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福祉向け衣料を共同開発しました ~メンズ3ピーススーツをお披露目します~

 あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター(以下、尾張繊維技術センター)と公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター(以下、FDC)は、愛知県立一宮特別支援学校(以下、一宮特別支援学校)及び地元繊維製品製造企業と共同で、平成20年度から、福祉向け衣料の開発に取り組んでおり、今年度はメンズ3ピーススーツを開発しました。
 平成31年2月4日(月曜日)に、一宮特別支援学校において、開発品を学校関係者に紹介するお披露目式を開催します。

Fig1

     開発したメンズ3ピーススーツ

1 お披露目式の概要

 開発した3ピーススーツを開発者から生徒1名に手渡して、お披露目します。

(1)日 時
  平成31年2月4日(月曜日) 午後3時30分から午後4時30分まで
   (各種気象警報等の発表に伴い一宮特別支援学校が休校となることがあります。その場合の対応は、当日、一宮特別支援学校(0586-51-2221)へお問い合わせください。)

(2)場 所
  一宮特別支援学校
   (所在地:一宮市杉山字氏神廻1 電話:0586-51-2221)

(3)次 第
  ア 開会
  イ 校長挨拶(一宮特別支援学校 浅井 亙 (あさい とおる))
  ウ 開発者代表挨拶 (開発機関・企業の各代表者)
  エ 開発者から生徒に開発したスーツを手渡し
  オ 生徒のことば
  カ 試着・記念撮影

2 開発内容

 格好良くて、着脱が容易なオールシーズン用のメンズ3ピーススーツを開発しました。たて糸にウール、よこ糸にVORTEX®※1(レーヨン90%、ウール10%)を使い、抗菌防臭性や防汚性、ストレッチ性を付与したウインドウペン※2 柄の織物に仕立てました。VORTEX糸を使用することで、通気性や抗ピリング性※3、耐摩耗性にも優れています。
 また、袖口や背中にファスナーをつけ(図1、2)、マグネット式のボタン(図3)やズボンのファスナーにループ(図4)を使用し、ウエスト背面のベルト通しをなくすことで、着替えやすく、着心地のよい構造となりました。
 さらに、座った時にきれいに見えるようにデザインされた3D立体裁断を採用するなど、車椅子の子供たちが快適に着用できるように様々な工夫を凝らしました。

Fig1-2

     図1 袖口のファスナー                図2 背中のファスナー

Fig3-4     

     図3 マグネット式ボタン                 図4 ズボンファスナーのループ

3 開発体制

 今年度は高等部2年生の男子の要望をもとにメンズスーツの開発を以下の体制で行いました。

 
工程担当
企画・生地 尾張繊維技術センター
企画・調整 FDC
ニーズ抽出・評価 一宮特別支援学校
企画・デザイン ササキセルム株式会社(一宮市)
糸、加工 オゼキオリジナル(一宮市)
 尾泉(びせん)染色株式会社 (一宮市)
生地、加工 津島毛織工業協同組合
 株式会社サカイナゴヤ(稲沢市)
パターンメイキング・縫製 株式会社ナイガイ(一宮市)
 倉敷スクールタイガー縫製株式会社(岡山県倉敷市)

4 問合せ先

 あいち産業科学技術総合センター 尾張繊維技術センター
 素材開発室(担当 村井、田中、山本)
 所在地  一宮市大和町馬引字宮浦35
 電話  0586-45-7871    FAX  0586-45-0509
 

【参考】

〇取組の経緯と成果
 車椅子で生活する子供たちは、市販の衣服では動作や着替えが困難であることが多く、望む衣服を着られず不便な思いをしています。
 そこで、子供たちの希望をもとに、身体の動きに合わせた衣服のデザインや素材の検討を行って保温性やストレッチ性など機能性に優れた生地を開発するとともに、着やすい・着せやすい工夫や、車椅子に座った状態でもシルエットが美しくなる工夫を重ねることで、子供たちの希望を叶える福祉向け衣料の製作を行ってきました。
 開発した服は児童生徒に試着してもらい、着用感を評価してもらうことで、より着やすい、着心地のよい服づくりにつなげています。

〇これまでの開発品
1 レディーススーツ・メンズパンツ(平成27年度開発品)
 レディーススーツは、前身頃には接触冷感・通気性・透湿性を兼ね備える快適性に優れたウール100%の織物を用い、後身頃には伸縮性の高いニット生地を用いています。また、背中部分にはファスナーをつけています。
 メンズパンツは、デニム柄をプリントした、伸縮性が高く裏起毛で保温性の高いニット生地を用いています。また、パンツに取手をつけています。

Fig5

  レディススーツ       メンズパンツ         メンズパンツの取手部分 


2 フォーマルスーツ・浴衣(平成28年度開発品)
 フォーマルスーツは、抗菌・防臭加工やナチュラルストレッチを備えたウール100%の織物を使用しています。パンツ後身頃には伸縮性の高いニット生地を用い、脇及び背中部分にファスナーをつけています。
 浴衣は、たて糸にウール、よこ糸に和紙を用いることで、軽くて、接触冷感や通気性、透湿性を兼ね備え、夏でも快適に着用できます。また、上下はセパレートです。

Fig6

   フォーマルスーツ           浴衣

3 甚平(平成29年度開発品)
 たて糸にウール、よこ糸に和紙とキュプラを用い、吸放湿性の高いウールを外側に、吸水性の良い和紙とキュプラを肌に触れる内側に配置した織物を用いています。上衣の両脇から袖下、及びパンツの両脇部分にはテーピースナッパーをつけています。

Fig7

     甚平

【用語説明】
用語説明
※1 VORTEX(ボルテックス) 村田機械株式会社が製作するVORTEX精紡機によって紡績された糸の総称。従来の機械的に撚(よ)りを与える方法とは異なり、空気圧により撚りを与えた糸。糸の中心は繊維が真っ直ぐで撚りが無い状態で、一端が他の繊維に巻き付くように外層を形成している。毛羽が少ない、毛玉の発生を抑える、洗濯に強い、吸水性が良いなどの特徴がある。
※2 ウインドウペン 窓の格子のような細い枠線で四角形を作る格子柄。イギリスの伝統柄のひとつ。
※3 抗ピリング性 織物や編物などの生地表面の毛玉のできにくさのこと。着用中や洗濯の摩擦により、セーターなどにできる毛玉のことをピルといい、毛玉(ピル)の発生した状態のことをピリングという。合成繊維ではウールや綿などの天然繊維より繊維の強度が強いため、生地表面の毛羽が絡み合い、毛玉になり易い。