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石炭灰を活用した機能性砂利の開発について -資源の有効活用技術を企業と共同で開発-

 あいち産業科学技術総合センター産業技術センター(以下、センター)は、太平産業 (たいへいさんぎょう)株式会社(名古屋市:以下、太平産業(株))と共同で、石炭火力発電所で発生する石炭灰※1のうち、クリンカアッシュ(以下、CA)を原料として、「機能性砂利」を低コストで製造する技術を開発しました。
 本技術により製造された砂利は、軽量で保水性(表面温度低減効果)や防草性に優れており、ヒートアイランド※2対策、土木・建築用資材としての活用が期待できます。
 今後は、平成30年11月7日(水曜日)から10日(土曜日)までポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催される「メッセナゴヤ2018」の愛知県(あいちの環境ビジネス発信事業)ブースにて、試作品を紹介します。
 太平産業(株)では、平成30年12月から試験販売を開始する予定です。

Fig1

  開発した防草性のある機能性砂利 (C)

1 開発の背景

 石炭火力発電所等で石炭を燃焼すると、石炭灰が発生します。この石炭灰の約1割を占めるCAは、表面に無数の気孔が開いているため、軽量かつ保水性・排水性・通気性に優れ、土壌・地盤改良材等に使われています。しかし、大量に発生する石炭灰の用途は限られていることから、さらなる有効利用の拡大が強く望まれています。
 そのような中、センターでは太平産業(株)からCAの新規活用法について相談を受け、共同研究(平成29年度)や技術指導を通じて、県内外に広く普及可能な機能性のある砂利の開発に取り組みました。

2 開発内容

(1)開発の概要 

 センターは、気孔を活かしつつ強度を高めた機能性砂利の製造法の開発を担当し、太平産業(株)は、原料の選択や製造法の改良による生産性の向上を担当しました。
 その結果、軽量で保水性と防草性を有する機能性砂利を低コストで製造する技術を開発し、平成30年10月に共同で特許を出願しました(特願2018-200548)。

(2)研究開発の内容

〇機能性砂利の製造法の開発
 CAの粒度調整、原料と硬化剤の混合割合、硬化反応温度などの条件を最適化することによって、CAの気孔を極力潰さずに、大きさや形状を自由に設計できる砂利の製造法の開発に成功しました。

〇原料選択及び製造法の改良による生産性向上
 副原料に珪砂廃土 (けいさはいど)※3を使用して砂利の成形性や物性を向上させるとともに、低温(100℃以下)での硬化反応を採用するなどして、製造プロセスの簡素化や省力化を実現しました。

(3)開発品の特長

  •  吸水率が高いため、保水した水分の気化熱により、地表温度の上昇を抑えることができます(ヒートアイランド対策に有効)。(図1)
  •  アルカリ性の硬化剤の採用により砂利がアルカリ性になるため、除草効果(2ヶ月以上)が期待されます。(図2)
  •  一般的な玉砂利と比較して軽量であるため、運搬費を抑えることができます。
  •  成形して砂利を製造するため、砂利の大きさや形状を自由に設計することができます。
  •  副原料や硬化剤の配合比を変えることにより、かさ密度や吸水率、圧縮強度といった物性を制御することができ、用途に適した製品を作ることができます。(表1)
  •  大量に発生する石炭灰(全国 約900万t/年、このうちCAは全国約90万t/年)や珪砂廃土(全国 約15万t/年)を有効に活用することができます。

Fig2

図1 温度抑制効果(サーモグラフィ※4)
(A)玉砂利、(B) 開発品

Fig3

  図2 防草試験(2週間放置後)
 (A)土、(B)玉砂利、(C)開発品
 

                   表1 物性の比較 
Tab1

3 今後の展開

 平成30年11月7日(水曜日)から10日(土曜日)までポートメッセなごやで開催される「メッセナゴヤ2018」の愛知県(あいちの環境ビジネス発信事業 第3展示館3C-195ブース)にて試作品を展示、紹介します。
 また、太平産業(株)は平成30年12月から試験販売を開始する予定です。(本販売は、2019年に製造ライン構築、2020年開始を予定しています。)
 なお、センターでは、本開発技術に関心のある方々からの相談や問合せに随時対応しています。お気軽に御連絡ください。

4  展示会の概要

行事名:日本最大級異業種交流展示会「メッセナゴヤ2018」
     (Webサイト https://www.messenagoya.jp/

主催:メッセナゴヤ実行委員会

日時:平成30年11月7日(水曜日)から11月10日(土曜日)まで
    午前10時から午後5時まで
    (但し、9日(金曜日)は午後6時まで、10日(土曜日)は午後4時まで)

会場:ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
    名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地

〇展示品例
Fig4

5 問合せ先

【製造法に関すること】
 あいち産業科学技術総合センター産業技術センター瀬戸窯業試験場
  セラミックス技術室(担当 内田、伊藤(賢))
  〒489-0965 瀬戸市南山口町537
  電話:0561-21-2116 FAX:0561-21-2128

 あいち産業科学技術総合センター産業技術センター
  環境材料室(担当 森川、伊藤(雅))
  〒448-0013 刈谷市恩田町1-157-1
  電話:0566-24-1841 FAX:0566-22-8033

【試作品に関すること】
 太平産業株式会社
  代表取締役社長:山田 佳宏(担当 鈴木)
  〒470-0354 豊田市田籾町広久手614-35
  電話:0565-48-2400 FAX:0565-48-2303

【用語解説】
用語説明
※1 石炭灰 石炭火力発電所等で石炭を燃焼すると石炭灰が発生する。石炭灰は、微細粒子のフライアッシュと石炭灰の粒子が凝集して多孔質な塊となったクリンカアッシュ(CA)に大別される。
※2 ヒートアイランド 都市部は排熱が多く、地表が人工物で覆われているため熱を蓄えやすくなり、気温が周辺の郊外に比べて高温を示す現象。
※3 珪砂廃土(けいさはいど) ガラス製品の原料となる珪砂を精製する過程において、10~15%発生する副産物。
※4 サーモグラフィ 物体から放射される赤外線を測定し、熱分布画像として表示したもの。
※5 かさ密度 単位体積あたりの質量。軽量コンクリートは1.4~2.1g/cm3、水に浮く軽石は1g/cm3を下回る。
※6 圧縮強度 押し縮める力に対し、物体が持ちこたえることができる最大の力。