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平成19年度消費者懇談会の結果について

平成19年度消費者懇談会の結果について

 県では10月9日、「食の安全・安心」をテーマに、消費者、事業者、学識者、行政による懇談会を開催しました。

 当日は、事業者や内閣府食品安全委員会事務局を始めとする行政からの説明の後、消費者を交えて活発な意見交換が行われ、最後に名古屋大学大学院の竹谷裕之教授に懇談会の内容を総括していただきました。

会議の概要
会議名平成19年度消費者懇談会(テーマ:食の安全・安心について)
日時

平成19年10月9日(火) 午後1時30分から午後3時30分

場所

 名古屋市中区三の丸二丁目3番2号 自治センター 会議室A

出席者

◎消費者

  消費者団体代表者(4名)、愛知県消費生活モニター(4名)

◎事業者等

 日本チェーンストアー協会中部支部、愛知県食品産業協議会、愛知県食肉事業協同組合連合会、愛知県生活協同組合連合会

◎学識者

 名古屋大学大学院生命農学研究科 竹谷裕之教授

◎行政

 内閣府食品安全委員会事務局、愛知県(健康福祉部健康担当局生活衛生課、農林水産部食育推進課、県民生活部県民生活課)

 内容 ◎食の安全性の確保に向けた取組について

 ・内閣府食品安全委員会事務局から

 ・事業者及び行政から

◎意見交換

 ・食品関係事業者の事業活動のあり方について

 ・食品安全行政のあり方について

 ・食の安全に対する消費者の関わり方について

◎総括(名古屋大学大学院生命農学研究科 竹谷裕之教授)

1 食の安全性の確保に向けた取組について

(1)内閣府食品安全委員会事務局から

  • BSEの発生などにより、我が国において食の安全性に関して大きな混乱が生じた。そのような背景から、科学的知見に基づいて客観的にリスクを評価するということを目的に、内閣府に食品安全委員会が設立された。
  • リスク評価とは、例えば化学物質とか農薬などの汚染物質、生物的なものでは微生物、ウイルス、プリオンなどの危害要因が我々の健康にどの程度の確率で悪影響を及ぼすのか、さらに影響はどの程度の深刻さなのかという観点から、確率と影響の程度を踏まえてリスクを評価するという考え方である。
  • リスク評価の内容に基づき、リスク管理機関である厚生労働省、農林水産省、環境省などで、どのような管理、規制をするかを決めている。
  • リスク評価、リスク管理などに関する情報を皆さんと共有し、情報交換を通じて理解を深めていくことがリスクコミュニケーションである。
  • リスクについては、知らないと不安が高まる。科学的には小さなリスクと思われても、知らない方は危険を大きくとらえる傾向がある。できるだけ情報を共有して、皆さんとのコミュニケーションを図ることが大変重要だと思っている。
食品安全委員会事務局からの説明

(2)事業者及び行政から

ア 日本チェーンストアー協会中部支部

  • 食の安全に対する取組の段階を大きく分けると、商品を調達する段階と、仕入れ、加工、販売段階での取組の2つに分類できる。
  • 調達段階では、輸入品も国産品も含めて、特に農産物、水産物、畜産物などの生もの、生ものを一部加工した商品については、農薬、肥料、餌、抗菌剤等を生産段階でどのくらい使ってきたか、いわゆる生産履歴の確認を行っている。履歴は書面で確認するのが通例となっている。また、農場やいけすから出荷する前(刈り取りや水揚げ)の段階で検査をさせて、その検査証を確認する。
  • 加工食品では、メーカーに対して、原材料の内容と、その確認方法、工場での管理手法等の確認をしている。これは、なるべく直接出向いて確認するようにしている。
  • 仕入後の段階では、商品の全てを検査することはできないので、目視による検査が中心となる。
  • 加工、表示を加える場合は、衛生管理、温度管理が必要なので、一定の作業手順のルールーを作り、それに従って作業する。表示については、日々入荷する原料が代わってくるので、伝票と付け合わせをしながら、間違えのない表示に努め、販売している。

イ 愛知県食品産業協議会

  • 私たちの協議会は、食品を安全かつ安定的に供給するという社会的な使命を担っているため、様々な研修等を行っている。愛知県の食品産業は、北海道に次いで生産量が多い。
  • 従来から協議会は、異物混入などの苦情処理対応や食品企業の活性化を柱に事業を実施してきたが、平成8年度の病原性大腸菌O-157の発生後、低脂肪乳による食中毒の発生、野菜産地の農薬汚染問題、BSE、鳥インフルエンザ、最近では、肉類などの表示違反、改ざんなど事件・事故が多発している。
  • 我々は講習会やセミナーを多数の参加者のもと開催し、これらの問題が発生しないように日々研鑽している。

ウ 愛知県食肉事業協同組合連合会

  • 我々の組合では、衛生講習会を名古屋市などにおいて年間8回、食肉関連制度のセミナーを2年ほど前から名古屋市で2回、その他地域で6回、計8回行っている。今年度から組合員の店に限るが適正販売指導として270店程を巡回指導する活動を行っているところである。
  • また、食肉公正取引協議会では、組合員に対し年2回、指導員による調査指導として専門店450店舗、チェーンストアーの販売店387店舗、計840店舗ほどで巡回指導を行っている。
  • 北海道のミートホープ社は、都道府県の組合、公正取引協議会などに加盟しないアウトサイダー的な企業だったそうだ。このように団体に加盟していない業者は、加盟している業者の倍ぐらいある。小売店、量販店で公正取引協議会に加盟している業者は、98%程度の割合で正確な販売を行っている。
  • 我々が行う巡回指導の結果を見ると、ミートホープ社のような業者は例外中の例外であり、愛知県下ではあのような行為は行われていないと思う。今回の件では、まじめにやっている小売業者も迷惑している。
懇談の様子(その1)

エ 愛知県健康福祉部健康担当局生活衛生課

  • 県の食品衛生監視指導体制の中では、一般監視として保健所が行っている食堂、喫茶店、肉屋、魚屋、スーパーなどの監視を行うとともに、広域監視として拠点的な5保健所(一宮、春日井、半田、衣浦東部、豊川)に食品衛生広域監視班を設置し、当該保健所の管轄区域だけでなく、それぞれが連携して広域の監視を行っている。
  • また、食中毒発生防止対策として、学校や社会福祉施設等の集団給食施設に対する夏期の食品一斉取締り、食中毒が発生しやすい気象条件になった時の食中毒警報の発令、12月にはふぐ処理施設に対する重点的な監視指導を行っている。
  • 食品衛生法に基づく収去調査では、食品等の安全確保のため添加物などの理化学的な検査、大腸菌群や細菌群などの微生物学的検査等を実施している。
  • その他、牛、馬、豚などのと畜検査、食のリスクコミュニケーション事業などを行っている。

オ 愛知県農林水産部食育推進課

  • 農林水産部では、JAS法に基づく食品表示の適正化に取り組んでいるが、その内容は普及啓発対策と指導・監視対策からなる。
  • 普及啓発対策としては、事業者・消費者に対する研修会の開催やパンフレットの作成・配布を行っている。
  • 指導・監視対策としては、まず、JAS法の立入検査員を配置している。この検査員には、農林水産部の職員及び部局間連携により健康福祉部の職員を配置し、監視指導にあたっている。
  • また、食品表示110番を平成14年から設置し、食品に対する問い合わせ、苦情、不適正な表示に関する情報等を受け付けるとともに、職員が年間750ほどの店舗に出向いて調査指導を行う遵守状況調査を行っている。
  • なお、消費者との連携も図っており、県内の消費者150名に食品表示ウォッチャーとして日常の買い物活動の中で表示状況の確認をしてもらっている。

2 意見交換

(1)食品関係事業者の事業活動のあり方について

<消費者から>

  • 佃煮をスーパーや百貨店で購入する時、安い佃煮には、ソルビットやソルビン酸などの添加物が大体入っている。添加物や消費期限など消費者にとって大切な個所は、少し太めの表示をするなどして、もっと消費者に分かるような表示にしてほしい。

<事業者から>

(愛知県食品産業協議会)

  • 近代社会においては、都会に人口が集中し、その人間が食事をするためには、生鮮食品だけでは足りず、加工食品を使うようになった。添加物を使用することにより保存性、食味、色もよくなるのだが、これから事業者としては、添加物についてより分かりやすく説明していく必要もあると思う。

<消費者から>

  • 今回のミートホープ社のニュースを聞いた時、過去に問題の商品を買って、食べていたので、テレビに映ったパッケージをみて驚いた。若い人にもよいと思い、子供や孫にも食べさせてきたのでショックであった。

<事業者から>

(愛知県食肉事業協同組合連合会)

  • ミートホープ社は、食肉関連の組合が開催する講習会にも出席しないような業者だったようだ。ミートホープ社は例外中の例外であり、私どもも驚いている。
  • 現在、ミートホープ社のように業者向けの商品を扱う会員に自主点検調査票を送付しており、これを集計した上、結果に基づく指導を行っていく予定である。我々としては、今後も法令遵守に努めるよう指導していく。

(愛知県生活協同組合連合会)

  • 今回のミートホープ社の件では大変ご迷惑をおかけした。今後、あのようなことが起きないよう日本生活協同組合連合会では、DNA検査を取り入れるなどの対応を行っている。
  • また、私どもの生協では、商品に関して独自の基準を設けるとともに、調達する前に現地調査なども行っている。独自の検査センターもあり、そこで各種検査を行っている。ミートホープ社の商品も衛生検査として微生物等の検査はしっかり行っていたので健康被害が起こることはなかったものの、あそこまでされることは考えておらず、今回のような結果となってしまい申し訳ない。

(2)食品安全行政のあり方について

<消費者から>

  • 一つの弁当で20~30種類もの添加物が使われているということを聞いたことがある。添加物を加えれば廃鶏の肉であっても柔らかくなり、ペットの餌にするような骨から削り落とした肉でもちゃんとした肉になるそうだ。行政として、そのような添加物の使用状況などについて、消費者が分かりやすく理解できるような仕組みを作ってほしい。

<消費者から>

  •  行政や事業者が、食の安全対策として様々なことを行っていると聞き心強く思った。これまで食については全面的に信頼してきた。今後も安心を確保するため、今以上の抜き打ち検査や法律を再整備することにより、食品業者に対する指導強化をお願いしたい。

<行政から>

(愛知県農林水産部食育推進課)

  • 抜き打ち検査については、食品表示110番に関する案件や年間750店舗の小売店調査は、基本的に抜き打ちで行っている。
  • また、今回の名古屋コーチンに関する調査ではDNA分析を行っているが、国の特別調査でも、特定品目について買い上げてDNA分析も行っており、県は、国からこうした情報を受けて、監視指導にあたっている。

(3)食の安全に対する消費者の関わり方について

<消費者から>

  • 輸入野菜の残留農薬、肉製品の異種肉混入などは、消費者として非常に怖い。しかし、自分の行動を振り返ると、日常的に安いものを求めてしまうところがあり、それに対して業者が悲鳴をあげて苦肉の策で行ったことなのかもしれないと思うと、消費者も反省すべき点があるのではないかと思った。とはいえ実際に店頭に行くと安いものに目が走ってしまうので、難しい問題である。
懇談の様子(その2)

3 総括

<名古屋大学大学院生命農学研究科 竹谷裕之教授>

  • 今回の懇談会は非常に内容のあるものだった。食の安全について、県が行った消費生活モニターに対するアンケート調査では、98%の人が食に対して何らかの不安を感じているとのことで、改めて消費者の最大関心事になりつつあると感じた。
  • 本日の懇談の中で、いくつか重要な情報も出てきたのではないか。例えば業界団体に加盟されている業者の努力と、加盟していない業者の努力について、前者は把握できるが、後者はどうなっているのか分からない。この点が明らかになると、我々はさらに的確な対応ができるようになるのではないか。
  • 表示を適格に行うことと、それをどのように担保するかが課題となる。これについて、今日の発言の中では抜き打ち検査の本格的導入とペナルティーの強化などが挙げられた。抜き打ち検査などは、既に様々な形で導入されているが、定着と強化の必要性について課題として指摘されたと思う。
  • ミートホープ社の件は例外中の例外とのお話もあったが、事業者間の競争が激化する中で、どのように安全を確保するかという課題を解決しない限り、想定外のことが様々な形で起こりうる。想定外の事態が少なくなるような食の社会を作っていく必要があると思う。
  • 当然、安全を確保するためにはコストがかかる。全てをチェックすることはコストの問題が出てくるので、あまりコストをかけず効率的に、しかも関係者の倫理観を高揚させるような仕組みを是非考えていく必要があるのではないか。
  • 「安さ」、「おいしさ」、「安全」を同時に求めることが、いかに業界に対して困難な課題をぶつけるかということを十分理解した上で、消費者が安全確保のために、しかるべきコストを払うという行動を起こすような取り組みも必要であると感じた。
  • 安全・安心は消費者の目線として重要になる。とりわけ食料は命に関わるだけに消費者は敏感な反応を示しやすい領域である。消費者としても、できるだけ学習を積んで的確な判断ができるように心がけることが求められていると思う。
懇談会を総括する竹谷教授

問合せ

愛知県 県民生活部 県民生活課

E-mail: kenminseikatsu@pref.aichi.lg.jp