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あいち産業科学技術総合センターが冊子「明日を拓く技術開発」を発行しました ~最新の研究成果・技術支援事例を紹介~
愛知県では、県内企業が抱える技術課題を解決するため、あいち産業科学技術総合センター(以下「センター」という。)において、研究開発や技術支援を行っています。この中で得られた最新の研究成果と技術支援事例を、広く企業の皆様に知っていただき、課題解決等に御活用いただくため、冊子「明日を拓く技術開発」を作成しました。
この冊子では、企業間(BtoB※1)向け製品開発、生活関連(BtoC※2)向け製品開発、計測・分析技術の3分野において、センターの研究成果や、企業の皆様が抱える技術課題の解決につながった事例62件を、写真入りで具体的に紹介しています。
企業の皆様の製品・技術開発に、本冊子及びセンターを是非、御活用ください。
1 概要
(1)発行目的
センターを新製品・新技術開発、及び技術課題の解決に役立てていただくため、最新の研究成果事例及び技術相談・指導による技術支援の事例を2年ごとに取りまとめて紹介しています。
(2)構成(A4判 本文21ページ カラー写真入り)
2021年度までの主な研究開発成果・技術支援事例 62事例
企業間(BtoB)向け製品開発 33事例
生活関連(BtoC)向け製品開発 16事例
計測・分析技術 13事例
(3)作成部数
2,000部
(4)配布場所
冊子は、本部、各技術センター及び試験場で配布するとともに、センターWebページ(https://www.aichi-inst.jp/)でも公開します。
(5)配布開始日
2022年11月10日(木曜日)
2 掲載内容例
(1)企業間(BtoB)向け製品開発の例
No.25 織方図描画ソフトの開発 (尾張繊維技術センター(一宮市))
ブラウザで動作する織方図描画ソフトを開発しました。織方図と同時に、織物の簡易な外観も描く仕様としました。
●特徴・方法
ブラウザで動作するため、用いるコンピュータの基本ソフト(OS)に依存せず、スマートフォンでも動作します。設計内容をテキストファイルで保存することができ、後日、再利用することができます。
●成果・波及
センターで受け付けている依頼試験・研修で利用しています。スマートフォンでも動作するため、製織企業が、客先での打ち合わせ中に、その場で織物の外観を確認できると、御好評いただいています。
織方図描画ソフト画面
(2)生活関連(BtoC)向け製品開発の例
No.34 3Dプリンタを活用した競走馬用あぶみ※3の試作造形 (共同研究支援部(豊田市)、産業技術センター(刈谷市))
競走馬用あぶみを開発する成形金型メーカーから、積層造形装置を用いて試作品を造形したいとの相談がありました。
●特徴・方法
製品のデザイン検討を行うため、当センターの積層造形技術(レーザー粉末焼結造形)を活用して、競走馬用あぶみを試作造形しました。
●成果・波及
積層造形装置を用いることで、優れたデザイン性、軽量性を持つ競走馬用あぶみの製品化までの開発期間を大幅に短縮することができました。現在、製品化されたあぶみは、馬具店にて販売されています。
試作した競走馬用あぶみ
積層造形装置
(3)計測・分析技術の例
No.60 促進耐候性試験機による気象劣化評価 (産業技術センター(刈谷市))
塗装木材の屋外耐候性能について、現行品の客観的データに基づく性能確認と、開発品との性能比較をしたいという相談があり、キセノンランプ式促進耐候性試験機を用いて評価を行いました。
●特徴・方法
本装置は太陽光と近似した光照射が可能で、屋外での劣化形態と相関が高く、促進試験でありながら信頼性の高い結果が得られます。また光強度を通常の試験機の3倍まで高めることが可能(最大180W/m2)なため、より促進度を高めたスクリーニング試験※4としても利用できます。
●成果・波及
屋外での暴露試験に比べて開発期間を大幅に短縮しつつ、客観的な性能確認・比較に貢献しました。本装置は幅広い材料かつ屋内用の劣化促進にも対応しており、様々な用途に利用されています。
促進耐候性試験機
3 問合せ先
あいち産業科学技術総合センター産業技術センター総合技術支援・人材育成室
担当:堀場、菅野、大西
刈谷市恩田町1丁目157番地1 電話:0566-24-1841(代表)
URL:https://www.aichi-inst.jp/
【用語説明】
※1 BtoB
Business to Business の略。企業が企業に向けて、商品やサービスを提供する取引を意味する。
※2 BtoC
Business to Consumer の略。企業が個人に向けて、商品やサービスを提供する取引を意味する。
※3 あぶみ
乗馬の際に足をかける馬具
※4 スクリーニング試験
最初から多数・多量の試験を行うのではなく、少数・少量の試験から始めるふるい分けの試験。
<参考>あいち産業科学技術総合センターの概要
「知の拠点あいち」本部において、大学の研究シーズを企業の事業化につなげる産・学・行政の連携による共同研究の場の提供や高度計測分析機器による分析評価など「付加価値の高いモノづくり技術」を支援する取り組みを行うとともに、「産業技術センター」始め県内各地の各技術センター・試験場を中心に地域企業の総合的な技術支援を行っている。
本部:豊田市八草町秋合1267-1 電話:0561-76-8315
産業技術センター:刈谷市恩田町1-157-1 電話:0566-24-1841
常滑窯業試験場:常滑市大曽町4-50 電話:0569-35-5151
三河窯業試験場:碧南市六軒町2-15 電話:0566-41-0410
瀬戸窯業試験場:瀬戸市南山口町537 電話:0561-21-2116
食品工業技術センター:名古屋市西区新福寺町2-1-1 電話:052-325-8093
尾張繊維技術センター:一宮市大和町馬引字宮浦35 電話:0586-45-7871
三河繊維技術センター:蒲郡市大塚町伊賀久保109 電話:0533-59-7146
※開庁時間:午前8時45分から午後5時30分
(土曜・日曜日・祝日、12月29日から1月3日を除く)。
このページに関する問合せ先
あいち産業科学技術総合センター産業技術センター総合技術支援・人材育成室
担当:堀場、菅野、大西
電話:0566-24-1841(代表)