ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 組織でさがす > あいち産業科学技術総合センター > 「知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期」 複数ロボットの制御を行うロボットプラットフォーム「RaaS(ラーズ)」を開発しました ~豊田スタジアムの5G環境を活用した公開実験を行います~  

「知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期」 複数ロボットの制御を行うロボットプラットフォーム「RaaS(ラーズ)」を開発しました ~豊田スタジアムの5G環境を活用した公開実験を行います~  

  愛知県と公益財団法人科学技術交流財団では、大学等の研究シーズを活用して県内主要産業が有する課題を解決し、新技術の開発・実用化や新産業の創出を目指す産学行政連携の研究開発プロジェクト「知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期※1」を2019年度から実施しています。
 この度、「先進的AI・IoT・ビッグデータ活用技術開発プロジェクト※2」の「5G/AIを活用したロボットプラットフォームとロボットサービスの研究開発※3」において、OnClouds(オンクラウズ)株式会社、新明(しんめい)工業株式会社及び名古屋大学の研究グループは、配送ロボット、案内ロボット、除菌ロボットなど複数の自律移動ロボットの制御を行うロボットプラットフォーム「Robot as a Service(RaaS(ラーズ))」を開発しました。
 今後は開発した「RaaS」の製品化を目指して実証実験を行っていきますが、それに先立ち、5月14日(金曜日)に豊田スタジアム(豊田市)において報道機関を対象とした公開実験を実施しますのでお知らせします。

title
                                  豊田スタジアムでの予備実験の様子

1 開発の背景

 近年、複数のロボットを用いたサービスが注目されていますが、「メーカーが異なるとロボット同士で連携できない」、「ロボットごとに指示方法が異なる」などの問題のため、複数のロボットを同時に使用することは困難でした。
 この問題を解決するため本研究チームでは、複数のロボットを組み合わせ、多様なサービスを提供できるソフトウェア技術の開発を進め、ロボットプラットフォーム「Robot as a Service(RaaS)」を開発しました。

2 開発の概要

(1) 本ロボットプラットフォーム「RaaS」の特徴
 空港、サッカー会場などで移動ロボットを使用し清掃、配送などのサービスを行うために、これまでは、ロボットごとにそれぞれ専用の「遠隔管理システム」を用いて地図データ送信や行き先指示、動作状況モニタリングなどを管理していました。それに対して、開発した「RaaS」を使用すると、メーカーの異なるロボットが混在していても、共通の操作によりデータ送信・動作指示・モニタリングなどを行うことができます図1)。さらにロボットだけではなくAI家電、クルマなど日常にあるモノを含めて様々なサービスを提供するためにも「RaaS」を使用できます。

fig1
                               図1 ロボットプラットフォーム「RaaS」の特徴

(2) 「RaaS」が提供する機能
 RaaSは自律移動型ロボットを利用した配送などのサービスに使うことを想定しています。RaaSの主な機能は5G通信、高精度な地図生成と位置推定、最適経路生成です()。RaaSと通信するロボットにはカメラと距離測定センサー(LiDAR(ライダー))が搭載されているため、ロボット自身が移動しながら壁や障害物までの距離を測ることができます。このように5G通信を活用して多数のロボットから画像データ及び距離データを集めることでビッグデータを生成し、高精度な地図作成やロボットの現在位置を正確に推定できるようになりました(図2)。また、画像データから歩行者の流れる方向を統計的に求めることにより、人にぶつかりにくく最適なロボット移動経路を生成することに成功しました。

表 RaaSの主な構成要素
5G通信機能RaaSとロボットとの通信、RaaSとビッグデータ処理(クラウド)との通信
高精度地図作成と位置推定センサー(LiDARとカメラ)により収集されたビッグデータから、地図を自動生成
最適経路生成歩行者の流れを考慮し安全で最適なロボット移動経路を算出

 

fig2
                            図2 高精度な地図生成と現在位置の推定

3 公開実験のスケジュール等

(1) 実施日時
  2021年5月14日(金曜日)午後1時から午後2時15分まで
  ※ 一般の方の見学はできません。
(2) 場所
  豊田スタジアム(豊田市千石町7丁目2番地)
  1階バックスタンド コンコース(14エリア~17エリア)(図3
(3) 実施内容
  配送、除菌、警備を想定した計3台のロボットが、5Gによるデータ通信及びRaaSの制御に基づいて、互いに干渉せず往来する状況を確認します。
(4) 当日のスケジュール
  午後0時45分~ 報道関係者受付(14エリア売店スペース)
  午後1時~ 実験の概要説明(14エリア売店スペース)
  午後1時15分~ 実験開始(コンコース14エリア~17エリア)
  午後1時45分~ 質疑応答(14エリア売店スペース)
  午後2時15分  終了

parking
                              駐車場:東駐車場をご利用ください。
backstand
                           1階バックスタンドのコンコース詳細と当日の配置
                                図3 豊田スタジアムの詳細

4 期待される成果と今後の展開

 「RaaS」により、複数の自律移動ロボットを同時に組み合わせて使用できるようになり、今後は県内のスポーツ会場、病院など各種施設における配送、案内、除菌、監視などを補完する新しいロボットサービスの提供、充実が期待できます。
 今回の豊田スタジアムでの実証実験の後、さらにロボット台数を増やし、「知の拠点あいち」等での6台のロボットを組み合わせた実証実験を経て、プロジェクト終了後にはOnClouds株式会社と新明工業株式会社がRaaSを製品化する予定です。

 

5 社会・県内産業・県民への貢献

 
 
社会への貢献多様なロボットサービスの充実による安心安全な社会の構築
県内産業への貢献物流業界等における人手不足への対処、新型感染症対策等の新しい社会ニーズへ迅速に対応できるロボットサービスの創出
県民への貢献快適で便利な日常生活の実現

 

6 問合せ先

【プロジェクト全体に関することの問合せ先】
 ・あいち産業科学技術総合センター 企画連携部
   (1) 担当:福田、半谷、門川
   (2) 所在地:豊田市八草町秋合1267番1
   (3) 電話:0561-76-8306
 ・公益財団法人科学技術交流財団 知の拠点重点研究プロジェクト統括部
   (1) 担当:佐野、安藤、田草川
   (2) 所在地:豊田市八草町秋合1267番1
   (3) 電話:0561-76-8370
【本開発内容に関する問合せ先】
 (RaaS関連)
  ・OnClouds株式会社
   (1) 担当:代表取締役 清水 政行(しみずまさゆき)
   (2) 所在地:名古屋市中村区名駅1-1-3 JRゲートタワー27階
           名古屋大学オープンイノベーション拠点(OICX)
   (3) 電話:090-4010-7299
 (ロボット製品関連)
  ・新明工業株式会社
   (1) 担当:テクニカル本部 副本部長 城山 吉隆(しろやまよしたか)
   (2) 所在地:豊田市長興寺8丁目20番地
   (3) 電話:0565-36-2538

 

用語説明

※1 知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期
 付加価値の高いモノづくり技術の研究開発拠点「知の拠点あいち」を中核に実施している産学行政の共同研究開発プロジェクト。2011年度から2015年度までは「重点研究プロジェクトI期」、2016年度から2018年度までは「重点研究プロジェクトII期」を実施した。2019年度からは「重点研究プロジェクトIII期」を実施。

 

 「重点プロジェクトIII期」の概要
実施期間2019年度から2021年度まで
参画機関18大学 12研究開発機関等 106社(うち中小企業67社)(2021年4月末時点)
プロジェクト名

・近未来自動車技術開発プロジェクト(プロジェクトV)

・先進的AI・IoT・ビッグデータ活用技術開発プロジェクト(プロジェクトI)

・革新的モノづくり技術開発プロジェクト(プロジェクトM)

 

※2 先進的AI・IoT・ビッグデータ活用技術開発プロジェクト(通称:プロジェクトI)
 
概要モノづくり現場の設計・生産・検査から、農業・健康長寿までの幅広い分野において、AI・IoT・ビッグデータの活用を推進するとともに、ロボット高度化やエネルギー最適配分のための水素蓄電の技術開発に取り組む。
研究テーマ

1 大規模材料データ及びCAEによる自動車向け設計生産技術

2 2次電池の材料開発/寿命評価用データベース構築とAI/IoT応用

3 5G/AIを活用したロボットプラットフォームとロボットサービスの研究開発

4 分野適応技術による自然言語処理技術のビジネス展開

5 中小工場を再エネ化する水素蓄電・ネットワーク対応AIエンジン

6 直流スマートファクトリー実現に向けた変換装置の開発

7 農業ビッグデータ活用によるロボティックグリーンハウスの実現

8 幸福長寿な暮らしをかなえる自然に活動的となる住まいの研究開発

  9 AIを用いた粉体原料の物性に関する予測システムの構築
参画機関11大学 10研究開発機関等 37社(うち中小企業23社)(2021年4月末時点)

 

※3 5G/AIを活用したロボットプラットフォームとロボットサービスの研究開発
 
研究リーダーOnClouds株式会社 代表取締役 清水 政行 (しみずまさゆき) 氏
事業化リーダー新明工業株式会社 城山 吉隆 (しろやまよしたか) 氏
内容自律移動型のロボットをターゲットとしたプラットフォームを研究開発する。プラットフォームは、ユーザーに抽象的なコマンドでロボットを動かすことができるインターフェースを提供し、ロボットには自律移動に必要な情報を高精度で提供できるようにする。5G通信を活用し多数のロボットから情報を集め高精度な地図を生成、クラウドを活用した高精度な位置の推定、リアルタイムな情報から安全で安心な目的地までの自動経路生成を研究開発する。
参加機関

〔企業〕

 OnClouds株式会社、新明工業株式会社、有限会社来栖川 (くるすがわ) 電算

〔大学〕

 名古屋大学

〔公的研究機関〕

   公益財団法人科学技術交流財団、あいち産業科学技術総合センター