○特定自動運行に係る許可制度に関する事務取扱要綱の制定

令和5年7月14日

交規発甲第130号

この度、道路交通法の一部を改正する法律(令和4年法律第32号)により、特定自動運行に係る公安委員会への許可制度が新設されたことに伴い、別記のとおり特定自動運行に係る許可制度に関する事務取扱要綱を制定し、実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。

別記

特定自動運行に係る許可制度に関する事務取扱要綱

第1 趣旨

この要綱は、特定自動運行に係る許可制度に関する事務の取扱いを適正に行うために必要な事項を定めるものとする。

第2 準拠

特定自動運行に係る許可制度に関する事務の取扱いについては、道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)及び道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号。以下「規則」という。)に規定するもののほか、この要綱に定めるところによる。

第3 許可申請の処理

1 申請の受理等

(1) 許可申請の受理は、特定自動運行を行おうとする場所を管轄する警察署(以下「実施警察署」という。)において、特定自動運行の許可を受けようとする者(以下「申請者」という。)から特定自動運行許可申請書(規則別記様式第5の9)及び規則第9条の21第1項に規定する添付書類(以下「申請書等」という。)の提出を受けて行う。なお、特定自動運行を行おうとする場所を複数の警察署が管轄する場合においては、いずれか1の実施警察署において、申請書等の提出を受けることができるものとする。

(2) 申請書等の提出を受けた実施警察署の長は、提出を受けた申請書等の記載事項に不備がないこと、添付書類を整えていることなどの形式的要件が適合していることを確認し、受理すること。

(3) 申請書等の送付

許可申請を受理した警察署長は、速やかに申請書等を交通部長に送付(交通規制課経由。以下同じ。)すること。

(4) 情報の共有

交通部長は、申請書等の送付を受けた際は、実施警察署の長その他関係警察署長に申請書等の写しを送付(目的別共有フォルダ内に蔵置することを含む。以下情報共有する場合において同じ。)し情報共有すること。

2 審査

(1) 交通部長は、1の(3)により申請書等の送付を受けたときは、速やかに法第75条の13に規定する許可基準に適合するか及び法第75条の14に規定する欠格事由に該当しないかの審査を行うこと。

(2) 交通部長は、法第75条の13第2項に定める事項について、特定自動運行の許可に関する意見聴取書(甲)(様式第1)により国土交通大臣等及び特定自動運行の経路をその区域に含む市町村の長から意見を聴取すること。

(3) 交通部長は、規則第9条の22の規定により、次に掲げる者から意見を聴取する必要があると判断したときは、公安委員会の決裁を受けた上で特定自動運行の許可に関する意見聴取書(乙)(様式2)により意見を聴取すること。

ア 愛知県知事

イ 道路管理者

ウ ア及びイに掲げる者のほか、学識経験を有する者その他の公安委員会が必要と認めるもの

(4) 交通部長は、審査の結果、許可基準に該当すると認めたときは、公安委員会の決裁を受けた上で、許可申請手続管理簿(様式第6)により、管理する許可番号を記載した特定自動運行許可証(規則別記様式第5の7)(以下「許可証」という。)を申請者に交付すること。

なお、公安委員会が条件を付して許可するときは、許可証の所定の欄に当該条件を記載し、申請者にその理由を通知するとともに、許可証に特定自動運行許可証に係る教示(様式第5)を添付して申請者に交付すること。

(5) 交通部長は、許可証を交付した場合は、実施警察署の長その他関係警察署長に許可証の写しを送付し情報共有をすること。

(6) 交通部長は審査の結果、法75条の14に規定する欠格事由に該当する場合、又は特定自動運行計画が許可基準を満たさない場合等、許可をすることが不適当と認める場合は、公安委員会の決裁を受けた上で当該許可申請について不許可処分とすること。

3 許可事項変更の取扱い

(1) 許可事項変更(軽微なものを除く。)は、実施警察署(実施警察署が複数存在するときは、そのうち1の実施警察署)において、特定自動運行の許可を受けた者(以下「特定自動運行実施者」という。)から特定自動運行計画変更許可申請書(規則別記様式第5の10)及び規則第9条の23第2項に規定する書類(以下「変更申請書等」という。)の提出を受けて行う。

(2) 変更申請書等を受理した実施警察署の長は、提出を受けた変更申請書等の記載事項に不備がないこと、添付書類を整えていることなどの形式的要件が適合していることを確認し、受理すること。

(3) 変更申請書等を受理した警察署長は、速やかに変更申請書等を交通部長に送付すること。

(4) (3)により書類の送付を受けた交通部長は、2の審査に準じて許可事項変更に係る事務を行うこと。

(5) 交通部長は、(4)により許可事項の変更を許可して新たに許可証を再交付する際には、従前に交付した許可証を返納させた上で再交付すること。

(6) 交通部長は、許可証の再交付を行った場合は、実施警察署の長その他関係警察署長に情報共有を行うこと。

4 許可事項の軽微な変更の取扱い

(1) 実施警察署の長(実施警察署が複数存在するときは、そのうち1の実施警察署の長)は、特定自動運行実施者が特定自動運行計画に次に掲げる軽微な変更をしようとするときは、特定自動運行許可申請書記載事項変更届出書(規則別記様式第5の11)及び当該特定自動運行に係る許可証の提出を受け、交通部長に送付すること。

ア 型式の変更を伴わない特定自動運行用自動車の自動車登録番号又は車両番号及び車台番号の変更であって、当該自動運行計画に係る特定自動運行用自動車の台数の変更を伴わないもの

イ 特定自動運行を管理する場所の連絡先の変更

ウ 特定自動運行を行う者の氏名又は名称及び住所(法人にあっては、代表者並びに役員の氏名及び住所)の変更

(2) 交通部長は、変更内容が許可証の記載事項に変更を生じさせるものであるときは、許可証を修正の上、特定自動運行実施者に交付すること。

(3) 交通部長は、軽微な変更を行った場合は実施警察署の長その他関係警察署長に情報共有を行うこと。

第4 立入検査

1 交通部長は、法第75条の25第1項の規定により、必要に応じて特定自動運行実施者に対し、その特定自動運行に関する報告若しくは資料の提出を求め、又は交通部長が指定する実施警察署の長に特定自動運行を管理する場所その他の特定自動運行実施者の事務所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問すること。

2 交通部長は、指定した実施警察署の長に1の立入検査を行わせる際は、当該立入検査を行う警察職員にその身分を示す証票として警察手帳(警察職員にあっては身分証明書)を携帯させ、立入先の管理者等に提示するよう指示すること。

なお、この立入検査は行政事務の達成のために行うものであって、犯罪捜査目的ではないことに留意すること。

3 交通部長は、特定自動運行に係る許可制度に関する行政事務の達成のため、必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めること。

第5 行政処分

1 特定自動運行実施者に対する指示

(1) 交通部長は、法第75条の26の規定により、特定自動運行実施者又はその特定自動運行業務従事者が特定自動運行に関し、法若しくは法に基づく命令の規定若しくは法の規定に基づく処分又は他の法令に違反した場合において、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があるときは、公安委員会の決裁を受けた上で特定自動運行実施者に対し、特定自動運行に関する指示書(様式第3)により必要な措置を講ずること。

(2) 交通部長は(1)の指示が、道路運送法第2条第2項に規定する自動車運送事業(貨物自動車運送事業法第2条第4項に規定する貨物軽自動車運送事業を除く。)又は貨物利用運送事業法第2条第8項に規定する第2種貨物利用運送事業(以下「運送事業」という。)として行われるものに関するものであるときは、特定自動運行に係る行政処分に関する意見聴取書(様式第4)(以下「行政処分意見聴取書」という。)により当該事業を監督する行政庁の意見を聴くこと。

(3) 交通部長は、当該指示を行うときは、行政手続法第13条第1項の規定に従い、意見陳述のための手続を執るほか、各種法令の規定に従い適正な手続により行うこと。

2 許可の効力の仮停止

(1) 法第75条の28第1項各号に掲げる事実を認めた実施警察署の長(実施場所が2以上の警察署の管轄にまたがる場合は、その事実が発生した場所を管轄する実施警察署の長。)は、道路における危険を防止するため緊急の必要があるときは、当該特定自動運行実施者に対し、その事実があった日から起算して30日を経過する日を終期とする特定自動運行許可の効力の停止(以下「仮停止」という。)を行うこと。

(2) 警察署長は、(1)による仮停止を行ったときは、仮停止処分通知書(規則別記様式第5の13)により当該処分を受けた者(以下「処分者」という。)に規則第9条の35に規定する通知を行うこと。

また、仮停止をしたときは、当該処分をした日から起算して5日以内に処分者に弁明の機会を与えること。

(3) 警察署長は、(1)による仮停止を行ったときは、規則第9条の36に規定する事項を交通部長に報告すること。

3 許可の取消し等

(1) 交通部長は、法第75条の27第1項により、次に掲げるいずれかに該当するときは、公安委員会の決裁を受けた上で当該特定自動運行実施者に対し、特定自動運行の許可を取消し、又は6月を超えない範囲内で期間を定めてその効力を停止させることができる。このとき、第5の1の取扱いに準じること。

ア 特定自動運行実施者又はその特定自動運行業務従事者が、特定自動運行に関し法若しくは法に基づく命令の規定又は法の規定に基づく処分に違反したとき。

イ 特定自動運行が、許可基準に適合しなくなったとき。

ウ 法第75条の14に規定する欠格事由のいずれかに該当することとなったとき。

(2) 交通部長は、許可の取消し又は許可の効力の停止が、運送事業として行われるものに関するものであるときは、法第75条の27第2項の規定に基づき、行政処分意見聴取書により当該事業を監督する行政庁の意見を聴くこと。

(3) 交通部長は、許可の取消し又は効力の停止を行ったときは、特定自動運行許可取消・停止通知書(規則別記様式第5の12)により処分者に通知すること。

第6 許可証の再交付及び返納

1 許可証の再交付

特定自動運行実施者が、許可証を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、再交付申請書(規則別記様式第5の8)及び当該許可証(当該許可証を亡失し、又は滅失したときは、再交付申請書のみ)を実施警察署の長(実施警察署が複数存在するときは、そのうち1の実施警察署の長)に提出時に、当該提出をを受けた警察署長は速やかに上記提出書類を交通部長に送付すること。

交通部長は、公安委員会の決裁を受けた上で、再交付であることを明確にした許可証を特定自動運行実施者に交付すること。

2 許可証の返納

(1) 交通部長は、特定自動運行の許可を取り消したときは、特定自動運行実施者に許可証を速やかに返納させること。

(2) 交通部長は、特定自動運行実施者が次に掲げる場合のいずれかに該当することとなったときは、許可証を速やかに返納させること。

ア 特定自動運行実施者が死亡した場合

イ 特定自動運行実施者が特定自動運行を行わないとした場合

ウ 法人が合併以外の事由により解散した場合

エ 法人が合併により消滅した場合

(3) 交通部長は、許可証を再交付した場合において、特定自動運行実施者が亡失した許可証を発見又は回復したときは、当該許可証を速やかに返納させること。

(4) 特定自動運行の許可には期限がないことから、当該許可が取り消されたときを除き、許可証が返納されない限り、当該許可の効力は失われないことに留意すること。

第7 許可等の公示の方法

1 交通部長は、次に掲げる手続を行った場合は愛知県広報への掲載や公安委員会掲示板への掲示のほか、愛知県警察のウェブページに掲載するなど、県民に広く周知できる方法により公示すること。

(1) 特定自動運行の許可をした場合

(2) 特定自動運行計画の変更許可をした場合

(3) 特定自動運行の許可を取り消した場合

(4) 特定自動運行許可証の返納を受けた場合

2 1の(1)及び(2)に係る公示については、当該特定自動運行の許可が取り消され、又は許可証の返納があったことにより特定自動運行が行われないこととならない限り、公示を続けること。

第8 国家公安委員会への報告

交通部長は、法第75条の29の規定により、特定自動運行実施者に対する指示、許可の取消し又は許可の効力の停止若しくは警察署長による仮停止を行ったときは、規則第9条の37に規定する事項を国家公安委員会に報告すること。

第9 その他

この要綱の実施に関し必要な細目的事項は、交通規制課長が別に示す。

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特定自動運行に係る許可制度に関する事務取扱要綱の制定

令和5年7月14日 交規発甲第130号

(令和5年7月14日施行)

体系情報
第7編 通/第1章 則/第3節 許可・証明
沿革情報
令和5年7月14日 交規発甲第130号