品名 |
相談区分 |
内容 |
調査結果等 |
アイナメ |
寄生虫 |
「アイナメ」の身の中に黒い小豆大の異物がある。 |
黒色部を切り取って調べたところ、直径2〜3mm、球状で乳白色のシスト(カプセル)があり、中に体長2〜3mmの幼虫が入っていた。これは吸虫類のメタセルカリア(被嚢幼虫)の袋の表面にメラニン色素が沈着したもので、吸虫をリリアトレマと推定した。
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アカウオ |
寄生虫 |
「アカウオ」の体表面に寄生虫がついている。 |
体長が数cmあり、体の一部が筋肉内にくい込んでいた。これは、ぎょう脚類のスフィリオン属であり、一般に、体長約3〜6cmで、雌の成虫は頭胸部横の鈎爪状になった触角を魚体内に穿入・固着し、他の部分は魚体外にある。 |
アカウオ |
寄生虫 |
「アカウオ」に腫瘍らしい暗赤色の腫瘤が多数ある。 |
複数の魚に多数存在していることから、腫瘍ではなく寄生虫性疾患と考えられたが、詳細は不明であった。 |
アカムツ |
寄生虫 |
「アカムツ」の口腔内に寄生虫がいる。 |
寄生虫の形態、寄生場所等からタイノエと推定した。 |
アナゴ |
異味・異臭 |
「アナゴ」から異臭がする。 |
魚の生息水域が工場排水や下水などによって汚染されると魚が異臭を帯びることがある。 |
アユ |
寄生虫 |
「アユ」の卵巣中に、卵の5〜6倍の大きさで乳白色、楕円状のものが入っている。 |
微胞子虫類に属するグルゲアのシストと推定した。 |
アンコウ |
寄生虫 |
「アンコウ」の肝を食べようとしたら虫がいる。 |
アニサキスと同定した。 |
アンコウ |
その他 |
「アンコウ」の切り身パックの中身の一部が違うようだが、鑑定はできるか。 |
切り身の鑑定は難しいが、アンコウは鮮度が落ちやすく、国産品と輸入品では味が異なる可能性がある。 |
イサキ |
寄生虫 |
「イサキ」の身の部分にゴマ粒大の白いものが点在している。外観からは粘液胞子虫のシストと思われるが、イサキに寄生するか。 |
メルルーサやコチなどに寄生することから、イサキにも寄生する可能性は考えられる。白い部分を取り出して染色し、顕微鏡で観察した場合、粘液胞子虫であれば胞子が確認できる場合がある。 |
イトヨリダイ |
異味・異臭 |
焼き「イトヨリダイ」から薬品臭がする。 |
キスについては、しばしばカルキ臭のような異臭を発生する事例があり、加熱するとひどくなることがあるといわれている。この原因は摂取したプランクトンによるものとされており、これと同様の事例と推定した。 |
カツオ |
その他 |
「カツオ」の色が異常に鮮やかだが、何か添加物を使用していないか。 |
ニコチン酸及びニコチン酸アミドにつき検査を実施したが、両物質ともに検出されなかった。 |
カレイ |
異物 |
「アブラガレイ」の切身の表面を白いクリーム状のものが覆っている。 |
脂肪組織である。なお、アブラガレイという名前は、脂肪が身に多いことに由来している。 |
カワハギ |
異味・異臭 |
身欠き「カワハギ」から消毒薬のような臭いがする。 |
一般的に魚介類の異臭発生原因として考えられることは、鮮度の問題、えさの問題(プランクトン等種類により、異臭を発生する場合がある。)、生息海域の問題である。生息海域が工場廃水・下水等により、汚染されている場合にも異臭を発生する場合がある。 |
カンパチ |
寄生虫 |
「カンパチ」の身の中に黒色の異物が点在している。 |
ブリ糸状虫の死骸の一部が身の中に取り残され、変性・萎縮したものと推定した。 |
カンパチ |
寄生虫 |
「カンパチ」の体表に寄生虫のようなものが付着しているのをよく見かける。活けじめすると離れていく。 |
形態からヒダヒルと推定した。魚の寄生虫であるが、活けじめ時に魚体から離れるので、人体には害を及ぼさないと思われた。 |
カンパチ |
異物 |
「カンパチ」をさばいたところ、体腔内に黒い膿状の物質が付着していた。 |
当該異物と血合い部分を対照としてヘム鉄の検査を行ったところ、異物、対照共に文献データの吸収スペクトルパターンが一致したため、当該異物はカンパチ体内での出血後の凝血像と推定した。 |
カンパチ |
変質・変色 |
「カンパチ」を三枚におろしたところ、身の一部が黄褐色に変性していた。 |
肉眼所見から化膿巣と思われたので、黄変部を塗抹鏡検し、化膿菌の一種であるグラム陽性球菌を多数確認した。 |
カンパチ |
変質・変色 |
「カンパチ」を処理したところ、筋肉内に空洞があり空洞内部が暗赤色に変色していた。 |
ブリ糸状虫が寄生した後の病変と思われたが、詳細は不明であった。ブリ糸状虫であれば人体への寄生はない。 |
キス |
異味・異臭 |
釣った「キス」から薬品(カルキ)臭がした。 |
残留塩素は検出されず、有機溶媒についても機器分析により検索したが、特有な成分は検出されなかった。 |
キス |
異味・異臭 |
毎年5月頃に福岡産の「キス」が消毒臭くなる。 |
餌のプランクトンが原因と考えられるが特定には至っていない。特に対策はない。 |
キス |
異味・異臭 |
冷凍の「キス」開きから塩素臭のような薬品臭がする。 |
キスの異臭に関する苦情は時折あるが、原因は不明である。他の苦情事例にキスが摂取する餌などが関係するとの記述がある。 |
サケ |
寄生虫 |
生「サケ」の切り身に長さ2〜2.5cmの白い虫が付着している。 |
生理食塩水に浮遊させると円形渦巻状を示し、胃部が体長に比して長く、尾部が鈍円であったことから、アニサキスI型と同定した。 |
サケ |
寄生虫 |
生「サケ」の切り身から虫が出てきた。 |
形態からアニサキスと推定した。 |
サケ |
寄生虫 |
「サケ」の腹腔から紅桃色で体長4cm位の寄生虫が出てきた。 |
形態からテラノーバA型と推定した。 |
サケ |
寄生虫 |
「サケ」の切身の表面を寄生虫らしきものが移動している。 |
形態からアニサキス類と推定した。 |
サワラ |
異物 |
「サワラ」の切り身から褐色の虫が出てきた。 |
尾端部の形態等からワモンゴキブリの幼虫と推定した。 |
サンマ |
異物 |
「サンマ」を焼いたら腹から白色球状物が出てきた。 |
形態より魚卵と思われたので、サンマの卵巣を茹でたところ該品と同じ形態となったことから、該品はサンマの卵であると確認した。 |
シラウオ |
その他 |
「シラウオ」を生で食べたところ、しばらくして舌にしびれを感じた。 |
現物を試食したが、特に異常は感じられなかった。また、ヒスタミン、鮮度等の検査を実施したが、問題となる値ではなかった。 |
スズキ |
変質・変色 |
「スズキ」の身が黄色い。 |
カロチノイド系色素を持つ餌からの体内移行の可能性が考えられた。 |
キビレ |
寄生虫 |
「キビレ」の身の中に直径1mm位の黄色球体状のものがある。 |
球体内部には内容物はなく液体であったが、鏡検により粘液胞子虫の胞子が確認された。胞子の形態からクドアと思われ、人体への影響はないと言われている。 |
タイ |
異物 |
「マダイ」の口腔内に甲殻類らしきものがいる。 |
発見された魚種、部位等から等脚類のタイノエと推定した。 |
タイ |
異味・異臭 |
「タイ」の塩焼きを食べたところ異臭がした。 |
魚介類は生育時の食性によって魚肉に異臭が生 じることがある。この臭いは加熱時により強く発生する。 |
タチウオ |
異物 |
「タチウオ」の内蔵から骨のような物が出てきた。 |
良性の骨腫と思われた。タチウオから良性の骨腫がしばしば発見されている。これは骨の構造が比較的よく保たれており、真の腫瘍とみるべきか、反応性過形成とみるべきかはっきりしていない。 |
タチウオ |
異物 |
焼いた「タチウオ」の背部から2cm角程の歯の形状をしたものが出てきた。 |
タチウオの骨(良性腫瘍)と推定した。 |
タラ |
異物 |
「タラ」の切り身に異物が付着している。 |
異物の鏡検像から端脚類の横エビの一種と推定した。 |
ヒラメ |
異物 |
天然「ヒラメ」の鰓にビニール製の異物が付いていた。 |
魚の回遊状況を調べるためのマーキング・タ グと推定した。本来、これは漁獲時に最寄りの漁協等へ届け出るものである。 |
ヒラメ |
その他 |
活「ヒラメ」を処理したところ全身に内出血様症状がみられた。 |
県水産試験場に相談したところ、ラブドウィルス病の可能性が高いこと、また魚のウィルスであれば人に感染する可能性はないとの回答であった。 |
フグ |
その他 |
「ハコフグ」に似た名称不明「フグ」がいる。 |
「ハマフグ」と判明した。なお、これは食用ではない。 |
フグ |
その他 |
名称不明の「フグ」がいる。 |
学名Ephippon Guttifer、和名なしと判明した。 |
フグ |
その他 |
見慣れない「フグ」が水揚げされた。 |
形態よりホシフグと推定した。 |
フグ |
その他 |
「フグ」の鑑別をしてほしい。 |
ヒガンフグであった。皮膚に小棘なく、皮膚はコブ状皮質突起で覆われ、体の背方は褐色で、黒褐色または黒色の斑点が散布し黒班はなかった。 |
ブリ |
寄生虫 |
「ブリ」の切身の煮付けから寄生虫が出てきた。 |
煮付けのため、大きさ以外の特徴が不明瞭であったが、ブリ糸状虫と推定した。 |
ブリ |
寄生虫 |
「ハマチ」の筋肉内に寄生虫のような異物がある。 |
ブリの微胞子虫症に類同の病変と推定した。 |
ブリ |
異物 |
「ハマチ」の体表に寄生虫のようなものが付着しているのをよく見かける。活けじめすると離れていく。 |
形態からヒダヒルと推定した。魚の寄生虫であるが、活けじめ時に魚体から離れるので、人体には害を及ぼさないと思われた。 |
ブリ |
異味・異臭 |
「ワラサ」から薬品臭がし、変な味がする。 |
薬品臭の原因となる成分は検出されなかった。環境汚染物質の高濃度蓄積もみられなかった。 |
ボラ |
異物 |
「ボラ」を三枚におろしたところ、筋肉内に赤褐色不定形の小豆大の異物があった。これは何か。 |
組織標本を作成し、鏡検したところ、赤血球を容れる大小不同の管腔構造が密在しており、血管増生と推定した。 |
マグロ |
寄生虫 |
「キハダマグロ」にゴマ様の米粒大の異物があるが、食べても害はないか。 |
形態から粘液胞子虫の嚢包と推定した。人体に害はない。 |
マグロ |
異物 |
カナダ産の「クロマグロ」の筋肉中に白い斑点がある。 |
魚体全体にわたって白い斑点が確認されたことから、粘液胞子虫によるジェリーミートと推定した。 |
マグロ |
寄生虫 |
近海産の「トンボマグロ」を摂食したところ4時間後に腹痛を起こし、胃内からアニサキスのような寄生虫が出てきた。「トンボマグロ」にアニサキスが寄生するか。 |
当該保健所が販売店を調査した結果、身と皮の間にあったやや黄色を帯びた糸状のものを処理中に除去していたことが判明した。文献等から、マグロ類にアニサキスが寄生することから、この寄生虫をアニサキスと推定した。 |
マグロ |
異物 |
「マグロ」の身の中に赤身の色より濃い暗赤色の米粒大のかたまりがある。 |
鏡検により筋繊維状のものがわずかに見られたが、虫体及び虫卵らしきものはなかった。また、暗赤色部をつぶしたところ、粘りのあるゼリー状であったことからジェリーミートと推定した。 |
マグロ |
寄生虫 |
「マグロ」のなかおちの中に、白い卵のようなものがある。 |
形態から粘液胞子虫と推定した。人体に害はない。 |
マグロ |
異物 |
「キハダマグロ」の刺身に赤い筋状のものがある。 |
打ち身等の原因で放血不良となった血管と推定した。 |
マグロ |
異味・異臭 |
「マグロ」の腹身を味見したところ舌に痛みを感じた。 |
過去の事例よりヒスタミンが疑われたので、該品と対照として尾身のヒスタミン量を測定した結果、それぞれ116.22μg/gと11.44μg/gを検出した。 |
マダカ |
異物 |
「マダカ」の身の中に白い米粒状の異物がある。 |
鏡検により粘液胞子虫のシストが確認され、これは粘液胞子虫の一種のクドアであった。 |
メバル |
寄生虫 |
「イソメバル」の筋肉中に黒色異物がある。 |
異物の形態及び魚種から、リリアトレマ属メタセルカリアと推定した。 |
メバル |
寄生虫 |
「エゾメバル」に黒い粒状物質が付着している。 |
リリアトレマ属寄生虫のシストと推定した。なお、喫食しても健康上の危害はない。 |
メバル |
寄生虫 |
「メバル」の身の中に黒色の粒状の異物がある。 |
鏡検によりリリアトレマ属メタセルカリアと推定した。 |
メバル |
寄生虫 |
「メバル」の煮付けに黒いツブツブ状の異物がある。 |
黒色異物を切開すると、内部より半透明のカプセル状のものがあり、切開すると白色の虫体が認められた。寄生状態、黒色粒状形態、内部の白色の虫体からりリリアトレマ属メタセルカリアであった。なお、人体に害はないとされている。 |
メバル |
寄生虫 |
「メバル」の焼いた身に黒いものがある。 |
俗称、黒ごまといわれるリリアトレマのシストであった。 |
メルルーサ |
異物 |
「メルルーサ」のフィレをフライにしたものを金属探知器にかけたところ、皮と筋肉の境界部に針頭大の微小金属片が見つかった。 |
該品が磁石に接着すること、実体検鏡下で研磨ラインが観察されたことから、刃物の破片であると推定した。 |
その他 |
その他 |
名称不明の魚がいる。 |
体側の横縞、尾柄の隆起線、背鰭の棘の遊離、全体の紡錘形等の特徴からブリモドキと推定した。 |
その他 |
その他 |
名称不明の魚がいる。 |
形態よりアミモンガラと推定した。 |