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サクラの花から分離した酵母を使った清酒が完成しました ~食品工業技術センター、大府市、中埜(なかの)酒造株式会社が共同開発~

   あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター(名古屋市西区、以下「センター」という)は、大府市のサクラの花から酵母を分離し、大府市、中埜酒造株式会社(半田市、以下「中埜酒造」という)との共同で、爽やかな酸味がほんのりとした甘さとバランス良く調和した、フルーティな低アルコール清酒(以下「サクラ清酒」という)を完成させました。
   このサクラ清酒は、2021年9月4日(土)の大府市制50周年Plus1※1記念式典以降、大府市内の酒販店で販売されます。

1 背景・経緯

   センターは、技術シーズである「自然界から酒造りやパンに適した酵母を分離・選別する技術」を活用して、ふじの花から分離した酵母の清酒などを企業と開発してきました。
   一方、2020年に市制50周年を迎えた大府市は、サクラを「市の木」に指定し、記念事業として「サクラ清酒プロジェクト」を進めてきました。
   このプロジェクトについて、大府市から依頼を受けたセンターは、大府市内の各所でサクラの花を採取して酵母の分離を試み、二ツ池(ふたついけ)公園(大府市横根町)のソメイヨシノの花から清酒醸造に適した酵母1株(「おおぶ酵母」と命名)の分離に成功しました。
   センターによる酵母の特徴解析や技術指導の下、中埜酒造が本仕込み(生産仕込み)を行い、「サクラ清酒」が完成しました。

2 清酒製造用酵母「おおぶ酵母」の選別・分離について

   清酒醸造に適した酵母の効率的な選別・分離は以下のように進めました。
(1)採取したサクラの花を、約10%のアルコールを含む培地に浸漬して、増殖する微生物を分離。
(2)遺伝子解析により、清酒製造に使用可能な酵母であることを確認。
(3)他の酵母の増殖に悪影響を及ぼすキラー性※2が無いことを確認して選別。

    この選別・分離の結果、大府市内の4か所から採取した24試料のサクラの花のうち、二ツ池公園のソメイヨシノの花から最終的に1株の酵母(おおぶ酵母)の分離に成功しました。
   おおぶ酵母を用いて小仕込み試験※3を行い、爽やかな酸味とほんのりと甘みのある清酒になることを確認しました。


大府酵母の電子顕微鏡写真
おおぶ酵母の電子顕微鏡写真

3 市制50周年Plus1記念酒「サクラ清酒」の製造について

   中埜酒造では、センターの技術指導のもと、おおぶ酵母の特徴を生かした酒質の設計とこれを実現するための仕込み法を決定し、2021年7月に生産仕込みを行いました。発酵経過は順調に推移し、爽やかな酸味と甘みがバランス良く調和し、ライチやマスカットを思わせる、甘い果実系の香りを持つ原酒ができました。この原酒をベースとして、うすにごりタイプの清酒と発泡性の清酒の2種類のサクラ清酒「桜舞(おおぶ)」を製品化しました。

市制50周年 Plus1記念酒「サクラ清酒」の成分
アルコール分 (%)8.5
日本酒度(※4)-78
酸度(mL)(※5)4.30
アミノ酸度(mL)(※6)2.00

仕込み
岡村市長による生産仕込みの様子

4  2種類のサクラ清酒「桜舞(おおぶ)」の販売について

   2021年9月4日(土)の大府市制50周年Plus1記念式典以降、大府市内酒販店2店において、500セット限定で販売されます。

○販売予定価格
  200mL瓶2本セット:2,200円 (税込み)

桜舞
サクラ清酒「桜舞」

<販売店1>
店名:ふじや酒店
所在地:大府市共和町3−16−12
電話:0562-46-0880
営業時間:午前9時から午後9時まで
定休日:火曜日

<販売店2>
店名:げんきの郷
所在地:大府市吉田町正右エ門新田1-1
電話:0562-45-4080
営業時間:午前9時から午後6時まで
休業日:毎月1日。1日が土曜日、日曜日、祝日の場合は、翌平日が休業日。

5 問合せ先

(1)酵母について
あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター
発酵バイオ技術室(担当:近藤、三井、伊藤、伊東)
名古屋市西区新福寺町2-1-1
電話番号:052-325-8092

(2)サクラ清酒について
中埜酒造株式会社
担当:原本
半田市東本町2-24
電話番号:0569-23-1233

(3)大府市制50周年Plus1記念事業・「サクラ清酒プロジェクト」・商品開発全般について
大府市役所産業振興部農政課
担当:池村、畔柳(くろやなぎ)、村瀬
大府市中央町五丁目70番地
電話番号:0562-45-6225

参考 知事表敬訪問について(2021年8月19日(木)発表済み。)

   大府市制50周年Plus1記念酒「サクラ清酒」について、関係者が以下のとおり知事を表敬訪問します。

日時:2021年8月27日(金)  午後4時45分から午後5時まで
場所:愛知県公館
訪問者:大府市市長  岡村 秀人(おかむら ひでと) 氏
              中埜酒造株式会社  専務取締役 北河 幹雄(きたがわ みきお) 氏

【用語説明】
用語説明
※1
大府市制50周年Plus1
2020年に市制50周年を迎えた大府市が、新型コロナウイルス感染症の影響により、延期・中止となった「市制50周年記念事業」を「市制50周年Plus1記念事業」として再構成した。
市制50周年を機にサクラを「市の木」に指定した記念事業として「サクラ清酒プロジェクト」を進めている。
※2
キラー性
 他の酵母の生育を阻害するキラー因子と呼ばれる物質を出す性質。醸造に使われる酵母の多くはキラー因子に感受性があり、キラー性のある酵母が混入すると醸造に支障をきたすことから、キラー性の無い酵母の使用が望まれる。
※3
小仕込試験
総米数g~1kg程度の小規模な醸造を行う試験。酵母や酒米の育種選抜等の試験研究において、得られる清酒の成分値を確認する目的で、工業的規模の醸造を行う前段階で実施する。
※4
日本酒度
清酒の比重を示す尺度。4℃の水と同じ比重を日本酒度±0とし、これより比重が大きい場合は-(マイナス)の値、比重が小さい場合は+(プラス)の値となる。
アルコール分や酸度等の影響も考慮する必要があるが、おおよそ、清酒の甘口、辛口の目安となる。日本酒度がマイナスになるほど甘口、プラスになるほど辛口となる。
※5
酸度
清酒に含まれるコハク酸・クエン酸・リンゴ酸等の有機酸の総量を表す指標。
日本酒度等の影響も考慮する必要があるが、おおよそ、酸度が高いと濃醇な酒質、酸度が低いと淡麗な酒質になることが多い。
※6
アミノ酸度
清酒に含まれるアラニン・グルタミン酸・アルギニン等のアミノ酸の総量を表す指標。
淡麗な清酒はアミノ酸度が小さく、濃醇な清酒はアミノ酸度が大きい傾向にある。アミノ酸度が大きすぎると雑味が多く、くどい酒質になることが多い。