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「知の拠点あいち重点研究プロジェクト(II期)」ドローン投下型センサーボールシステムを開発しました!~災害時など立ち入りが困難な場所での迅速な状況把握に活用できます~

 愛知県では、大学等の研究シーズを活用して県内主要産業が有する課題を解決し、新技術の開発・実用化や新産業の創出を目指す産学行政連携の研究開発プロジェクト「知の拠点あいち重点研究プロジェクト※1(II期)」を実施しています。
 この度、「次世代ロボット社会形成技術開発プロジェクト※2」の研究テーマである「鳥獣害・災害対応ドローンに関する研究開発※3」において、大同大学の橋口宏衛(はしぐち ひろえ)講師と、株式会社東郷製作所(愛知郡東郷町)等の研究チームは、ドローン投下型センサーボールシステムを開発しました。
 本開発品は、飛行するドローンからカメラとGPSを内蔵したセンサーボールを投下し、投下地点の周囲を撮影・記録するもので、撮影したデータは、Wi-Fiを利用しインターネット経由で送信することが可能です。
 災害発生時など、人命救助には迅速な状況把握が重要となりますが、本開発品を用いることにより、倒壊した建物の内部等、人の立ち入りが困難で危険な場所等において被災状況の迅速な把握が可能となります。
 本研究で開発した技術は、防災分野のみならず、設備保全等の様々な分野における活用が期待できます。
 今後は、市場ニーズを汲み上げて更なる改良を行い、平成31年度中の製品化を目指します。

 

1  開発の背景

 本県は広範囲な海抜ゼロメートル地帯を有し、南海トラフ地震の発生時には、揺れによる被害だけでなく、津波による被害も起きることが想定されています。また、毎年、日本各地で地震や台風による被害が発生しています。大規模災害時には、被災者への救援活動を迅速に行うことが重要です。そのため、被災状況の速やかな情報収集が課題とされています。
 本研究ではこの課題解決のため、最新のドローン技術とインターネット技術を活用し、災害などによって人が立ち入ることができない場所の迅速な状況把握に役立つ、ドローン投下型センサーボールシステムを開発しました。

 

2  開発の概要

(1) 本開発品の構成(図1)

 防災センターからセンサーボールを搭載して飛び立ったドローンは目的地の上空まで飛行し、複数個のセンサーボールを投下(散布)します。投下されたセンサーボールは、倒壊した建物の内部などに入り、周囲の状況を撮影します。撮影した画像とGPS位置情報は、Wi-Fiを用いてデータ中継用ドローン又は地上の中継基地に送信され、インターネット回線を通じて防災センターに送られます。防災センターのシステム上に、センサーボールの位置と撮影した画像が表示されます。

センサーボールシステムの構成

                            図1 本開発品の構成

(2) センサーボールの特徴

 センサーボール(図2)は、直径76mmの透明な球体で、内部には画角180度の魚眼レンズ付きの200万画素カメラとGPSユニット及びWi-Fi通信機能を搭載しています。外側ケースと電子回路基板を含んだ内部ユニットとの間にはベアリングが挿入され、カメラは常に上を向くように回転する構造となっており、常に安定した姿勢で投下地点の様子を撮影することが可能です(図3)。
 また、日没後や瓦礫(がれき)の内部など、暗闇における撮影に対応するため、8個のストロボLEDを有し、周囲360度を照らすことができます。
 投下後は10分間隔で撮影を行い、災害発生時から人命救助を行うまでの限界と言われる72時間以上のバッテリー寿命を目標としています。
 電子回路基板には、撮影した画像などのデータを蓄積するマイクロSDカードを搭載し、中継用ドローンの常時待機が難しい場合など、後でまとめてデータを送信することや、センサーボール回収後に運用の履歴を取り出すことが可能です。

センサーボール

        図2 センサーボール

 

魚眼レンズ撮影例

        図3 魚眼レンズ撮影例

 

3 期待される成果と今後の展開

 本開発品によって、災害発生時、倒壊した建物内部や、人の立ち入りが困難で危険な場所などにおける迅速な被災者探索や状況把握が可能になります。
 今後、実証実験の実施と市場ニーズの把握を引き続き行い、更なる改良を経て、株式会社東郷製作所により、平成31年度中の製品化を目指します。
 また、小型で無線通信が可能な特徴を生かし、社会インフラの保守点検など、様々な分野・産業における活用を推進していきます。

4  社会・県民・県内産業への貢献

 

社会・県民への貢献

災害発生時の迅速な被災者探索など人命救助に活用できます。

県内産業への貢献

防災だけでなく、設備保全など、様々な分野に対する活用が期待でき、本開発品を応用した新規産業の創出が期待できます。

 

5  問い合わせ先

【プロジェクト全体に関すること】

・あいち産業科学技術総合センター 企画連携部

 (1)担当:牧、吉富

 (2)所在地:豊田市八草町秋合1267番1

 (3)電話:0561-76-8306

 (4)FAX:0561−76−8309

・公益財団法人科学技術交流財団

 (1)担当:松村、冨田、古田

 (2)所在地:豊田市八草町秋合1267番1

 (3)電話:0561-76-8360

 (4)FAX:0561−21−1653

 

【本開発の技術内容に関すること】

(システム構築、ドローン制御プログラム開発)

・大同大学工学部機械システム工学科

 (1)担当:講師 橋口 宏衛(はしぐち ひろえ)

 (2)所在地:名古屋市南区滝春町10番地3

 (3)電話:052-612-6111

 (4)FAX:052-612-5623

 (5)E-mail:hhashi@daido-it.ac.jp

(装置全般)

・株式会社 東郷製作所

 (1)担当:開発室 室長 大井 茂雄(おおい しげお)

 (2)所在地:愛知郡東郷町大字春木字蛭池1番地

 (3)電話:0561-38-5469

 (4)FAX:0561-38-5556

 (5)E-mail:t820403@togoh.co.jp

 

 

【用語説明】

※1 知の拠点あいち重点研究プロジェクト

  高付加価値のモノづくりを支援する研究開発拠点「知の拠点あいち」を中核に実施している産学行政の共同研究開発プロジェクト。平成28年度からは「重点研究プロジェクト(II期)」を実施している。

   「重点研究プロジェクト(II期)」の概要

目的

大学等の研究シーズを活用して県内主要産業が有する課題を解決し、新技術の開発・実用化や新産業の創出を促進する。プロジェクト終了時には、県内企業において、成果の実用化や製品化、社会での活用を見込むことができる研究開発を実施する。

実施期間

平成28年度から平成30年度まで

参画機関

17大学11公的研究機関等99企業(うち中小企業73社)

(平成31年2月現在)

プロジェクト名

次世代ロボット社会形成技術開発プロジェクト※2

・近未来水素エネルギー社会形成技術開発プロジェクト

・モノづくりを支える先進材料・加工技術開発プロジェクト

 

※2 次世代ロボット社会形成技術開発プロジェクト

 

概要

モノづくりやサービス分野等における、新たなロボットの利用技術開発、実証実験を行うとともに、情報通信技術等を活用した自動車安全技術の研究開発を実施することにより、次世代ロボット社会形成に資する技術開発を推進する。

研究テーマ

(1)高齢者が安心快適に生活できるロボティックスマートホーム

(2)介護医療コンシェルジュロボットの研究開発

(3)航空エンジン製造自動化システムに関する研究開発

(4)施設園芸作物の収穫作業支援ロボットの研究開発

(5)鳥獣害・災害対応ドローンに関する研究開発※3

(6)愛知次世代ロボットの産業化・市場創出を推進する要素技術開発

(7)ロボット実用化のためのリスクアセスメント支援システム構築

(8)眼球運動を指標としたドライバ状態検知技術の実用化

(9)交通事故低減のための安心安全管理技術の開発

参画機関

10大学8公的研究機関等38企業(うち中小企業24社)

(平成31年2月現在)

 

※3 鳥獣害・災害対応ドローンに関する研究開発

 

研究リーダー

大同大学工学部 講師 橋口 宏衛(はしぐち ひろえ) 氏

事業化リーダー

株式会社プロドローン 加藤 喜彦(かとう よしひこ) 氏

内容

ドローン技術を活用して地域の課題解決に寄与する

(1)地震直後に離陸する長時間監視ドローンシステム

(2)浸水状況把握のための広域高速ドローンシステム

(3)ICT罠とドローンで無線ネットワークを構成する監視システム

(4)ドローン投下型センサーボール

参加機関

〔企業〕

株式会社プロドローン、株式会社東郷製作所、アイサンテクノロジー株式会社

〔大学〕

大同大学、中部大学

〔公的研究機関〕

名古屋市消防局、あいち産業科学技術総合センター