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「知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期」自動運転モビリティによるサービスの実証実験を行います!~一般の方向けの自動運転試乗会を実施します~

ページID:0371638 掲載日:2021年10月29日更新 印刷ページ表示

 愛知県と公益財団法人科学技術交流財団では、産学行政連携の研究開発プロジェクト「知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期※1」を2019年度から実施しています。

 本プロジェクトのうち、「近未来自動車技術開発プロジェクト※2」の「日本初の自動運転モビリティによるサービス実用化に向けた技術研究開発※3」では、名古屋大学、アイサンテクノロジー株式会社、株式会社ティアフォー、KDDI株式会社、損害保険ジャパン株式会社、岡谷鋼機株式会社、株式会社建設技術研究所の研究グループが、先進的自動運転技術を基盤とする事業化レベルのMaaS(マース)※4全体システムの構築と、必要となる要素技術の実用レベルへの機能向上、及び信頼性向上を目指し研究開発を行っています。

  今年度は、プロジェクトの最終年度であり、愛・地球博記念公園(モリコロパーク)(長久手市)において、各開発ターゲットの研究成果を集約した総合フィールド試験を実施しています。

 この度、一般の方向けの試乗会を11月25日から27日まで実施します。試乗会ではプロジェクトの達成状況を確認するとともに、一般の方に評価していただき、研究開発の今後の指針とします。皆様の御参加をお待ちしています。

走行車両(マイリー)

     走行車両(マイリー)

1 開発の背景

 一般道におけるLevel4自動運転※5サービスの実現には、自動運転システム・車両技術開発だけではなく、MaaS技術、安全運行技術、VtoX(ブイトゥーエックス)のコネクティッド技術※6など複数の技術の横断的開発と統合化が必要となります。そこで、本プロジェクトではこれらの技術の開発・統合化に取り組み、本年10月からモリコロパークで実証実験を行っています。

2 開発の概要

  本プロジェクトの代表的な成果は、以下のとおりです。

(1)自動運転車両の利便性を高めるMaaSシステム開発(運行管理技術開発、利用者向けアプリケーション開発)

 リアルタイム車両モニタリング、利用者の要望等に基づく配車スケジュール管理、走行履歴やエラーログの確認ができるシステム(フリートマネジメントシステム:FMS)を開発しました。これにより、遠隔地からの運行状態の可視化、巡回等のダイヤなどのスケジュールのきめ細やかな運行管理が可能となりました(図1)。

FMSコンソール配車管理画面   

図1 FMSコンソール 配車管理画面  

 また、オペレータを介さずに利用者を目的地まで送迎可能な、無人サービスオペレーションを実現するためのアプリケーションや、利用者が乗車時に体験できるVRライドシステムとコンテンツを開発しました。これにより利用者が気軽に自動運転サービスを利用可能となります。

 

(2)自動運転サービスの安全・安心な運用(遠隔監視技術の高度化、安心見守り・緊急時サポート技術の開発) 

 遠隔地自動運転車に対する緊急時対応及びサポート手順を確立し、対応のための専用アプリケーションを開発しました。これにより、緊急連絡を受けてから手配するまでの時間を10分以内とする見通しが得られました(図2)。

遠隔監視緊急対応イメージ

               図2 遠隔監視・緊急対応イメージ   

 

(3)ダイナミックマップ※7連携技術開発

 自動運転車に目的地までの経路上の走行障害を事前に通知し、経路変更を実施するなどの安全走行を行うために、自動運転ソフトウェア「Autoware(オートウェア)※8」が参照するダイナミックマップに自動走行の安全性を高めるためのインフラ情報(路面冠水、路面損傷、落下物)を付加することを可能としました(図3)。

 

(4)地図自動更新・配信技術開発

 インフラ情報の配信システム実用化に向けて、ダイナミックマップ配信システムを開発し、情報の精度を低下させることなく、最低限の情報量で、短時間で配信することを可能としました。また、配信する地図の大きさ、地図の更新方法を最適化しました(図3)。

ダイナミックマップ連携システム

                図3 ダイナミックマップ連携システム

 

3 総合フィールド試験の概要

 本プロジェクトの成果の総合的な評価を目的として、2021年10月から11月までの約1か月間、モリコロパークにて総合フィールド試験を実施しています。

【総合フィールド試験の内容】

実証場所

モリコロパーク(長久手市茨ケ廻間乙1533-1)

実施ルート

公園内道路(歩行者・巡回バスと共存)

期間

2021年10月から11月まで

道路種別

閉鎖空間(非公道)

使用車両

ゴルフカート型車両(園内道路) 3台

評価項目

運行管理技術、VR体験アプリ、安心見守り・緊急時サポート技術、

障害物検出技術、地図自動更新技術

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【一般公募試乗について(事前予約制)】

 本プロジェクトの成果を、乗り心地や安心感などを含めて体験していただくことを目的として、一般の方向けの試乗会を開催します。

(1)日時

 2021年11月25日(木曜日)から11月27日(土曜日)まで

 午前10時から午後4時まで (雨天中止。中止の場合は参加者にメールにて御連絡します。)

(2)場所

 愛・地球博記念公園(モリコロパーク) 長久手市茨ケ廻間乙1533-1

 ※当日はモリコロパーク内の「愛知県児童総合センター」の建物横付近にお越しください。

(3)実施内容

 ゴルフカートをベースにした車両3台で、公園内を時速10km以下の速度で走行します(図4)。また、自動運転走行をしながらVR体験もできます(機材に限りがあるため体験できる車種に限りがあります)。なお、走行時には安全のため保安要員が同乗しますので御了承ください。

走行ルート

                 図4 走行ルート

 

【車両の概要】

車両名称

マイリー(1台)

ゴルフカート(2台)

仕様

[車体寸法]全長:3209mm、

全幅:1488mm、全高:1944mm

[車体寸法]全長:3120mm、

全幅:1330mm、全高:2240mm

[基本情報]電気自動車

[最高速度]19km/h

[定員]4名(試乗時は操作者:1名、記録者:1名、試乗者:最大2名)

[位置把握]高精度3次元地図による自己位置推定

安全性

・走行ルート上に障害物を検知した場合は、自動で緊急停止

・常に操作者が監視し、危険を察知すれば操作者が対応し、走行を続行

外観

マイリー

ゴルフカート

 

(4)対象

 自動運転車両の試乗評価アンケートに御協力いただける、身長140cm以上(安全のため座席に座って床に足がつく)の方。

(5)定員

 各日60名(申込先着順)

(6)参加費

 無料

(7)予約方法

専用の予約システムより御予約ください。定員に達した場合は、システム上でお知らせします。 https://viewer.kintoneapp.com/public/9f2f617b8f3e1e39115b57b88902e57503e4f7cce397a0d62729a94c00f4f814#/

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【実施体制】

参画機関

主な役割

アイサンテクノロジー株式会社

(名古屋市中区)

総合フィールド試験の管理・運営、オペレータ

試乗会の管理・運営

地図自動更新技術の開発、サポート

株式会社ティアフォー

(名古屋市中村区)

自動運転技術と自動運転車両の開発、提供

運行管理システムの開発、サポート

損害保険ジャパン株式会社

(東京都新宿区)

見守り・緊急時サポート技術の開発

株式会社建設技術研究所

(東京都中央区)

ダイナミックマップ連携試験の開発、サポート

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学

(名古屋市千種区)

インフラ協調技術による自動運転システムLevel4高度化技術の開発、サポート

KDDI株式会社

(東京都千代田区)

ダイナミックマップ連携での通信技術開発、サポート

岡谷鋼機株式会社

(名古屋市中区)

自動運転車両の管理、サポート

※詳細はちらし [PDFファイル/513KB]を御覧ください。

 

4  期待される成果と今後の展開 

 先進的自動運転技術を軸にMaaSと全体システムの構築を推進することにより、Level4自動運転サービスの実現につながることが期待できます。

 今後は、実用化レベルに達している技術について、2023年以降に製品化を進めていくとともに、MaaSサービス企業や自動車メーカーとの協業を視野に、全国の交通事業者への実用化展開を行う予定です。  

5  社会・県内産業・県民への貢献

社会への貢献

MaaSの事業化モデル確立による自動運転モビリティサービスの実用化の促進

県内産業への貢献

自動運転ソフトウェア(Autoware)の普及、ダイナミックマップのデファクト化、安心見守/緊急時のサービス事業などの確立を通じて愛知県の自動車関連産業の技術力向上に貢献

県民への貢献

次世代交通手段の早期達成が可能となり、県民の生活クオリティ向上に貢献

6  問合せ先

【プロジェクト全体に関すること】

・あいち産業科学技術総合センター 企画連携部

(1)担 当:門川、福田、加藤

(2)所在地:豊田市八草町秋合1267番1

(3)電話:0561-76-8306

(4)FAX:0561−76−8309

 

・公益財団法人科学技術交流財団 知の拠点重点研究プロジェクト統括部

(1)担 当:松村、青井、金田

(2)所在地:豊田市八草町秋合1267番1

(3)電話:0561-76-8360

(4)FAX:0561-21-1653

 

【本開発内容に関すること】

(技術関連)

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学

(1)担 当:未来社会創造機構 モビリティ社会研究所 

        特任教授 二宮 芳樹(にのみや よしき) 

(2)所在地:名古屋市千種区不老町

(3)電話:052-789-4841

 

(製品・実証試験関連)

アイサンテクノロジー株式会社

(1)担 当:モビリティ事業本部

(2)所在地:名古屋市中区錦三丁目7番14号

(3)電話:052-950-7500

 

【用語説明】

※1 知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期

  付加価値の高いモノづくりを支援する研究開発拠点「知の拠点あいち」を中核に大学等の研究シーズを活用したオープンイノベーションにより、県内主要産業が有する課題を解決し、新技術の開発・実用化や新たなサービスの提供を目指す産学行政の共同研究開発プロジェクト。2011年度から2015年度まで「重点研究プロジェクトI期」、2016年度から2018年度まで「重点研究プロジェクトII期」を実施し、2019年度からは「重点研究プロジェクトIII期」を実施。

「重点研究プロジェクトIII期」の概要

実施期間

2019年度から2021年度まで

参画機関

19大学 12研究開発機関等  106社(うち中小企業67社)

(2021年9月末時点)

プロジェクト名

・近未来自動車技術開発プロジェクト(プロジェクトV)

・先進的AI・IoT・ビッグデータ活用技術開発プロジェクト(プロジェクトI)

・革新的モノづくり技術開発プロジェクト(プロジェクトM)

 

※2 近未来自動車技術開発プロジェクト(プロジェクトV)

概要

自動車の電動化、情報化、知能化及びMaaSといった100年に1度の大変革期に対応するため、高性能なインバータやモータ等の開発を進めるとともに、自動運転の実現と先進プローブデータを活用した交通安全に貢献する技術開発に取組むプロジェクト。

分野テーマ・研究テーマ

(1)航空機電動化に向けた高電力密度インバータ設計手法の確立と実証

(2)高性能モータコア・変速ギア製造のための革新的生産技術開発

(3)GaNパワーデバイスの高性能化と高機能電源回路の開発

(4)小型ビークルのためのワイヤレス電力伝送システム

(5)熱/電気バッテリーで構築するエネルギーマネジメント技術

(6)ヒトに優しい遠隔運転要素技術の開発とシステム化

(7)日本初の自動運転モビリティによるサービス実用化に向けた技術研究開発

(8)先進プローブデータ活用型交通安全管理システムの開発

参画機関

8大学4研究開発機関等37企業(うち中小企業20社)   

(2021年9月末時点)

 

※3 日本初の自動運転モビリティによるサービス実用化に向けた技術研究開発

研究リーダー

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学 未来社会創造機構

モビリティ社会研究所 特任教授 二宮 芳樹

事業化リーダー

アイサンテクノロジー株式会社 取締役本部長 佐藤 直人(さとう なおと)

内容

 

一般道におけるLevel4自動運転サービスを実現させるために、4GLTEなどの高速通信技術、VtoXのコネクティッド技術、遠隔監視・緊急操作等の見守りサービス技術、運行管理技術、ダイナミックマップ技術などの確立を目標とする

参加機関

〔企業〕

アイサンテクノロジー株式会社、株式会社ティアフォー、KDDI株式会社、損害保険ジャパン株式会社、株式会社建設技術研究所、岡谷鋼機株式会社

〔大学〕

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学

〔公的研究機関〕

公益財団法人科学技術交流財団、あいち産業科学技術総合センター

 

※4 MaaS

 Mobility as a Serviceの略。情報通信技術を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を一つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念。例えば、利用者はスマートフォーンのアプリを用いて、交通手段やルートの検索、運賃等の決済を行うことができる。

※5 Level4自動運転

 特定の条件下(限定領域内)において、システムが全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への応答を持続的に実施すること。例えば、高速道路など特定の条件下においてシステムが全ての運転タスクを実施すること。自動運転Level4は「高度な自動運転」と呼ばれる。

 

※6 VtoXのコネクティッド技術

 自動車で情報をやりとりする技術やシステムの総称。IoTの一形態であり、自動車間で通信を行うVtoV (vehicle to vehicle)、自動車と路上設備で通信を行うVtoI (vehicle to infrastructure)などがある。

 IoT:Internet of Thingsの略。家電製品、電子機器、住宅など様々なモノが、ネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換をすること。

 

※7 ダイナミックマップ

 交通規制・工事、事故・渋滞、歩行者・信号などの刻々と変わる情報(動的情報)と、路面情報・車線情報・建物などの3次元位置情報(静的情報)を組み合わせたデジタル地図のこと。また、これらの情報を本プロジェクトではインフラ情報と呼ぶ。

 

※8 Autoware

 名古屋大学で開発された自動運転システム用OS。LinuxとROSをベースとした世界初のオープンソースのソフトウェア。「Autoware」はThe Autoware Foundationの登録商標。  

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