平成24年度 学校保健課題解決支援事業について
愛知県教育委員会健康学習課では、平成24年度、文部科学省の委託事業として学校保健課題解決支援事業を、阿久比町を重点地域に指定し行った。
県の協議会では、愛知県の学校保健課題を次のように定め、子どもたちの学校保健重点課題として基本的生活習慣の確立を掲げ、重点地域での幼保小中高校を中心とした関係機関が連携した取組の支援を行った。
今後は、阿久比町の取組を全県に発信し、地域が一体となった学校保健活動の普及に努める。
平成24年度愛知県学校保健課題
感染症・アレルギー疾患
正しい知識の啓発をし、個々の児童生徒への対応が医学的根拠に基づき、安全・確実に実施されるようにする。
正しい知識の普及啓発
- 正しい知識の理解
- 対応に関する研修会
- 適切な医療機関の受診
- 医療的診断に基づいた対応
メンタルヘルス
健康観察などの充実により、心身の健康課題の早期発見に努めるとともに、関係者の共通理解を図り、支援する。
健康観察の強化
- 健康観察の意義の周知
- 校内での情報の共有
- 事例に対する支援
- 関係者の資質向上
- 相談関係機関との連携
生活習慣病
子どもの頃からの規則正しい生活習慣の確立によって、将来の生活習慣病を未然に防ぐよう啓発する。
保健指導の充実
- 保護者、地域との連携
- 指導場面の設定
- 発達段階に応じた指導の継続
- 薬物乱用防止、禁煙教育
平成24年度の学校保健重点課題
(食事・睡眠・適度な運動)
感染症・アレルギー疾患、メンタルヘルス、生活習慣病のすべての学校保健課題解決のベースとして重要
連携の充実・強化 連携体制の構築

重点地域 阿久比町の取組
1 睡眠に関するアンケートの実施・分析
○ 小中学校全児童生徒、高等学校2学級抽出で実施、分析
<分析>
- 起床時間は、個人差がない。
- 小中学生は、就寝時刻が遅い。12時以降の就寝は、小学生で若干、中学生で20%前後、高校生は約半数。
- 小中高全て、慢性の睡眠不足状態。
- 就寝時刻への影響は、テレビ、ゲームの時間が大きい。
○ アンケート結果より、阿久比町での対策を決定
<対策>
- 就寝時刻の目標を決める。
- テレビ・ゲームの時間を減らす。
- テレビのダラダラ見を無くす。
2 家庭の時間割による指導
○ 学齢に応じて4種類作成、園・学校で配布し、啓発に努める。
- 幼児・小学校低学年…夕食・入浴の時間を決める。
- 小学校高学年…テレビ・ゲームの時間を決める。
- 中学生…テレビ・携帯等の時間、最終時刻を決める。
- 高校生…学習時間、携帯・テレビの時間、最終時刻を決める。

家庭の時間割〈園児・小学校低学年用〉

家庭の時間割〈高校生用〉
3 ノーテレビ・ノーゲームデーの町内一斉実施
○ 毎月第3水曜日、8時以降はテレビ・ゲームを消し、早めに床に就く。
- 11月21日(水曜日)より実施。
- 取組状況
11月 小66.9%、中23.6%、合計53.3%
12月 小78.9%、中21.9%、合計60.7%
1月 小81.8%、中19.8%、合計61.8% - 取組開始時点で半数が意識している。特に小学生は高い。
継続的な実施が大切である。
○ 地域、保護者への啓発、園児・児童・生徒、教職員の意識高揚のための方策
- 小中学校による実施状況調査の継続。(平成24年度3月まで)
- 小中学校での標語募集。723枚(1枚で複数応募あり)の応募あり。
最優秀賞「スイッチオフ! 家族みんなの合い言葉」
(英比小6年 新村花音さん) - 標語の幟の掲揚(各園校2本+公共施設)
- ポスターの掲示(各園校2枚+公共施設)

〈阿久比町立中央公民館〉

〈ポスター〉
4 リーフレット(クリアファイル)の幼保小中高全世帯配布

〈リーフレット(クリアファイル)〉
5 講演会
○ 第1回講演会
・広島国際大学教授 田中秀樹氏
9/7(金曜日) 阿久比町中央公民館301号室
69名参加(事務局を除く)
○ 第2回講演会
・和洋女子大学教授 鈴木みゆき氏
11/2(金曜日) エスペランス丸山
104名参加(含知多管内町外申込み、事務局を除く)
※ 保護者からの積極的な質問があり、関心の高さを感じた。

〈第1回講演会〉
6 その他
○ 保護者・地域への啓発
- あぐい教育週間(10月26日(金曜日)~11月12日(月曜日))の公開日に校長講話等の中で、保護者に取組概要を紹介し協力を依頼
- 町発行の「保健だより」・「広報あぐい」で活動について紹介
- 各学校の学校保健委員会で睡眠についての取組を盛り込み、アンケート結果を基に指導
- 各小学校の保健委員・教員が保育園に出かけ、劇「おやすみ れっしゃ」を通して、睡眠の大切さを紹介

〈校長講話〉

〈学校保健委員会〉

〈保育園での啓発活動〉
○ 地域支援チーム検討会の開催(4回)
子どもたちの成長にかかわる様々な立場の方が集まり、睡眠という学校保健課題を検討し、指導の第1歩を踏み出したことが、何よりも大きな成果である。