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病害虫図鑑 ダイコンモザイク病

ページID:0273350 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 主な病原ウイルス 
  カブモザイクウイルス Turnip mosaic virus (TuMV) 
  キュウリモザイクウイルス Cucumber mosaic virus (CMV) 
  カリフラワーモザイクウイルス Cauliflower mosaic virus (CaMV)
        
2 被害の様子
 生育ごく初期に感染すると播種後20日頃から発病する。まず葉脈が淡黄化し、しだいに濃淡が混在するモザイクとなる。地上部、地下部とも生育が悪く、激しいと枯死する。そのほかに葉の巻き縮み、ちりめん状、舌状の突起、葉縁の黄化、奇形、茎葉のえそ斑点が生じることもある。生育が進んでからの感染では、新葉にモザイクを生じ、萎縮は軽微である。根には症状がでにくいが、品種、ウイルス、環境などの条件によっては、肉質が堅く表面に凸凹を生じる「ガリダイコン」となる。
  TuMV、次いでCMV(アブラナ科系)が多いが、これらの重複感染による場合も多い。

3 病原ウイルスの生態
 いずれもアブラムシ類(モモアカアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、ダイコンアブラムシ)により非永続伝搬し、種子伝染、土壌伝染はしない。
  TuMV、CMVの寄主範囲は広い。CaMVの寄主はアブラナ科植物が主である。

ウイルスの性質

ウイルスの性質

注:++は主要な伝染方法。-は伝染しない。接触伝染-ウイルスでも、汁液では感染することがある。

4 発生しやすい条件
・アブラムシ類は一般に8月から10月初めに多く、高温・乾燥の年に多発する。
・豪雨や台風後は飛来数がきわめて少なくなる。
・幼苗期にアブラムシ類の飛来が多いと発病、被害が増加する。

5 防除対策
・秋作早生種と中生種は定植後1か月くらい寒冷紗被覆すると被害が極端に減る。
・育苗床は必ず寒冷紗被覆する。
・発病株は早めに抜き取り土に埋めるなどして処分する。
・アブラナ科作物を連作しない。
・ほ場周辺の雑草、特にアブラナ科雑草を除去する。
・播種時に粒剤を施用し、生育期にもアブラムシ類の発生状況に応じて薬剤散布を行う。

ダイコンモザイク病