする。

(2) 運送事業用自動車通知

交通指導課長は、運送事業用自動車通知を行う事案(以下「運送事業用自動車通知事案」という。)について、様式第11の運送事業通知書を作成して、当該運送事業通知書により監督行政庁に対して通知するものとする。

(3) 運送事業用通知事案の移送

交通指導課長は、審査の結果、運送事業用自動車通知事案に該当するもののうち、自動車の使用の本拠の位置が他の都道府県公安委員会の管轄区域内にあるものについては、様式第12の運送事業用自動車通知事案移送書を作成し、関係書類等を添付して当該都道府県公安委員会に移送するものとする。

第8 適用地域外の地域に在る自動車の保有者に対する措置

警察署長は、適用地域外の地域に在る自動車で、法第8条の規定による通知の要件に該当するものを認知した場合には、当該自動車の保有者に対し、保管場所を確保するよう指導するものとする。

なお、運送事業用自動車については、法第8条の規定による通知の要件に該当すれば法第13条第2項の規定による通知の要件にも該当することとなるので、様式第13の運送事業用自動車通知事案上申書を作成し、交通指導課長に送付するものとする。この場合において、交通指導課長は、第7の3の手続を行うものとする。

〔平6交総・務警・交指・交駐・交免発甲44号交総・交指・交駐・交制・交免発甲59号平10交総・交指・交駐・交制・交免・務警発甲27号平14交総・交指・交駐・交規発甲143号・本別記一部改正〕

〔平5総務発甲42号令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平5総務発甲42号平17交指発甲67号平28務監発甲52号令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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自動車の運行供用制限等に関する事務処理要領の制定

平成3年6月26日 交駐発甲第29号

(令和元年5月1日施行)

体系情報
第7編 通/第3章 交通指導取締り/第2節 法令違反
沿革情報
平成3年6月26日 交駐発甲第29号
平成5年 総務発甲第42号
平成6年 交総・交指・交駐・交制・交免発甲第59号
平成6年 交総・務警・交指・交駐・交免発甲第44号
平成10年 交総・交指・交駐・交制・交免・務警発甲第27号
平成14年 交総・交指・交駐・交規発甲第143号
平成17年 交指発甲第67号
平成28年 務監発甲第52号
令和元年 務警発甲第93号