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病害虫図鑑 ミツバべと病

ページID:0273426 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Plasmopara nivea (Unger) J. Schröter

2 被害の様子
・発病初期は、葉の表面に境界が不明瞭な淡黄色の小斑点を生じる。病徴が進展すると葉脈で区切られた淡褐色の病斑となる。病斑の裏面に白色ないし灰白色霜状のかびを生じる。発病に好適な環境下では白色の緻密なかびを生ずることがある。
・多湿時には葉はゆでたように腐敗し、乾燥時には枯れ上がる。
・育苗期には、子葉の裏面に霜状のかびがみられる。養液栽培では育苗時に発生し、ほ場全体にまん延することがある。

3 病原菌の生態
・分生子と卵胞子を形成する。分生子は病斑上に生じた分生子柄の主軸からほぼ直角に枝分かれした尖っていない先端に形成され、無色で楕円形~卵形、9~39×8~20㎛。分生子の形成適温は15~20℃。卵胞子は組織内に形成され、厚膜、球形で直径27~38㎛。
・伝染源は発病植物の組織内に形成される卵胞子で、発芽管を出して、直接感染する。また、病斑上に形成された分生子が風等で飛散することにより二次感染し、まん延する。
・養液栽培では分生子が培養液に入ると、水中で発芽して6~8個の遊走子を生じ、栽培槽内全体に広がって伝染する。
・本菌の寄主として記載があるのはミツバ、ハマボウフウのみである。

4 発生しやすい条件
・養液栽培では、ほぼ全期間で発生が見られるが、真夏の高温期では発生が少なく、春と秋に多い。
・多湿または葉が濡れている状態で多発しやすい。

5 防除対策
・施設栽培では、施設内が多湿とならないようにする。
・養液栽培では、培養液中に分生子が混入しないよう、隙間をなくす。
・密植や窒素過多は発病を助長するため、適切な肥培管理を行う。
・発病株は早期発見して除去し、適切に処分する。
・発生初期から薬剤防除を行う。
・育苗期に苗に発生した場合は、発病苗は処分し、必ず薬剤防除を行う。

葉の病斑

 葉の病斑

葉裏の霜状の病斑

 葉裏の霜状の病斑