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愛・地球博記念公園における自動運転実証実験の実施について
愛・地球博記念公園において自動運転の社会実装を見据えた実証実験を実施します
愛知県は、全国に先駆けて2016年度から自動運転の実証実験を積み重ね、5G※1・遠隔監視・路車間協調等を活用した自動走行の技術を磨き上げ、自動運転によるビジネスモデルの構築を進めています。
本年度は、社会実装に向けた取組を更に深化させ、交通事業者等が実運行で再現可能なビジネスモデルの構築を目指し、3地域で実証実験に取り組んでいます(2022年6月23日発表済み。)。
この実証実験の一環として、愛・地球博記念公園(長久手市)において、「園内バスルートでの自動運転バスによる運行」をテーマに、公園利用者等の移動手段を想定した実証実験を行います。
本年度の特徴としては、愛・地球博記念公園において、大型バスによる自動走行を初めて実施します(園内バスと同型のバスを使用。)。また、AI映像解析技術※2を活用し、園内の歩行者に対して音声によるバスの接近の注意喚起を行います。さらに、複数のカメラ映像を5Gにより伝送し、遠隔管制※3者がルート上の危険を検知し、遠隔管制室と車両との間でコミュニケーションを取り、事故等を防ぎます。その他にも、車両と歩行者の動きに関するシミュレーションを行い、自動運転バスと歩行者の安心・安全な共存の在り方を検証し、将来の園内における自動運転サービスの実装を目指します。
1 実施日程
2023年2月10日(金曜日)から2月12日(日曜日)まで及び2月14日(火曜日) 計4日間
日程 |
時間帯 |
発車時刻 |
ルート |
試乗者 |
---|---|---|---|---|
2023年 |
午前10時10分から |
午前10時20分 |
園内西ルート |
愛知県知事 |
午前11時から |
午前11時/午前11時30分/ |
園内西ルート |
報道機関 |
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2月11日(土曜日)、 2月12日(日曜日) |
午前11時から |
■一般(予約受付) 午前11時/午前11時30分/ ■一般(当日受付) |
園内西ルート |
一般試乗者 |
2月14日(火曜日) |
午前11時から |
■実証実験関係者 |
園内管理道路ルート |
実証実験関係者 |
※天候等の条件により、内容が変更になる場合があります。
2 実施場所及び走行ルート
園内西ルートと園内管理道路ルートを運行します。
※天候等の条件により、内容が変更になる場合があります。
【園内西ルート】
園内バス西ルートの一部を走行し、歩行者と自動運転バスの安心・安全な共存の在り方を検証
【園内管理道路ルート】
樹木等によりGNSS※4の電波を検知しづらい環境においても、LiDAR(ライダー)※5で測定した周囲の情報と3Dマップとを照合して位置推定をする方式により自動走行を実施し、課題を抽出
ルート |
園内西ルート |
園内管理道路ルート |
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経路 |
出発点 |
西駐車場停留所 |
西口案内所・休憩所付近 |
経由 |
花の広場⇒北1駐車場 |
もりの学舎(通過) |
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終着点 |
西駐車場停留所 |
西口案内所・休憩所付近 |
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距離 |
約2.2km(一周) |
約3.2km(往復) |
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試乗者等 |
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※愛知県知事の試乗は、花の広場乗車、西駐車場下車となります。
ルート詳細
S:出発点/G:終着点
園内西ルート
<使用する園内停留所一覧>
1. 西駐車場 4. 愛知県児童総合センター
2. 花の広場 5. 大観覧車
3. 北1駐車場 6. 水のエリア
園内管理道路ルート
3 使用車両
ルート |
車両 |
自動運転システム構築企業等 |
試乗定員/便 |
仕様 |
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園内西ルート |
大型バス |
埼玉工業大学 |
15人 |
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4 実証実験の特徴
(1) 愛・地球博記念公園において大型バスによる自動走行を初めて実施
愛・地球博記念公園において、大型バス(現在運行中の園内バスと同型)による自動走行を初めて実施します。本実証実験では、交通事業者が運行を担当して、自動運転バス車内外の安全や運行面での課題抽出を行い、安心・安全な運行方法の確立を目指します。
(2) 歩車混在環境におけるAI映像解析技術を活用した注意喚起
多数の歩行者による往来が見込まれる北1駐車場付近の走行ルート上にて、AI映像解析技術により周辺の歩行者の状況を分析し、自動運転バスの接近時に路側に設置したスピーカーから音声にて注意喚起を行うことにより、歩行者と自動運転バスの安心・安全な共存の在り方の検証を行います。
(3) 5Gを活用した危険箇所リスクの検出
本実証実験では、走行ルート上や車両内外に設置した複数のカメラ(路側/車載カメラ)を5G等に接続して、運行状況を鮮明な映像により遠隔管制室にて監視し、遠隔管制室と車両との間でコミュニケーションを取り、事故等を防ぎます。
車載カメラには株式会社東海理化の提供する画像処理システムを活用することで、遠隔監視の複数画像を統合し、車両周囲の死角が少ない映像を伝送して、遠隔管制者の負荷を軽減します。
路側カメラは、車両から死角になる場所や子供を含めた歩行者の移動が多い危険箇所に設置して有効性を分析し、将来の園内での自動運転サービスの実装に向け活用できるようにします。
路側カメラにはENWA(エンワ)株式会社の提供する映像伝送システム「DiCaster(ディーキャスター)」を採用することで、専用の機材を用意することなく、スマートフォンにて高精細な映像を低遅延で伝送します。
(4)車両と歩行者の動きに関するデジタル空間上でのシミュレーション(参考実証)
歩行者の自動運転車両に対する危険認知感覚に対応した回避行動をAIでデジタル空間上に再現し、歩行者が危険を感じない自動運転車両の走行速度・経路等を導き出すことのできるシミュレーションシステムの構築を目指します。
具体的には、複数の走行パターンを収録した動画を被験者が視聴し、車両に対する「安全、危ない」といった危険認知感覚をAIにより数値化し、対応する歩行者の回避行動をパターン化します。次に、歩行者の往来が多く見込まれる交通環境をデジタル空間上に再現し、想定される歩行者の動きをシミュレーションします。
今回の実証実験では、デジタル空間で想定した歩行者の動きと実際の歩行者の動きを比較することで、シミュレーション自体の有効性を検証します。
5 事業実施体制
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社を幹事会社とする共同体で事業実施
企業名等 |
主な役割 |
|
---|---|---|
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社/株式会社NTTドコモ | 事業統括、車両調達、遠隔管制システムの提供、通信環境構築、5Gを活用したソリューションの提供 | |
アイサンテクノロジー株式会社 |
3Dマップの作製、走行調律作業の実施 |
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|
埼玉工業大学 |
自動運転バス車両の提供 |
株式会社ティアフォー |
自動運転OS「Autoware」の運用支援 |
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岡谷鋼機株式会社 |
社会実装に向けたアドバイス |
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損害保険ジャパン株式会社 |
自動運転リスクアセスメント |
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名鉄バス株式会社 |
遠隔管制者、車内保安員、交通事業者としての運行支援 |
|
株式会社東海理化 |
遠隔監視の映像を統合するシステムの提供 |
企業名等 |
主な役割 |
|
---|---|---|
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ/株式会社エヌ・ティ・ティ・データ東海 |
AIによる走行条件シュミレーション(参考実証) |
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ENWA株式会社 |
映像伝送システムの提供 |
6 一般の方の試乗について
(1) 日程
2023年2月11日(土曜日・祝日)及び2月12日(日曜日)
(2)使用車両・実施内容
ルート |
車両 |
自動運転システム構築企業等 |
試乗定員/便 |
実施内容等 |
---|---|---|---|---|
園内西ルート |
大型バス |
埼玉工業大学 |
15人 |
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(3) 申込方法
事前に以下の申込専用サイトで予約いただくと、確実に乗車可能です(各便5席確保)。予約される場合は、発車時刻をよく御確認の上、試乗日の前日までに専用サイトから予約してください。
また、当日は発車時刻の10分前までに花の広場休憩所で受付を行ってください。その際、予約受付メールを持参してください(スマートフォン等によるメール画面の表示でも可)。
(申込専用サイト)https://coubic.com/2022-aichi-jidounten
用語説明・補足
※1 5G |
通信キャリアがサービスとしてスタートした第5世代移動通信システム。 |
※2 AI映像解析技術 |
AIにあらかじめ車両や人物等を学習させ、カメラに映った映像の内容を解析する技術。 |
※3 遠隔管制 |
自動運転車両の運行を遠隔からの映像をもとに管理・制御すること。 |
※4 GNSS |
Global Navigation Satellite Systemの略。人工衛星から発射される信号を用いて自己位置などの測位を行う技術。 |
※5 LiDAR |
Light Detection and Rangingの略。レーザー光を使って離れた場所にある物体の形や距離を測定するセンサー技術。 |
※6 Autoware |
自動運転システム用オープンソースソフトウェア。 |
このページに関する問合せ先
愛知県経済産業局産業部産業振興課次世代産業室
デジタル技術活用促進グループ
電話:052-954-7495
メール:jisedai@pref.aichi.lg.jp