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原油価格の高騰とその影響に関する懇談会の結果について

原油価格の高騰とその影響に関する懇談会の結果について

 県では、消費者の関心の高いテーマについて、消費者・事業者・行政が意見交換し、相互理解を深めるため、消費者懇談会を開催しています。

 今回は、原油価格が高騰し、石油製品(ガソリン・灯油)だけでなく各種運賃やティッシュペーパーなどの日用品の価格にも影響を与えていることから、消費者の理解を深めるため、原油価格の高騰とその影響について、石油情報調査機関による現状説明と出席者による意見交換を行いました。

会議の概要
会議名平成18年度消費者懇談会
日時

平成18年10月11日(水) 午後1時30分~3時30分

場所 名古屋市中区三の丸二丁目3番2号 自治センター 3階C会議室
出席者

◎消費者

愛知県消費生活モニター(10名)

◎事業者等

石油情報センター(石油情報調査機関)、県石油商業組合(小売業界)

◎行政

経済産業省中部経済産業局(資源エネルギー環境部石油課)、 愛知県 県民生活部県民生活課

 内容

 ◎概要説明

 ・原油価格高騰とその影響(石油情報センター)

 ◎意見交換

 懇談では、まず石油情報センター(石油情報調査機関)が原油価格高騰とその影響の現状を説明し、続いて質疑及び意見交換を行いました。意見交換では、消費者から原油価格の今後の動向やティッシュペーパーの価格への影響など、多岐に亘る意見がだされました。

 ここでは、現状説明の要点と、意見交換で出された主な質問や意見等を紹介します。

懇談会の様子1

現状説明

 現状説明では、石油情報センターから、世界及び日本の石油事情について説明がありました。

世界の原油事情

  • 2001年の同時多発テロ以降、イラク戦争などを経て右肩上がりで原油が上昇していますが、過去の石油危機では、戦争などによって供給量が削減され、これが価格高騰に繋がりました。しかし、今回の石油価格高騰では、原油の需給には全く問題はなく、価格だけが上昇しています。

  • 世界の原油の需給については、2005年を通じて需要が8,330万バレル/日に対して供給8,410万バレル/日と供給が上回っています。

  • 「石油があとどのくらいあるのか」という心配についてですが、目安としては確認された埋蔵量を年間生産量で割った可採年数があり、石油開発技術の進歩により埋蔵量は増えています。このため、1975年の34年から年々増えており、2005年末の可採年数は49年となっています。精製技術の向上により、新たに埋蔵量としてオイルサンドが加えられるなど、今後も技術の進歩により可採年数の維持・増加が期待されますが、埋蔵量の7割が政治的に不安定な中東に偏在していることから、原油取引が政治的な影響を受けやすくなっています。

  • 原油価格は、1970年代以降、オペック(OPEC)の産油国政府が販売価格を決定していましたが、1990年代以降は、世界的な需要減やオペック以外の油田開発などにより、産油国による価格決定ができなくなり、替わって、北米、欧州、アジアの先物市場での取引価格が指標とされるようになりました。

  • 今回の原油価格高騰の原因は、主に、アメリカ、中国を始めとする世界的な石油需要の増加や、産油国の政情不安を背景とした需給ひっ迫予想に対する先物取引市場での投機的取引によるもので、原油需要に対する供給の不足はありません。

  • ドル建ての原油価格は、今回、最高値を記録しましたが、経済事情などを加味した実質価格では、1970年代後半の第2次石油危機時の方が高い価格となっています。

日本の石油事情

  • 日本は99.6%の原油を輸入に依存しており、中でも中東への依存度が高く、サウジ、アラブ首長国連邦、イランの3国からの輸入量が全体の約7割を占めています。

  • 原油はタンカーで、片道1万2千キロを約20日間で運ばれ、国内30ヶ所の製油所で精製されて石油製品が作られます。作られた石油製品の用途は、自動車用の燃料等が35.5%で最も多く、次いで化学用原料19.1%、家庭・業務用燃料16.3%となっており、ガソリンなど私達が普段の生活で消費する部分が多くなっています。

  • 最盛期の1994年に6万店あったガソリンスタンドですが、競争の激化により2004年には4万8千店余りに減少しています。その一方で自分で給油作業を行うセルフスタンドが増加しており、ガソリンスタンド全体数の約1割がセルフスタンドです。

  • 日米欧のガソリン価格(2006年6月の1L当たり)ですが、イギリスの204円が最も高く、フランス、ドイツ、イタリアも190円程ですが、一方、アメリカは89円と欧州各国の半分程度で、日本は米欧の中間の136円でした。いずれの国も税抜きの価格はほぼ同じであることから、価格の差は税額の差であり、各国の政策の違いによるものです。

  • ガソリン価格は、原油価格の変動とともに、原油価格がドル建てのため、為替レート変動の影響も受けます。このため、原油価格±1ドル/B(バレル:約159L)の変動は、ガソリン小売価格に±0.7円/L程度、為替レート±1円/ドルの変動は、同じく±0.4円/L程度の影響を与えています。

  • 国では、過去の石油危機時の教訓から、石油備蓄の増強(第1次石油危機当時の67日分から現在171日分)や石油の他にガス、原子力といったエネルギー供給の多角化を進めています。

  • こうした取組みによりエネルギーの石油依存度は当時の約8割から5割へと低下し、また、産業界の努力により製造業のエネルギー消費割合も1/3になっており、原油価格の変動を受けにくい体制になっています。

  • しかしながら、ライフスタイルが高度化し、家庭用エネルギーの消費は増加傾向にあります。中でも家電機器の普及により、電力消費が大きく増加していますので、消費者一人一人が、冷暖房の設定を1℃抑えるといった省エネの取組みが重要になります。

懇談会の様子2

消費者からの主な質問や意見

<消費者>

 2005年末の石油の可採年数は49年ということですが、人類が今後もエネルギーを使うことを考えると、十分な量ではないと思います。代替のエネルギーが必要になるのではないでしょうか。

【石油情報センター】

 国の2030年までのエネルギーの長期見通しによれば、バイオマス、太陽光発電といった新エネルギーの利用を計画していますが、必要量の3%程度です。49年の可採年数は現在の埋蔵量を基にしていますので、今後新たな油田が開発され、消費量がそのままであれば可採年数は伸びていきます。また、オイルサンドなどの非在来型原油は100年分程はあるのではと言われており、技術の進歩により採算性が確保されれば、可採年数は更に伸びていくと思います。

<消費者>

 国内で備蓄している石油は、どのような状態の“危機”をめどに使用するものなのかを教えてください。

【石油情報センター】

 備蓄法は、石油が量的に不足した場合の対応を想定しており、価格の沈静化を目的とするものではありません。備蓄石油の放出は、湾岸戦争時に4日分、それとハリケーンカトリーナによる被災時にアメリカ向けに行っており、いずれも民間備蓄分です。カトリーナの時には、日本だけでなく、IEA(国際エネルギー機関)の決定に基づき各国が協調して行っています。

【国】

 IEA(国際エネルギー機関)では、石油途絶時などの緊急時に加盟国が協調して備蓄石油を放出する協調的緊急時対応措置(CERM)を1984年に合意しています。石油の国内市場と海外市場の情勢は密接に関係していることから、IEAの協調行動を積極的に支持するというのが政府の考え方です。石油の放出に当たっては、IEAの事務局が、被害等の緊急時の状況を勘案して、加盟国全体で日量どの程度、何日間放出するかを各国政府に対して協議してきます。これを受けて日本の石油市場への悪影響を防止する観点から、政府が対応(閣議で決定)しています。

<消費者>

 セルフのガソリンスタンドが多くなり、消費者が直接ガソリンを扱う機会が増えていますが、安全性に問題はないのでしょうか。

【事業者】

 消防法の改正により、セルフ給油の設備を整えれば、従業員が2人駐在すれば良いことになり、コストが抑えられ販売量が伸びていることから、徐々に増えてきています。安全面ですが、セルフスタンドができてからこれまで、大きな事故は生じておりません。現在、セルフスタンドでの吹きこぼれ事故が話題になっていますが、これは、一般の消費者がフルサービスのスタンド職員がやるような継ぎ足し給油を行うことに起因しており、指示通りに給油ノズルを扱っていただければ、こうした事態は起きません。大きな事故が起きている訳ではありませんが、ガソリンは引火性が強く、吹きこぼれが大事故に繋がる可能性があることから、防止PRを行っているところです。

<消費者>

 ガソリン税はなぜあんなに高率が課せられているのか疑問です。消費者が運動することによって下げることはできるのでしょうか。

【事業者】

 ガソリン税の税率は法律で決められており、道路整備のために使用されています。現在、この税金を道路整備以外にも使える一般財源化への検討が行われていますが、一般財源化されると税率を下げるのは難しくなると思います。

<消費者>

 原油高の影響でティッシュペーパーなどの特売が減っているように感じます。原油高が落ち着けば、以前の価格に戻るのでしょうか。

【県】

 ティッシュペーパーなどについては、大手製紙会社が燃料費や原材料費の上昇を理由に値上げを表明しています。これは、デフレ経済下での各社の厳しい販売競争で出荷価格が低下し、ティッシュペーパーなど関係事業が赤字に陥っていることから、今回の原油高による燃料費等の高騰を契機に、行き過ぎた安値の修正を行いたいという理由からです。このため、現在、下落傾向にある原油価格に連動してティッシュペーパーなどの価格がすぐに下がる可能性は低いと思います。

<消費者>

 原油価格は(産油国の都合でなく)市場で決まるとのことですが、今後は上昇する一方なのでしょうか。

【事業者】

 原油価格は過去、28から30ドル(バーレル当り)程度で推移してきましたが、8月時点で70ドルと倍以上の価格となっており、こうした状況を受け、産油国では新たな油田開発や設備投資が行われています。今回の原油高の原因が、供給不安でなく、投機的取引にあることを踏まえると、こうした開発が進めば、長期的には原油価格は下がると思います。ただし、こうした開発が進まず、その一方で需要が伸び続ければ、原油価格が再び高騰する可能性があります。

<消費者>

 原油価格高騰が続いていることから、「(過去の石油危機のように)トイレットペーパーが無くなることを想定して、まとめ買いしておいた方が良いのでは」と考えていましたが、「供給量の不足はない」との説明を受けて、まとめ買いの必要はないことがわかりました。

 同じ県内で10円以上ガソリンの値段が違うことがありますが、なぜでしょうか。

【事業者】

 ガソリンの流通ルートには2種類あり、通常は元売各社を通じた販売ルートですが、その他に「業転もの」と呼ばれる、余剰ガソリンを扱う市場を通じたルートがあります。8月頃までは、両ルートともほぼ同じ価格でしたが、ここにきて業転の単価が下がり、10円程度の差がついてきています。これが販売価格の差として現れてきています。

<消費者>

 あまり安いガソリンを入れるとエンジンに悪影響がでると聞いたことがありますが、大丈夫でしょうか。

【国】

 元売系列のガソリンスタンドであれば、(安いガソリンでも)大丈夫だと思います。ただ、一部にアルコール燃料を混ぜて販売している業者がいますので、薄暗く価格が安すぎる表示をしているようなスタンドは避けたほうが良いと思います。

<消費者>

 セルフスタンドとフルサービススタンドの価格の差は、人件費の違いによるものなのでしょうか。

【事業者】

 そうです。現在、セルフとフルの差が2~3円ですが、必要コストを勘案するとプラス5円程度は必要です。このため、現在の状況が続けば、フルのガソリンスタンドでは採算が取れなくなります。愛知県内では、近年、年間40~50店のスタンドが廃業しており、最盛期に約3,200店あったガソリンスタンドが現在は2,200店になっています。特に販売量の少ない山間地や過疎地のガソリンスタンドの経営が厳しくなっています。(ガソリンスタンドはエネルギー供給のインフラでもありますので)消費者の方には、セルフだけでなくその他のスタンドもご利用いただきたいと思います。

懇談会の様子3

問合せ

愛知県 県民生活部 県民生活課【中央県民生活プラザ】
県民相談・調整グループ
E-mail: kenminseikatsu@pref.aichi.lg.jp