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“自分で着てレストランへ”夢を叶える服をお披露目します~福祉向け衣料を共同開発しました~

 あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター(以下、尾張繊維技術センター)と公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター(以下、FDC)は、愛知県立一宮特別支援学校(以下、一宮特別支援学校)及び地元繊維製品製造企業と共同して、2008年度から毎年、一宮特別支援学校の児童生徒を対象とした福祉向け衣料開発「夢を叶える服づくり」に取り組んでいます。
 今年度は、高等部1年の女子生徒から提案された“自分で服を着てレストランに行きたい”という夢を叶えるため、車椅子生活をする人が一人で着ることができるレディース用ブラウスとパンツを開発しました。
 2020年2月3日(月曜日)に、愛知県立一宮特別支援学校において、開発品を関係者に紹介するお披露目式を開催します。

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     開発したブラウスとパンツ

1 お披露目式の概要

(1)日 時
  2020年2月3日(月曜日) 午後3時30分から午後4時30分まで
   (気象警報等の発表に伴い、一宮特別支援学校が休校となることがあります。その場合の対応は、当日、一宮特別支援学校(0586-51-2221)へお問い合わせください。)

(2)場 所
  愛知県立一宮特別支援学校
   (所在地:一宮市杉山字氏神廻1 電話:0586-51-2221)

(3)次 第
  ア 開会
  イ 校長挨拶(一宮特別支援学校 浅井 亙 (あさい とおる))
  ウ 開発者代表挨拶 (開発機関・企業の各代表者)
  エ 開発者から生徒に開発したブラウスとパンツを手渡し
  オ 生徒のことば
  カ 試着・記念撮影

2 開発内容

 自分で容易に着脱でき、ちょっとかしこまったレストランでも気後れしないエレガントさを兼ね備えたオールシーズン対応のレディース用ブラウスとパンツを開発しました。フォーマルな場面でも使えるシンプルですっきりとしたデザインになっています。

(1)ブラウス
 綿100%のSUPER ZERO®※1という糸を使用することで吸水速乾性や保温性、軽量感、風合い※2に優れた織物に仕上がり、加えて抗菌防臭性や防汚性を付与しました。
 防汚加工はスプレー式で、従来の浸漬式とは異なり、生地本来の風合いを損なうことなく水や薬剤、エネルギーの使用量を削減できる環境に優しい加工方法です。また、縫製において、脇下にファスナーをつけ袖ぐり※3を広くして(図1)、マグネット式のボタン(図2)を使用することで、着替えやすく、着心地のよい構造となりました。

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   図1 脇下のファスナー、袖ぐり                        図2 マグネット式ボタン

(2)パンツ
 ウール100%のSUPER ZERO®を使用した経二重織物(たてにじゅうおりもの)で、足がすらっと見えるデザインに仕立てたパンツです。
 自分で着脱しやすいように、ウエストの内側にループをつけたり(図3)、裾にファスナーをつける(図4)など、様々な工夫を凝らしました。

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     図3 ウエスト内側のループ                       図4 パンツ裾のファスナー

3 開発体制

 今年度は以下の体制で開発を分担しました。

 
工程担当
企画・生地 尾張繊維技術センター(一宮市)
企画・調整 FDC(一宮市)
ニーズ抽出・評価 一宮特別支援学校(一宮市)
企画・デザイン ササキセルム株式会社(一宮市)
糸、加工 浅野撚糸(ねんし)株式会社(岐阜県安八郡安八町)
生地、加工 津島毛織工業協同組合(津島市)
 株式会社SKデザイン(愛西市)
 株式会社ソトー(一宮市)
 日本化繊(かせん)株式会社(一宮市)
パターンメイキング・縫製 株式会社ナイガイ(一宮市)

4 問合せ先

 あいち産業科学技術総合センター 尾張繊維技術センター
 素材開発室(担当 村井、田中、石川(敬))
 所在地  一宮市大和町馬引字宮浦35
 電話  0586-45-7871    FAX  0586-45-0509
 

【参考】

〇取組の経緯
 車椅子で生活する子供たちは、市販の衣服では動作や着替えが困難であることが多く、望む衣服を着られず不便な思いをしています。
 そこで、尾張繊維技術センター始め尾州地域の繊維産業関係者が協力して、2008年度から、子供たちの希望をもとに、身体の動きに合わせた衣服のデザインや素材の検討を行って保温性やストレッチ性など機能性に優れた生地を開発するとともに、着やすい・着せやすい工夫や、車椅子に座った状態でもシルエットが美しくなる工夫を重ねることで、子供たちの希望を叶える福祉向け衣料の製作を行ってきました。
 開発した服は児童生徒に試着してもらい、着用感を評価してもらうことで、より着やすい、着心地のよい服づくりにつなげています。

〇これまでの開発品
1 フォーマルスーツ・浴衣(2016年度開発品)
 フォーマルスーツは、抗菌・防臭加工やナチュラルストレッチを備えたウール100%の織物を使用しています。パンツ後身頃には伸縮性の高いニット生地を用い、脇及び背中部分にファスナーをつけています。
 浴衣は、たて糸にウール、よこ糸に和紙を用いることで、軽くて、接触冷感や通気性、透湿性を兼ね備え、夏でも快適に着用できます。また、上下はセパレートです。

Fig6

  フォーマルスーツ              浴衣 


2 甚平(2017年度開発品)
 たて糸にウール、よこ糸に和紙とキュプラを用い、吸放湿性の高いウールを外側に、吸水性の良い和紙とキュプラを肌に触れる内側に配置した織物を用いています。上衣の両脇から袖下、及びパンツの両脇部分にはテーピースナッパーをつけています。

Fig7

        甚平     

3 メンズ3ピーススーツ(2018年度開発品)
 たて糸にウール、よこ糸にVORTEX®(レーヨン90%、ウール10%)を使い、抗菌防臭性や防汚性、ストレッチ性を付与した織物を用いています。袖口や背中にファスナーをつけ、マグネット式のボタンを使用しています。
 VORTEX®(ボルテックス)は、村田機械株式会社が製作するVORTEX 精紡機によって紡績された糸の総称で、毛羽が少ない、毛玉の発生を抑える、洗濯に強い、吸水性が良いなどの特徴があります。

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    メンズ3ピーススーツ

【用語説明】
用語説明
※1 SUPER ZERO®(スーパーゼロ) 浅野撚糸株式会社が製作する水溶性ビニロン糸と紡績糸を撚糸することにより得られる糸の総称。元の紡績糸の撚り方向と逆方向に水溶性ビニロン糸を撚り、製織後に水溶性ビニロン糸を溶かすことで残った紡績糸が空気を含んで膨らみボリューム感が出る。軽量感があり、かさ高性、保温性が良いなどの特徴がある。また、綿素材のSUPER ZERO®は、高い吸水性、速乾性があり、タオルなどに使用されている。
※2 風合い 織物や編物などの手触りや肌ざわり、着心地など、人がその生地に触れた時に感じる材質感のこと。
※3 袖ぐり 洋服の身頃の袖付けのために腕付根にくり取った部分。アームホール。