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水質の保全と「豊かな海」の両立に向けた社会実験を実施します
2022年10月25日(火曜日)発表
水質の保全と「豊かな海」の両立に向けた社会実験を実施します
伊勢湾・三河湾では、これまでの排水規制により水質が改善されていますが、一方で漁業生産に必要な栄養塩の不足によるノリやアサリへの影響が指摘されています。
このため愛知県では、2022年度から2年間、三河湾沿岸2カ所の浄化センターで放流水中の窒素とリンの濃度を増加させ、水質やノリ、アサリへの効果を調査する、水質の保全と「豊かな海」の両立に向けた社会実験を実施しますのでお知らせします。
1 社会実験の概要
(1)実施施設
愛知県矢作川浄化センター(西尾市港町1番地)
愛知県豊川浄化センター(豊橋市新西浜町1ー3)
(2)実施期間
2022年11月から2023年3月まで(2022年度)
2023年9月から2024年3月まで(2023年度)
(3)内容
総量規制基準を改正し、実施施設の放流水中の窒素とリンの濃度を国の規制値上限(窒素:20mg/L、リン:2mg/L)まで緩和して、窒素とリンの濃度を増加させる試験運転を実施します。
項目 | 放流水の濃度 |
---|---|
対象とする栄養塩と放流水濃度の上限 |
・窒素:上限20mg/L (現行10mg/L) ・リン:上限 2mg/L (現行1mg/L) |
2 社会実験の効果調査
(1)水質調査
実施施設周辺海域の窒素、リン及び植物プランクトン量の指標となるクロロフィルを月1回から2回、調査します。
(2)ノリ、アサリへの効果
実施施設周辺海域のノリの色調やアサリの身入りなどを調査します。
3 その他
(1)社会実験の効果については愛知県栄養塩管理検討会議において検証し、会議の結果を公表します。
(2)社会実験により環境への悪影響が認められた場合には、社会実験を中断します。
参考
1 三河湾の窒素・リンの現状
〇全窒素・全リン濃度は経年的に減少傾向にあります。
三河湾の全窒素・全リン濃度の推移(公共用水域水質調査結果より)
2 海域における「栄養塩」とは
○植物の生育に欠かせない海水中の溶存物質で、特に窒素やリンが重要です。
○栄養塩が少ないとノリの色落ちや、アサリなどの餌となる植物プランクトン不足などが起きます。
○高度成長期は「富栄養化」が問題となりましたが、現在では「貧栄養化」が指摘されています。
色落ちしたノリ(左) 餌不足で痩せたアサリ(右)
3 愛知県栄養塩管理検討会議について
(1)目的
○2022年度から2年間実施される「水質の保全と『豊かな海』の両立に向けた社会実験」の結果を検証し、その結果を踏まえた今後の方向性を検討するとともに、海域ごとの漁業生産に必要な栄養塩濃度の提案や管理方策など、漁業生産に必要な望ましい栄養塩管理のあり方を検討することを目的とします。
(2)概要
○ 設置時期:2022年9月
○ 構成員
委員
・学識経験者(環境、水産関係4名)
・漁業関係者1名
・県(農業水産局、環境局、建設局)
・市町(豊橋市、西尾市、田原市、南知多町)
特別委員
・国関係機関(環境省、水産庁、国土交通省中部地方整備局)
・特別委員は検討項目に関する助言又は協力を行います。
※関係団体及び行政の構成員は、各構成団体の推薦を受けて決定します。
(3)スケジュール
○ 2022年10月24日:第1回愛知県栄養塩管理検討会議の開催
主な議題:社会実験の実施方法及び検証方法について
○ 2023年度以降、年2回程度、開催予定
このページに関する問合せ先
愛知県 農業水産局 水産課
企画・環境グループ
担当:原、松村
電話:052-954-6458
内線:3782、3783
メール:suisan@pref.aichi.lg.jp
愛知県水産試験場
企画普及グループ
担当:竹内、和久
電話:0533-68-5196
メール:suisanshiken@pref.aichi.lg.jp
愛知県 環境局 環境政策部 水大気環境課
調整・計画グループ
担当:中原、城森
電話:052-954-6221
内線:3044、3040
メール:mizutaiki@pref.aichi.lg.jp
愛知県 建設局 下水道課
施設管理グループ
担当:藤城、松岡
電話:052-954-6463
内線:2716、2717
メール:gesuido@pref.aichi.lg.jp