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三河繊維技術センターの研究試作品を展示会で紹介します~炭素繊維強化熱可塑(かそ)性樹脂(CFRTP)開発品や野生動物侵入防止用柵に使用される熱融着ネットを展示~

 あいち産業科学技術総合センター三河繊維技術センター(蒲郡市)は、11月20日(金曜日)、21日(土曜日)の2日間、蒲郡商工会議所で開催される三河産地の繊維製品の展示会「テックスビジョン2020ミカワ※1」において、研究試作品を展示・紹介します。
 今回、展示・紹介する試作品は、県内企業等と共同試作した炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)※2開発品や、軽量で、運搬性・設置性を兼ね備えた野生動物侵入防止用柵に使用される熱融着ネット※3などです。これらの研究試作品に興味のある方を始め、多くの方々の御来場をお待ちしています。

表紙

昨年の展示会の様子

1 展示会の概要

(1)名称
   あいち産業科学技術総合センター三河繊維技術センター研究試作展
   (「テックスビジョン2020ミカワ」内)

(2)会期
  2020年11月20日(金曜日)、21日(土曜日) 午前10時から午後4時まで
  ※新型コロナウイルス感染症の影響により、やむを得ず中止・変更する場合があります。

(3)場所
     蒲郡商工会議所 1階コンベンションホール
        蒲郡市港町18番23号 電話:0533-68-7171

(4)入場料
     無料

2 展示品の内容

展示会では、これらを含む各種研究試作品を展示します。

(1)炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)開発品

 「知の拠点あいち重点研究プロジェクト※4(II期)」(2016年度から2018年度まで)で開発したCFRTPパイプ※5自動曲げ加工装置を改良して、精度よく90°曲げたCFRTPパイプを使ったテーブルを試作しました(図1)。
 CFRTPパイプは変形させることが難しく、これまでは30°程度しか曲げられませんでしたが、自動曲げ加工装置の改造と加工条件の改良で、90°曲げることができるようになりました。
 試作したテーブルは、金属製テーブルと比較し、圧倒的に軽量であることが特長です。
 なお、本試作品は、「知の拠点あいち重点研究プロジェクト(II期)」において、「モノづくりを支える先進材料・加工技術開発プロジェクト※6」のうちの研究テーマ「自動車軽量化のための熱可塑性炭素繊維強化樹脂の加工技術開発」の研究成果の一部を発展させて試作したものです。

テーブル基

図1 90°曲げたCFRTPパイプを使用したテーブル

(2)野生動物侵入防止用柵に使用される熱融着ネット

 熱融着ネット(図2)を使用した野生動物侵入防止用柵を試作しました。
 熱融着ネットで囲った中にイノシシを放したところ、イノシシがぶつかっても噛みついても、ネットは、破れることなく大丈夫な強度を持っていることが実証されました(図3)。
 また、試作品は、金網を使用した柵と比較して軽量で、優れた運搬性・設置性を兼ね備えているため、中山間地域※7にも設置しやすく(図4)、これが実用化され普及することで、獣類による農作物被害の低減に貢献すると考えられます。
 なお、本試作品についての研究開発及び性能試験は、愛知県農業総合試験場、あいち産業科学技術総合センター三河繊維技術センター及び県内企業と、共同研究として実施したものです。
 本展示会では、野生動物侵入防止用柵に使用されている熱融着ネットのみを展示します。

ネット

図2 試作した熱融着ネット

イノシシ

図3 ネットに噛みつくイノシシ

ネット設置

図4 ネット設置風景

(3)未利用資源である花びらを用いた天然染色織物

 廃棄される花びらから抽出した天然色材を用いて染色した絹織物を試作しました(図5)。
 球根を栽培している知多地域の農家では、球根を育てる過程で咲いた花の部分は刈り取って畑に放置しています。本試作品はこの花びらを色材として利用し、有効利用を図ったものです。使用した花びらは、ラナンキュラス※8から刈り取ったもので、染色した織物の色調は落ち着いた黄色~赤色となりました。
 なお、本試作品に用いた花びらは、県知多農林水産事務所農業改良普及課の協力を得て入手したものです。

花図5

図5 花びらを用いた天然染色絹織物

(4)インテリア織物

 蒲郡競艇場のボートレースと三河縞※9をモチーフとしたインテリア織物を試作しました(図6)。

インテリア織物

図6 ボートレースをモチーフとしたジャカード織物※10

 

3 問合せ先

あいち産業科学技術総合センター
三河繊維技術センター(担当:茶谷、浅野、田中)
〒443-0013  蒲郡市大塚町伊賀久保109
電話:0533-59-7146  FAX:0533-59-7176
URL :http://www.aichi-inst.jp/mikawa/

【用語解説】

※1 テックスビジョン2020ミカワ
 今年で66回目の開催実績を誇る三河産地の繊維総合展示会。開発製品の展示や三河産地の活性化を図るための講演会の実施などを通じて、三河産地のPRを図っている。
主催:テックスビジョンミカワ開催委員会
    (蒲郡市、蒲郡商工会議所、三河繊維産元協同組合など6団体)
後援:愛知県、日本紡績協会、日本化学繊維協会など

※2 炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP:Carbon Fiber Reinforced Thermo-Plastics)
 炭素繊維強化樹脂(CFRP)のうち、炭素繊維を包む母材となる樹脂に熱可塑性樹脂(加熱すると溶けて、冷却すると固まる樹脂)を使った材料。炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)は短時間で低コストな成形技術として注目され、現在、多くの開発が進められている。

※3 熱融着ネット
 融点が異なる芯鞘複合構造マルチフィラメントにより製造されたネット。熱処理加工を行うことにより、融点の低い外側の樹脂だけが溶融、固化して、糸の特性・機能を保ったまま、立体的に成形したり剛性を向上させたりすることができる。

※4 知の拠点あいち重点研究プロジェクト
 高付加価値のモノづくりを支援する研究開発拠点「知の拠点あいち」を中核に実施している産学行政の共同研究プロジェクト。2011年度から2015年度まで「重点研究プロジェクト(I期)」を実施。2016年度から2018年度まで「重点研究プロジェクト(II期)」を実施。

「重点研究プロジェクト(II期)」の概要
目的大学等の研究シーズを活用して県内主要産業が有する課題を解決し、新技術の開発・実用化や新産業の創出を促進する。プロジェクト終了時には、県内企業において、成果の実用化や製品化、社会での活用を見込むことができる研究開発を実施する。
実施機関2016年度から2018年度まで
参画期間17大学11公的研究機関等99企業(うち中小企業73社)(2019年3月時点)
プロジェクト名・次世代ロボット社会形成技術開発プロジェクト
・近未来水素エネルギー社会形成技術開発プロジェクト
・モノづくりを支える先進材料・加工技術開発プロジェクト

※5 CFRTPパイプ
 炭素繊維と熱可塑性樹脂で構成されるパイプ状の材料。

※6 モノづくりを支える先進材料・加工技術開発プロジェクト
 知の拠点あいち重点研究プロジェクト(II期)のうち、新材料開発や地場産業の新展開を支援するとともに、モノづくりを支える先進材料・加工に資する技術開発を推進するプロジェクト。
 本プロジェクトの研究開発成果は、以下のWebページに掲載。
 http://www.chinokyoten.pref.aichi.jp/cooperation/project02-04.html

※7  中山間地域
 平野の外縁部から山間地にかけての地域。

※8  ラナンキュラス
 キンポウゲ科 キンポウゲ属の植物で、春に大輪の花を咲かせる。
 多くの品種があり、幾重にも重なる花びらと豊富な花色が魅力の球根植物である。

※9 三河縞
 愛知県、三河地方で生産される縞柄や格子柄の綿織物。染色した綿糸の配列によって柄模様がつくられる。

※10 ジャカード織物
 ジャカード織機(フランス人発明家のジャカールが考案した織機)を使用して製作された織物のこと。ジャカード織機は、経糸一本一本を独立に自由に上げ下げでき、複雑なデザインや大きな柄を織り上げることができる。