○車両の使用制限に関する事務処理要領の制定

昭和54年1月5日

交企・交指発甲第1号

このたび、道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)の一部が改正され、道路における危険を防止し、交通の安全を確保するための根源的かつ総合的な対策の推進を図ることをねらいとして、自動車の使用制限制度が設けられたことに伴い、別記のとおり自動車の使用制限に関する事務処理要領を定め昭和53年12月1日から適用することとしたから、誤りのないようにされたい。

〔平18交指・交駐発甲91号・制定文一部改正〕

別記

車両の使用制限に関する事務処理要領

第1 目的

この要領は、道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)に基づき行う車両の使用制限に関する事務処理の手続について必要な事項を定め、その適正かつ効果的な運用を図ることを目的とする。

第2 用語の意義

この要領における用語の意義は、法に定めるもののほか、次に定めるところによる。

(1) 使用制限

法第75条第2項、第75条の2第1項及び第2項の規定に基づき、車両の使用者に対して当該車両を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずる処分をいう。

(2) 政令基準

道路交通法施行令(昭和35年政令第270号。以下「令」という。)第26条の6、第26条の7及び第26条の8の規定による車両の使用の制限の基準をいう。

(3) 指示

法第22条の2第1項、第58条の4及び第66条の2第1項の規定(以下「指示規定」という。)による指示をいう。

第3 下命又は容認に係る自動車の使用制限処分の執行

1 処分対象事案の報告等

(1) 処分対象事案の報告

交通違反事件を検挙し、又は交通事故事件の捜査の処理をした警察官は、当該交通違反事件又は交通事故事件(以下「違反事件等」という。)が自動車の使用制限の対象事案(以下「処分対象事案」という。)に該当すると認めたときは、速やかに所属長に報告するものとする。

(2) 処分対象事案の審査

前記(1)の報告を受けた所属長(以下「審査所属長」という。)は、当該違反事件等が処分対象事案に該当するかどうかその他所要の審査をするものとする。

(3) 関係書類の送付

審査所属長は、審査した違反事件等が処分対象事案に該当すると認めたときは、自動車使用制限命令事案報告書(様式第1。以下「報告書」という。)に次に掲げる書類を添付して警察本部長(交通指導課長(法第75条第1項第7号に係る報告については、交通指導課放置駐車対策センター所長(以下「センター所長」という。)経由)に報告するものとする。

ア 交通事件原票(交通反則切符又は交通切符の2枚目をいう。)の写し

イ 現認報告書の写し

ウ 捜査報告書の写し

エ 送致書の写し

オ 供述調書の写し

カ 実況見分調書の写し

キ 処分対象事案に使用した自動車検査証の写し

ク その他処分対象事案の事実の証明に必要な資料

2 処分の上申手続

(1) 主管課長等による審査

交通指導課長又はセンター所長(以下「主管課長等」という。)は、審査所属長から報告書の送付を受けたときは、当該違反事件等が処分対象事案に該当し、かつ、その内容について適正な事実認定及び十分な事実の証明がなされているか審査するものとする。

(2) 処分事案の移送

主管課長等は、処分対象事案に該当するもののうち自動車の使用の本拠の位置が他の都道府県公安委員会の管轄区域内にあるものについては、車両使用制限命令事案移送通知書(様式第2)に関係書類を添付して当該他の都道府県公安委員会(使用制限に係る事務を担当する警察本部の所属経由)への移送の手続を執るものとする。

(3) 事業所カードの作成及び保管

主管課長等は、審査所属長から送付された処分対象事案(他の都道府県公安委員会に移送するものを除く。)及び他の都道府県公安委員会から移送された処分対象事案について事業所カード(様式第3)を作成し、保管するものとする。

(4) 処分量定

主管課長等は、前記(3)の手続をした処分対象事案が政令基準に該当するときは、公安委員会が定めるところにより、処分期間の量定を行うとともに、聴聞の手続を執るものとする。

(5) 聴聞の実施

聴聞に関する手続は、法第75条の規定によるほか、聴聞及び弁明の機会の付与に関する規則(平成6年国家公安委員会規則第26号)により行うものとする。

(6) 運輸局長に対する意見聴取

主管課長等は、処分に係る自動車の使用者が、道路運送法(昭和26年法律第183号)の規定による自動車運送事業者(以下「自動車運送事業者」という。)又は貨物利用運送事業法(平成元年法律第82号)の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者(以下「第二種運送事業者」という。)であるときは、聴聞を行う前に車両の使用制限命令に関する意見照会書(様式第4)により中部運輸局長(愛知運輸支局長経由。以下「運輸局長」という。)の意見を聴取する手続を執るものとする。

3 処分の執行手続

(1) 使用制限書の作成

主管課長等は、公安委員会が処分の決定をした事案について車両の使用制限書(様式第5。以下「使用制限書」という。)を作成するものとする。

(2) 使用制限書及び標章の送付

主管課長等は、当該処分に係る自動車の使用の本拠の位置を管轄する警察署長(以下「管轄署長」という。)に対して使用制限書及び道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号。以下「規則」という。)第9条の15の規定による標章(以下「標章」という。)を送付するものとする。

(3) 処分の執行

管轄署長は、主管課長等から使用制限書及び標章の送付を受けたときは、速やかに当該処分に係る自動車の使用者(以下「被処分者」という。)に対して、使用制限書を交付するとともに、当該処分に係る自動車の前面の見やすい箇所に標章を貼り付けるものとする。この場合において、使用制限書の交付については、あらかじめ口頭で処分理由を告げてから行うものとする。

(4) 処分執行結果の報告

管轄署長は、処分を執行したときは、車両使用制限処分執行報告書(様式第6)に所定事項を記入の上、警察本部長(主管課長等経由)に報告するものとする。

(5) 他の都道府県公安委員会に対する処分の執行依頼

主管課長等は、公安委員会の処分決定後被処分者がその住所又は事業所を他の都道府県公安委員会の管轄区域内に変更した場合は、当該他の都道府県公安委員会に対して車両使用制限処分執行依頼書(様式第7)、使用制限書、標章その他関係書類を送付する手続を執るものとする。

第4 指示に係る自動車の使用制限処分の執行

1 指示

(1) 交通指導課長は、下命又は容認に係る最高速度違反行為等の報告を受けた場合で法第22条の2第1項、第58条の4及び第66条の2第1項のそれぞれの規定に該当するとき(使用制限を行うときを除く。)は、公安委員会が定める指示の基準に基づき、指示の手続を執るものとする。

(2) 下命又は容認に係る最高速度違反事件を検挙した警察官は、最高速度違反登録票(様式第8)を作成し、その写しを交通指導課長に送付するものとする。

(3) 指示の方法については、車両の使用者に対して愛知県警察における運転免許の取扱い等に関する規程(昭和35年愛知県公安委員会規程第7号)様式第2の3の指示書を交付することにより行うものとする。

2 運輸局長に対する意見聴取又は協議

交通指導課長は、車両の使用者に対する指示に関し、当該使用者が自動車運送事業者又は第二種運送事業者であって、指示の内容が事業計画等の変更を必要とするものであるときは、当該指示を行う前に運輸局長の意見を聴取し、又は協議するものとする。

3 処分の上申及び執行の手続

交通指導課長は、下命又は容認によらない最高速度違反行為等に係る事案について使用制限を行う必要があると認めたときは、前記第3の2及び3の規定に準じた措置を執るものとする。

第5 放置違反金の納付命令に係る車両の使用制限処分の執行

1 処分の上申手続

(1) 基準該当車の確認

センター所長は、警察庁から通報があつた、又は他の都道府県公安委員会から移送された政令基準に該当する車両(以下「基準該当車」という。)に係る放置違反金納付命令書等の確認を行うものとする。

(2) 事案の移送

センター所長は、基準該当車のうち車両の使用の本拠の位置が他の都道府県公安委員会の管轄区域内にあるものについては、車両使用制限命令事案移送通知書に関係書類を添付して当該他の都道府県公安委員会(使用制限に係る事務を担当する警察本部の所属経由)への移送の手続を執るものとする。

(3) 事案処理の経緯の明確化

センター所長は、車両使用制限命令事案報告書(様式第9)により、基準該当車の事案の処理の経緯を明らかにしておくものとする。

(4) 処分量定

センター所長は、公安委員会が定めるところにより、処分期間の量定を行うとともに、聴聞の手続を執るものとする。

(5) 運輸局長に対する意見聴取

センター所長は、基準該当車の使用者が前記第3の2の(6)の自動車運送事業者又は第二種運送事業者であるときは、当該規定に準じた手続を執るものとする。この場合において「自動車」とあるのは「基準該当車」と読み替えるものとする。

(6) 聴聞の実施

基準該当車の使用者に係る聴聞に関する手続は、前記第3の2の(5)の規定により行うものとする。

(7) 処分要件の再確認

センター所長は、聴聞通知書の発出前及び公安委員会の議決を受けようとする日の前日に、当該処分の基礎となる放置違反金の納付命令について再度確認するものとする。

2 処分の執行手続

センター所長は、公安委員会が処分の決定をした事案についてその処分の執行手続を執る場合は、前記第3の3の規定に準じた措置を執るものとする。この場合において、「主管課長等」とあるのは「センター所長」と、「自動車」とあるのは「基準該当車」と読み替えるものとする。

第6 処分中の使用状況の確認

管轄署長は、処分を執行した車両について命令の履行を確保するため、その状況を定期的に確認し、その結果を使用制限確認処理簿(様式第10)に記載するものとする。

第7 標章の除去

1 期間満了したときの措置

期間満了による標章は、管轄署長が除去し、その旨を主管課長等に連絡すること。

2 除去申請を受理したときの措置

(1) 管轄署長は、標章を貼り付けられた車両について、当該車両を買い受けた者その他当該車両の使用について権原を有する第三者から法第75条第10項(法第75条の2第3項において準用する場合を含む。)の規定に基づく当該標章の除去申請があつた場合は、標章除去申請書(規則別記様式第5の4)に次の書類を添付させて(アの(イ)及びイについては、提示を受けて写しを作成して)受理し、主管課長等に送付するものとする。

ア 申請者に係る次の書類

(ア) 住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)の適用を受ける者である場合は住民票の写し。ただし、申請者からマイナンバーカード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)第2条第7項に規定する個人番号カードのことをいう。以下同じ。)の提示があったときは、住民票の写しの添付を要しないものとする。この場合において、職員は標章除去申請書の右上部余白に、マイナンバーカードにより本人確認を実施した旨及び確認年月日並びに確認をした職員の氏名を記載するものとする。

(イ) 住民基本台帳法の適用を受けない者である場合は旅券、外務省の発行する身分証明書又は権限のある機関が発行する身分を証明する書類

(ウ) 法人である場合は登記事項証明書

イ 申請に係る自動車の自動車検査証

ウ 申請に係る自動車の車庫証明書の写し

エ 申請に係る車両の使用について権原を有することを証明する書類(申請に係る車両の売買契約書、賃貸借契約書等)の写し

オ 命令の期間における申請に係る車両の使用に関し、標章除去申請者と当該命令に係る使用者との法律関係を明らかにする書類(被処分者に使用させない旨の申請者の契約書を含む。)の写し

(2) 主管課長等は、管轄署長から送付を受けた標章除去申請書等を審査し、申請者が申請に係る車両の使用について権原を有するものであり、かつ、当該車両を被処分者に使用させないことを確認した場合には、管轄署長に標章を除去すべき旨を連絡するものとする。

(3) 管轄署長は、主管課長等から標章除去の連絡があつたときは、当該標章を除去し、その旨を主管課長等に連絡すること。

(4) 主管課長等は、除去申請内容を審査した結果、明らかに申請手続が不備又は内容的に不適格であると認めるときは当該申請を却下し、その旨管轄署長に連絡するものとする。

〔昭56務警発甲7号平2交企・交指・交駐・務警発甲44号平3務警発甲28号平6交総・務警・交指・交駐・交免発甲44号交総・交指・交駐・交制・交免発甲59号平9交総・交指・交免発甲76号平10交総・交指・交駐・交制・交免・務警発甲27号平14交指発甲136号交総・交指・交駐・交規発甲143号平17務警発甲39号同交指発甲67号平18交指・交駐発甲91号平24備外発甲102号平27務警発甲90号令3交指発甲97号・本別記一部改正〕

〔平2交企・交指・交駐・務警発甲44号平5総務発甲42号平6交総・務警・交指・交駐・交免発甲44号平10交総・交指・交駐・交制・交免・務警発甲27号・本様式一部改正、平18交指・交駐発甲91号・旧様式2を一部改正し繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平5総務発甲42号平16務警発甲157号・本様式一部改正、平18交指・交駐発甲91号・旧様式3を一部改正し繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平2交企・交指・交駐・務警発甲44号平5総務発甲42号・本様式一部改正、平18交指・交駐発甲91号・旧様式4を一部改正し繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平5総務発甲42号平6交総・務警・交指・交駐・交免発甲44号平10交総・交指・交駐・交制・交免・務警発甲27号平16務警発甲157号・本様式一部改正、平18交指・交駐発甲91号・旧様式5を一部改正し繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

〔平2交企・交指・交駐・務警発甲44号平5総務発甲42号・本様式一部改正、平18交指・交駐発甲91号・本様式全部改正、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平2交企・交指・交駐・務警発甲44号平5総務発甲42号平10交総・交指・交駐・交制・交免・務警発甲27号平17交指発甲67号・本様式一部改正、平18交指・交駐発甲91号・旧様式6を一部改正し繰上、平28務監発甲52号令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平2交企・交指・交駐・務警発甲44号平3務警発甲28号平5総務発甲42号平6交総・務警・交指・交駐・交免発甲44号・本様式一部改正、平18交指・交駐発甲91号・旧様式7を一部改正し繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平2交企・交指・交駐・務警発甲44号平5総務発甲42号・本様式一部改正、平18交指・交駐発甲91号・旧様式8を一部改正し繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平6交総・務警・交指・交駐・交免発甲44号・本様式削除、平10交総・交指・交駐・交制・交免・務警発甲27号・本様式全部改正、平18交指・交駐発甲91号・旧様式9を繰上、平29交総発甲30号・本様式一部改正〕

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〔平18交指・交駐発甲91号・本様式追加、平27務警発甲90号令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平2交企・交指・交駐・務警発甲44号・旧様式第9を一部改正し繰下、平5総務発甲42号・本様式一部改正、平17交指発甲67号・旧様式11を繰上、平18交指・交駐発甲91号令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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車両の使用制限に関する事務処理要領の制定

昭和54年1月5日 交企・交指発甲第1号

(令和3年1月1日施行)

体系情報
第7編 通/第4章 交通安全教育/第2節 運転管理
沿革情報
昭和54年1月5日 交企・交指発甲第1号
昭和56年 務警発甲第7号
平成2年 交企・交指・交駐・務警発甲第44号
平成3年 務警発甲第28号
平成5年 総務発甲第42号
平成6年 交総・交指・交駐・交制・交免発甲第59号
平成6年 交総・務警・交指・交駐・交免発甲第44号
平成8年 交総・交指・交制・交免・交試・交東免発第21号
平成9年 交総・交指・交免発甲第76号
平成10年 交総・交指・交駐・交制・交免・務警発甲第27号
平成11年 務警発甲第47号
平成14年 交指発甲第136号
平成14年 交総・交指・交駐・交規発甲第143号
平成16年 務警発甲第157号
平成17年 交指発甲第67号
平成17年 務警発甲第39号
平成18年 交指・交駐発甲第91号
平成24年 備外発甲第102号
平成27年 務警発甲第90号
平成28年 務監発甲第52号
平成29年 交総発甲第30号
令和元年 務警発甲第93号
令和3年 交指発甲第97号