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航空宇宙設計演習講座・航空機産業製造人材育成講座を開催します!
航空宇宙設計演習講座・航空機産業製造人材育成講座の受講者を募集します!
愛知県が中心となり、名古屋市始め地域の行政、支援機関及び大学で構成する「あいち・なごやエアロスペースコンソーシアム」※1(以下、コンソーシアム)では、当地域における航空宇宙産業の継続的な発展に向け、地域一体となって、航空宇宙産業に関わる各階層の人材育成を体系的に実施していくこととしています。
この度、その一環として、コンソーシアムの構成員である中部大学において、これから航空宇宙産業分野を志す学生等に向けた「航空宇宙設計演習講座」及び、現在の航空機製造の現場を担う社会人に向けた「航空機産業製造人材育成講座」を開催します。各講座の開講にあたり、受講者を募集します。
1 航空宇宙設計演習講座
県内学生等への航空宇宙産業に関する学習機会の提供を通じ、航空宇宙産業における人材の裾野拡大を目的として、設計演習講座を行います。
(1)講座日程・内容(全9回)
回数 |
日時 |
内容 |
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オープニング |
10月2日(土曜日)午後2時から午後3時まで |
導入編として、一般的なロケットの理解を深めるため、ロケットエンジンの燃焼実験を行います(希望者のみ)。 |
第1回~5回 |
10月4日(月曜日)・11日(月曜日)・18日(月曜日)・25日(月曜日)、11月1日(月曜日) |
ラムジェットエンジンの作動原理を学び、設計計算をします。受講者自身が設計するエンジンの寸法などを設定します。 |
第6回~8回 |
11月15日(月曜日)・29日(月曜日)、12月6日(月曜日) |
ラムジェットエンジンの設計図面を3D CADで作成します。 |
第9回 |
12月11日(土曜日) |
実際にエンジンが燃焼し噴射する様子を体感していただくために、ラムジェットエンジンの燃焼実験を行います。 |
※内容等は一部変更になる場合があります。また、受講者のうち、希望される方には、CAD操作のサポートを11月3日(水曜日)、8日(月曜日) 、22日(月曜日)に予定しています。
(2)会場
中部大学(愛知県春日井市松本町1200 電話:0568-51-1111)
オンラインでも受講可
Windows PC(マイク・カメラ付き推奨)、ネットワーク接続環境が必要です。
詳細は受講者に別途メールで連絡します。
(中部大学で受講する際もPCを持参してください。)
(3)対象者
愛知県内在住・在学の学生(高校生・大学生・専門学校生等)
愛知県内在住・在勤の社会人
(4)参加費
無料(オンライン参加の場合、通信機器代と通信料は参加者負担)
(5)申込方法
申込書をダウンロードし、必要事項を記入の上、申込先メールアドレスまで電子メールにてお申込みください。
(6)申込期限
2021年9月27日(月曜日)
(7)申込み・問合せ先
中部大学 工学部 宇宙航空理工学科 教授 苅田(かんだ) (コンソーシアム業務委託先)
申込メールアドレス:kanda-t@isc.chubu.ac.jp
電話:0568-51-6583
2 航空機産業製造人材育成講座
サプライヤー企業の国際競争力向上を目的として、必要とされる生産体制の構築、生産技術や品質保証、最新技術等に関する連続オンデマンド講座を実施します。
(1)講座日程・内容(全5回、各講演60分程度)
回 |
申込期間 ・ 視聴期間 |
テーマ |
演題 |
講師 |
講演概要 |
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1 |
9/7(火曜日)~9/27(月曜日) |
材料(チタン)板金成形、塑性加工関係 |
チタン材料の特徴・製造工程及び航空機材料におけるチタン材料 |
株式会社神戸製鋼所 素形材事業部門 チタンユニット チタン工場 技術部 開発室 研究員 今野(こんの) 昂(たかし) 氏 |
チタン合金の種類や特徴を紹介し、チタン合金が航空機に用いられる際の特徴や活かされている特性を説明します。また、航空機に多く使われているチタン合金の鍛造品素材が、どのような工程で製造されているか、どのような特性評価や検査を受けているかを紹介します。合わせて、同じ合金種でも製造により特性の造り込みを行うことで、更に優れた特性を得ている事例についても紹介します。 |
塑性加工の基礎 |
名古屋大学 名誉教授 石川(いしかわ) 孝司(たかし) 氏 |
塑性加工は、主として金属材料の一部または全部に塑性変形を与えて、要求された形状・寸法・材質の製品を作る生産加工法であり、今日の工業生産の中で素材から最終製品の製造に至るまでの広い範囲にわたって重要な役割を果たしている。加工方式は多種にわたり、機械工学と材料工学との両分野にまたがる知識を必要とする。本講演では、塑性加工に関する基礎的なポイントをわかりやすく紹介する。 | |||
航空・宇宙機器の板金加工技術 |
三菱重工業株式会社 エアロストラクチャー事業部 生産技術部 藤井(ふじい) 和慶(かずよし) 氏 |
本講義では、航空機の構造部品に用いられている板金部品とその工法について紹介します。板金部品で使用されるアルミ合金材などの機械特性と多品種少量生産に求められる要求を理解しながら、ストレッチ成形や超塑性成形など様々な板金加工法について説明をします。そして、実際の現場で発生した不適合事例を用いて、実生産における生産課題とその対策、今後の技術開発の展望についてご説明します | |||
2 |
9/28(火曜日) |
航空構造、航空機組立、自動車組立関係 |
飛行機の構造・材料と構造設計の基礎 |
中部大学 工学部 宇宙航空理工学科 教授 池田(いけだ) 忠繁(ただしげ) 氏 |
飛行機の構造の特徴、材料・構造の変遷、構造設計の基礎について概説する。初期の飛行機の機体の木製枠組み構造からジュラルミン製セミモノコック構造を経て、最新機の炭素繊維強化プラスチック製構造に至るまでの材料・構造の変遷とその特徴、飛行機に作用する荷重と簡単な力学を用いた飛行機の構造設計の基礎について紹介する |
航空機の構造組立 |
三菱重工業株式会社 民間機セグメント エアロストラクチャー事業部 生産技術部 組立生産技術一課 主席技師 船渡(ふなと) 俊行(としゆき) 氏 |
民間航空機の構造組立では、大物複曲面の部品を組合わせて、高精度・高機能な組立体に仕上げていく必要があります。本講義では、構造組立の概要や穴明け、ファスニングといった各要素の具体的な事例をご説明するとともに、自動化やムービング化といった最新の技術動向についてもご紹介します。 | |||
自動車産業における車両組立生産技術と今後の動向 |
トヨタ自動車株式会社 組立生技部 部長 野々村(ののむら) 一紀(かずのり) 氏 |
これまで自動車製造業は取り巻く環境の変化を商品や技術革新で乗り越えてきたが、カーボンニュートラルを始めとする環境対応やCASEなど多様化するニーズの高まりを受け、自動車業界は100年に一度の大変革にある。本講義では車両組立における工工程・工法・設備などの基本的なことをご紹介することに主眼を置き、今後の社会情勢を踏まえた、これからの車両組立における生産技術の動向についても簡単に解説する. | |||
3 |
10/19(火曜日)~11/8(月曜日) |
DXへの取り組み、オペレーションズ・リサーチ |
ものづくり視点から見たDXへの取組みに向けて |
Ridgelinez(リッジラインズ)株式会社 シニアアドバイザー 熊谷(くまがい) 博之(ひろゆき) 氏 |
今や新聞・メディアにおいてDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が活字として目にしない日が無いほど日常的に見かけるキーワードとなって来ました。しかしながら実態は? と言うと実の所良く判らない・・・というのも事実かと思います。当講座では、ものづくり視点から見たDXについて、講師経験からお話できる全体概要、導入効果、留意点などについて事例を交えながらご説明したいと考えております。 |
デジタルを前提に現状を再構築する~DXとソフトウェアファーストとアジャイルをまとめて考える~ |
株式会社デンソー 執行幹部 モビリティシステム事業グループ DX推進担当 兼 クラウドサービス開発部長 成(なりさこ)迫 剛志(たけし) 氏 |
近年、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)の取組みを加速している。経営層もDXの重要性を認識し、単なるIT化ではなく重要な経営課題として取り組んでいる企業も数多い。そして、あわせてソフトウェアファーストやアジャイルへの取り組みも検討しているのではないだろうか?しかし、この3つの単語、DX、ソフトウェアファースト、アジャイルをのものが目的化してしまい、それぞれ個別の取り組みとなってしまっていないだろうか?本講演では、“デジタルを前提に現状を再構築する”というDXの本質とその推進のためのプロセスや体制のヒントをご紹介する。 | |||
OR(オペレーションズ・リサーチ)-問題解決の道具箱- |
愛知県立大学 情報科学部情報科学科 教授 奥田(おくだ) 隆史(たかし) 氏 |
OR(Operations Research)とは,経営・政策における諸問題に対する問題解決・計画立案のための科学的な知恵の集大成である.科学的とは,例えば,複数の計画案があるとき,経験と勘でこの案が望ましいと判断するのではなく,数理モデル・統計分析等を用いて各案の望ましさを数量的に表し,その中から最良の案を決定することである.本講ではORを問題解決の道具箱と捉え,様々な道具の基本的な考え方を,具体的な例をあげながら紹介する | |||
4 |
11/9(火曜日)~11/29(月曜日) |
航空機製造における品質保証 |
航空機製造における特殊工程、非破壊検査 |
名古屋品証研株式会社 代表取締役 有田(ありた) 智充(ともみつ) 氏 |
航空宇宙産業の品質マネジメントシステム要求(JISQ9100)で要求される特殊工程の概要、航空機/航空エンジンの生産に適用される代表的な工程と管理のポイント、さらに機体/エンジンメーカから要求があった場合に必要となるNadcapの概要と認証取得のポイント等について解説します。また特殊工程の一つである非破壊検査について、航空機/航空エンジンの生産での適用事例を解説します。 |
スペック要求と飛行安全 |
三菱重工業株式会社 民間機セグメント 民間機事業部 品質保証部 次長 月ヶ瀬(つきがせ)かほる(かおる) 氏 |
スペック(Specification)には、主に 材料スペックとプロセススペックがあります。スペックとは何か,図面とどう違うのか,なぜスペックなのか, スペック要求がどのように飛行安全とつながっているか,そして,スペックを使うときに大切なこと,を実際に民間航空機の製造現場で使われている 材料スペック,傷に対する修理スペック, 構造組立のギャップに対するプロセススペックを例に説明します。 | |||
航空機製造業における計量器校正 |
三菱重工業株式会社 民間機セグメント エアロストラクチャー事業部 品質保証部 加工品品質保証課 治工具係 係長 松田(まつだ) 誠樹(せいき) 氏 |
製造品質を保証していく上で必須となる計量管理活動の中で,各種計量器の精度を確保して行くために実施される校正作業について,航空機製造業での特徴や活動の実例を紹介します | |||
5 |
11/30(火曜日)~12/20(月曜日) |
航空機製造における溶接技術、CATIA活用と幾何公差/表面粗さ |
航空機・宇宙機器製造における溶接技術 |
川崎重工業株式会社 航空宇宙システムカンパニー 航空宇宙ディビジョン 生産総括部 生産企画部 生産技術課 基幹職 上向(かみむき) 賢一(けんいち) 氏 |
航空・宇宙分野において適用されている金属材料およびそれらの溶接方法についての概要を説明する。また、航空・宇宙分野の溶接における要求事項、適用事例、今後の展望について紹介する。 |
治工具設計/NCプログラムにおけるCATIA活用 |
三菱重工業株式会社 民間機セグメント エアロストラクチャー事業部 生産技術部 メカトロ推進・治工具設計課 課長 金田一(きんだいち) 智章(ともあき) 氏 |
CATIA航空機・自動車・家電業界・宇宙産業など多くの製造業で使われており,もはや製造に必須なハイエンド3次元CADである。本講座では,組立治具設計や部品加工用NCプログラムといった作業において,CATIAをどのように活用しているのか具体例をもって説明する。またCATIAデータを活用した治具設計の事前検証事例の紹介も行う。 | |||
幾何公差と表面粗さ |
三菱重工業株式会社 民間機セグメント エアロストラクチャー事業部 技術部 設計1G ボーイングチーム 主席チーム統括 金澤(かなざわ) 裕(ゆう) 氏 |
幾何公差の種類やデータム、最大実体公差について図面指示例とその解釈を交えてわかりやすく説明します。またJIS(ISO)とASMEの大きな違いである「包絡条件」についても触れます。表面粗さについては、測定方法など基礎を説明します。 |
※内容等は一部変更になる場合があります。
(2)開催形式
オンデマンド開催(YouTube)
(3)主な対象
航空機製造関連企業又は航空機分野に参入を予定している企業の従業員
(4)参加費
無料(通信機器代と通信料は参加者負担)
(5)申込方法
各回の申込期間内に、講座申込みWebページに以下のURLからアクセスして、申込フォームに必要事項を入力の上、お申込みください。
https://srv03.isc.chubu.ac.jp/aa2021/
(6)問合せ先
中部大学 工学部 宇宙航空理工学科 教授 鈴木(すずき) (コンソーシアム業務委託先)
メール:AstroAero@gs4e.chubu.ac.jp
電話:0568-51-1712
参考
※1 あいち・なごやエアロスペースコンソーシアム
愛知県における航空宇宙産業の継続的な発展を地域が一体となって推進するため、愛知県が中心となり、地域の行政、支援機関及び大学で構成され、展示会・商談会への出展支援及び販路開拓支援、人材育成及び確保支援、新規参入・新規分野参入支援等を行う団体。
(構成機関)
愛知県(事務局)、名古屋市、一般社団法人中部航空宇宙産業技術センター、公益財団法人あいち産業振興機構、公益財団法人名古屋産業振興公社、中部経済産業局、小牧市、名古屋商工会議所、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)名古屋貿易情報センター、グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ協議会、名古屋大学、中部大学、愛知県立大学