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上絵付けの伝統技法「凸盛(でこも)り」が現代の瀬戸焼に蘇(よみがえ)ります~瀬戸窯業試験場主催の研究会で紹介します~

 あいち産業科学技術総合センター産業技術センター瀬戸窯業試験場(瀬戸市)(以下、「瀬戸窯業試験場」)では、かつて、多く輸出されていた陶磁器製品の一部に施され、豪華で装飾性が高い上絵付けの技法「凸盛り※1」を現代の瀬戸焼に活用するために、2019年度から資材や焼成等の条件やデザインの研究開発を進めてきました。
 この度、凸盛りにより華やかな上絵付けを施した置物を始め、瀬戸焼の特徴を生かしつつ、これまでにない凸盛り製品が完成しましたので、2021年3月18日(木曜日)に瀬戸窯業試験場が開催する「2020年度釉薬(ゆうやく)テストピースの有効活用に関する研究会」において、研究成果を紹介するとともに製品を展示します。
 凸盛りを御活用したい企業の方は是非御参加ください。

ねこ

凸盛りを施したまねき猫置物

1 開発の背景

 上絵付けの中でも、ひときわ豪華で装飾性が高い技法「凸盛り」は、明治から昭和にかけて、名古屋港から盛んに輸出された陶磁器製品の一部に施されました。この技法は職人の熟練と感覚に依存するとともに、詳細については秘匿されてきたため、現存する技術資料が無く、職人の高齢化や廃業が進む中で消え去ってしまう恐れがありました。
 瀬戸窯業試験場では、瀬戸産地において現代の陶磁器製品に凸盛りの装飾性を取り入れるため、国家検定陶磁器製造(絵付け作業)一級技能士であり、凸盛り技法の数少ない継承者である杉山ひとみ氏※2の協力を得て、2019年度から資材、技法、焼成等の適正な条件を明らかにする研究を実施しました。その知見を基に、新たなデザイン開発を進めてきました。
 その結果、瀬戸焼の特徴を生かしつつ、凸盛りの装飾性を付加したこれまでにない製品が完成しました。

2 開発内容

(1)凸盛りの活用による新規瀬戸焼製品

 瀬戸産地のメーカーによる生産を念頭に、2019年度の研究で凸盛りの資材、技法、焼成条件を明らかにしました。2020年度では、瀬戸の伝統釉や下絵付けなどの産地技術に、凸盛り技法を組み合わせ、「瀬戸らしさ」のある新規凸盛り製品として、装身具や、インテリア小物(図1)の製品開発を行いました。
 また、これまでにない新規性を有する試みとして、織部釉※3、ルリ釉※4などの色釉の上に凸盛りを施した装身具(図2)や、凸盛りに蓄光顔料を用いたもの(図3)も試作しました。

2こめこ

図1 まねき猫置物
(左:ガラス盛り※5、右:凸盛り)

ブローチ

図2 ブローチ・帯留め
(上:織部釉、下:ルリ釉)

蓄光

図3 蓄光顔料を用いた加飾のテストピース

(2)高度な技術による美術工芸品

 本研究で得られた凸盛り技術の知見に基づいて、瀬戸産地メーカーの大型インテリア製品に、杉山ひとみ氏の現代的なデザインと高度な技術による芸術的な凸盛りを施して装飾陶版(図4)などを制作しました。凸盛りの加飾効果のポテンシャルを示し、今後の凸盛りを用いた瀬戸焼のデザイン開発の指針となる製品です。

龍

図4 凸盛り龍

3 今後の展開

 2019年度成果普及講習会(2020年3月16日実施済み)以降、凸盛りに関する技術相談や商品化を希望するメーカーが複数あったため、数社を対象に、技術・デザインの普及を図ります。

4 2020年度釉薬テストピースの有効活用に関する研究会の概要

 本研究成果は、2021年3月18日(木曜日)に瀬戸窯業試験場が開催する「2020年度釉薬テストピースの有効活用に関する研究会」において、「【第二部】2020年度瀬戸窯業試験場研究報告」の中で、「伝統的上絵イッチン※6技法を活用した新規瀬戸焼製品の開発」として紹介します。あわせて製品を多数展示します。

(1)日 時 2021年3月18日(木曜日)午後1時30分から午後3時15分まで
                         (受付開始:午後1時)

(2)会 場 あいち産業科学技術総合センター産業技術センター瀬戸窯業試験場 講堂
        所在地:瀬戸市南山口町537

(3)内 容 

【第一部】釉薬テストピースの有効活用に関する研究会(13:30~14:30)

「釉薬データベースの高度化について」
講 師:元産業技術総合研究所中部センター上級主任研究員 杉山 豊彦(すぎやま とよひこ) 氏

【第二部】2020年度瀬戸窯業試験場研究報告(14:30~15:15)

・釉薬データベース拡充、並びに有効活用の促進(14:30~)
 製品開発室長 山田 圭 (やまだ けい)

・伝統的上絵イッチン技法を活用した新規瀬戸焼製品の開発(14:45~)
 製品開発室 主任研究員 長谷川 恵子 (はせがわけいこ)
 国家検定陶磁器製造(絵付け作業)一級技能士 杉山(すぎやま) ひとみ 氏

・蛙目粘土における可塑性評価の実用化(15:00~)
 セラミックス技術室 主任研究員 長田 貢一 (おさだ こういち)

(4)定 員 25 名(申込先着順)

(5)参加費 無料

(6)申込方法

 申込書 [PDFファイル/265KB]に御記入の上、「5 申込み・問合せ先」までFAX又は電子メールで3月16日(火曜日)までにお申し込みください。参加確認の連絡をしません。当日直接会場へお越しください。定員を超えた場合、お断りする場合がありますので、あらかじめ御了承ください。
 申込書は瀬戸窯業試験場(瀬戸市南山口町537)で入手できます。あいち産業科学技術総合センターのWeb ページ(http://www.aichi-inst.jp/news/)からもダウンロードできます。

(7)新型コロナウイルス感染症への対応

 以下の点に御留意ください。

  • 発熱等(37.5℃以上)の症状がある方又は体調が優れない方は、出席をお控えください。なお、当日会場にて明らかに体調不良等と認められる場合には、出席をお断りする場合があります。(会場入口で検温を行います。)
  • 手洗いやマスク着用に御協力をお願いします。また、会場入口に手指の消毒液を設置しますので、手指の消毒をお願いします。会場は定期的に換気します。
  • 新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、開催の内容変更や中止とすることもありますので、あらかじめ御了承ください。

5  申込み・問合せ先

 あいち産業科学技術総合センター産業技術センター瀬戸窯業試験場
 製品開発室 (担当 山田、長谷川)
 瀬戸市南山口町537
 電話:0561-21-2116 FAX:0561-21-2128
 メール:seto@aichi-inst.jp 
 

【用語解説】
用語説明
※1 凸盛り(でこもり) 専用の絵の具を、イッチンを用いて高くレリーフ状に盛り上げる上絵加飾技法。名古屋輸出陶磁器分野で創出された独自の技法。
でこもり
※2 杉山ひとみ 氏 愛知県陶磁器技能士会会員。国家検定陶磁器製造(絵付け作業)一級技能士。ものづくりマイスター(陶磁器)。イタリア・ロンバルディア州認定陶磁器デコレーター。名古屋絵付けの研究・継承を目的とし、活動。
※3 織部釉 酸化銅を3~5%加えることにより、緑色に発色する釉薬。瀬戸焼・美濃焼を代表する釉薬。
※4 ルリ釉 酸化コバルトを1~5%加えることにより、紺色に発色する釉薬。瀬戸焼で好んで使用される。
※5 ガラス盛り 凸盛り上に細かいガラス粒をまぶして焼き付ける技法。光の反射による装飾効果がある。
ガラス盛り
※6 イッチン 泥漿状の加飾材を絞り出して絵付けをする技法。また、その際に使用する先端に細い口金をつけた袋状の絞り出し用具で、凸盛りに使用される。

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