○石油コンビナート等災害防止法の施行に伴う警察措置等の運用

昭和52年3月2日

備警・務警・ら勤・防一・交制発甲第11号

石油コンビナート等災害防止法(昭和50年法律第84号。以下「石コン法」という。)の施行に伴う警察措置については、次のとおりであるから誤りのないようにされたい。

1 事業所の新設又は変更(以下「新設等」という。)の計画に関する措置

事業所の新設等について事業者から主務大臣へ出された届出は、主務官庁からその写しを添えて警察庁に意見が求められ、警察庁は関係都道府県警察の意見を徴した上、主務官庁に災害の拡大防止の観点から指示要請をすることとなる。

(1) 警察本部の措置

警察庁から事業所の新設等の計画に関する届出書の写しの送付を受け、意見を求められた場合は、警備第二課がこれを受理し、届出の内容が新設又は大きな変更である場合は関係各課(地域総務課・保安課・交通規制課)及び所轄警察署と合同で審査して、その結果を警察庁に回答する。

(2) 警察署の措置

警察署におけるこの取扱いの窓口は警備課が行い、他の関係課(係)とともに、前記(1)に該当しない軽易な変更届の審査を行い、その結果を警察本部長(警備第二課経由。以下2において同じ。)あて、様式第1号により、必要な図面を添えて報告する。

(3) 主な審査事項

ア 住民の避難路の確保

(ア) コンビナート地域全体と住宅地域の配置からみて、コンビナートに大火災、大爆発、有毒ガスの大量流出等の大規模な事故が発生した際において、住宅地域の住民を安全な地域に避難誘導する場合に、安全な避難路が確保されているかどうか。

(イ) コンビナート地域内の道路が大規模な事故の際における事業所の従業員等の避難路として適切かどうか。

イ 緊急車通行路の確保

事故がコンビナート地域のいかなる場所において発生したとしても消防車両、警察車両等の緊急車が安全かつ迅速に事故現場に到着できる緊急車通行路が確保されているかどうか。

(4) 審査に当たつての留意事項

ア 「石油コンビナート等特別防災区域における新設事業所等の施設地区の配置等に関する省令(昭和51年自治省令第1号)」は、製造貯蔵等の施設地区の配置基準、特定通路の幅員及び一般道路への接続等について規定しているが基準を遵守することが著しく困難であり、かつ、保安上特に支障がないと認められる場合には、例外が許されるものが多いので審査に当たつては、消防機関(署)等の意見も参考として判断する。

イ 審査は他の行政機関との調整等も考えられるので、なるべく速やかに実施して回答する。

ウ 審査は各機関がそれぞれの所掌事務について実施するので他の事項にわたることのないよう考慮する。

エ 審査結果については、その都度、資料の作成又は既存資料、警備計画等の補正も行うものとする。

(5) コンビナートの新設等の場合の事前調査と意見の申し入れ

コンビナートの新設及びコンビナート地域の大規模な拡張の場合には、県があらかじめコンビナートへ進出する業者を把握することとなるので、この段階で県から資料を入手して検討し、更に事業の内容、規模、事業所の配置等が具体化しつつある時機において、住民の避難路、緊急車通行路の確保及び平常時における交通の安全と円滑等について問題が生じる場合には、事業者から届出がなされる前に県、事業者に意見を申し入れるとともに警察庁に報告する。

〔昭53備警・務警・ら勤・防一・交制発甲43号昭55務警発甲19号平3務警発甲28号平4務警発甲21号平7備一発甲55号平15務警発甲48号・本項一部改正〕

2 警察署長の応急措置

(1) 警察署長は消防署長等から事故、異常現象の発生等の通報を受け、又は警察官からの報告によりこれらの事実を知つたときは、速やかにその内容を検討し、「愛知県石油コンビナート等防災計画」に基づいて所要の警備措置をとるとともに、事案の大小を問わず、様式第2号に定める事項及び警備措置の概要を警察本部長に即報する。

(2) 当該通報が他署管内の発生によるものであつた場合においてもこれを受理し、直ちにその内容について発生地を管轄する警察署長に通報して引き継ぐとともに、警察本部長に報告する。

〔昭53備警・務警・ら勤・防一・交制発甲43号・本項全部改正、平15務警発甲48号・本項一部改正〕

3 警察官の職権行使

警察官は、石コン法の規定により災害発生の現場に市町村長、海上保安部長等がいない場合、又はこれらの者からの要求があつた場合には、これらの者に代つて事業者の設置する自衛防災組織又は共同防災組織に対し、人命救助、危険区域への立入禁止、退去等に関する指示を行うことができるとされているが、このほか警察官職務執行法等関係法令の規定に基づき、権限行使を行うものとする。

〔昭53備警・務警・ら勤・防一・交制発甲43号・本項一部改正〕

4 石油コンビナート等防災本部における措置

(1) 警察本部長は、防災本部の会議において事故防止対策、災害拡大防止等について意見を述べ、関係行政機関又は事業者に対して所要の措置を講ずるよう要望するものとする。

(2) 防災本部の幹事には、警備第二課長を充てるが、議題によつてはそれぞれ主管課長等を出席させるものとする。

〔平15務警発甲48号・本項一部改正〕

5 相互連絡と資料整備

関係各課は、特別防災区域又は同区域内の特定事業所について、災害防止のためとつた措置等については相互に連絡し、資料整備を行い警備実施に反映するよう努めるものとする。

〔昭53備警・務警・ら勤・防一・交制発甲43号・本様式全部改正、平5総務発甲42号令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔昭53備警・務警・ら勤・防一・交制発甲43号・本様式追加、昭62備警・務警・ら勤・防保・交制発甲9号・本様式全部改正〕

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石油コンビナート等災害防止法の施行に伴う警察措置等の運用

昭和52年3月2日 備警・務警・ら勤・防一・交制発甲第11号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第8編 備/第2章 備/第2節 災害警備
沿革情報
昭和52年3月2日 備警・務警・ら勤・防一・交制発甲第11号
昭和53年 備警・務警・ら勤・防一・交制発甲第43号
昭和55年 務警発甲第19号
昭和62年 備警・務警・ら勤・防保・交制発甲第9号
平成3年 務警発甲第28号
平成4年 務警発甲第21号
平成5年 総務発甲第42号
平成7年 備一発甲第55号
平成15年 務警発甲第48号
令和元年 務警発甲第93号
令和5年3月28日 務警発甲第66号