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第3回消費者団体訴訟制度の活用について考えるシンポジウムを開催しました

第3回 消費者団体訴訟制度の活用について考えるシンポジウム

 事業者による不当な勧誘や不当な契約条項などによる消費者トラブルが跡を絶ちません。

 そこで愛知県では、消費者トラブルによる被害の未然防止・拡大防止及び被害回復を図る制度である「消費者団体訴訟制度」の周知を図り、その活用について県民の皆様とともに考えるため、下記のとおりシンポジウムを開催しました。

 県内には、消費者に代わって不当な行為の「差止請求」を行う「適格消費者団体(内閣総理大臣認定)」が現在1団体ありますが、消費者の「被害回復」まで行うことのできる「特定適格消費者団体」が存在しないため、認定取得に向けての課題・方向性などについても議論しました。

 愛知県では、本シンポジウムの内容を踏まえ、今後も「適格消費者団体」との連携や支援を図ることで、消費者団体訴訟制度を周知し、活用を呼びかけてまいります。

1 日時・会場

日時:令和2年2月5日 水曜日 午後1時から午後4時まで

会場:愛知県女性総合センター(ウィルあいち)3階大会議室

2 来場者数

  消費者団体、企業関係者、行政職員、消費者問題に関心の高い方など105人

3 プログラム

1 開会

2 主催者挨拶

  県民生活課長

3 趣旨説明

  消費者庁消費者制度課 課長補佐 西川 功 氏

4 基調講演

 ア 適格消費者団体からの差止請求事例発表

  「Cネット東海の差止請求事例」

   (適格消費者団体)消費者被害防止ネットワーク東海 理事・検討委員 岩城 善之 氏

 

イ 特定適格消費者団体による被害回復請求の事例発表

  「被害回復請求事例の報告」

   (特定適格消費者団体)消費者機構日本 専務理事 磯辺 浩一 氏

 

  「埼玉消費者被害をなくす会の取り組み」

   (特定適格消費者団体)埼玉消費者被害をなくす会 理事長 池本 誠司 氏

 

ウ 財政充実と会員拡大の取り組み事例発表

  「消費者団体、環境団体、労働団体等の寄附金募集の取り組み、及び諸外国の取り組みから財源の確保を考える」

   (適格消費者団体)消費者被害防止ネットワーク東海 検討委員 森 悠 氏

 

  「NPO法人消費者スマイル基金の活動報告」

   (NPO法人)消費者スマイル基金 事務局 小林 真一郎 氏

 

 「今、適格消費者団体として~ホクネットの財政基盤強化の取り組みから~」

   (適格消費者団体)消費者支援ネット北海道 事務局長 大嶋 明子 氏

5 パネルディスカッション

  「特定認定のための課題、消費者団体訴訟制度のさらなる活用について」

  コーディネーター 消費者被害防止ネットワーク東海  

            理事・検討委員 伊藤 陽児 氏

 パネリスト     消費者機構日本 専務理事 磯辺 浩一 氏

            埼玉消費者被害をなくす会 理事長 池本 誠司 氏

            消費者支援ネット北海道 事務局長 大嶋 明子 氏

            消費者スマイル基金 事務局 小林 真一郎 氏

6 まとめ

  消費者被害防止ネットワーク東海  理事・検討委員 伊藤 陽児 氏

7 閉会

4 開催概要

 

〇西川課長補佐による趣旨説明

 趣旨説明

  趣旨説明においては、西川課長補佐が、消費者団体訴訟制度の概要とこれまでの成果、今後の課題について述べられました。

〇基調講演

 ア 適格消費者団体からの差止請求事例発表

 Cネット東海の差止請求事例

  消費者被害防止ネットワーク東海の岩城氏から、差止請求事例の発表がありました。

 イ 特定適格消費者団体による被害回復請求の事例発表

 特定適格消費者団体による被害回復請求の事例発表

  消費者機構日本の磯辺氏から、被害回復請求の事例発表がありました。

 特定適格消費者団体による被害回復請求の事例発表

  埼玉消費者被害をなくす会の池本氏から、被害回復請求の検討内容について発表がありました。

 ウ 財政充実と会員拡大の取り組み事例発表

 財政充実と会員拡大の取り組み事例発表

  消費者被害防止ネットワーク東海の森氏から、「消費者団体、環境団体、労働団体等の寄附金募集の取り組み、及び諸外国の取り組みから財源の確保を考える」をテーマに発表がありました。

 財政充実と会員拡大の取り組み事例発表

  消費者スマイル基金の小林氏から、「NPO法人消費者スマイル基金の活動報告」について発表がありました。

 財政充実と会員拡大の取り組み事例発表

  消費者支援ネット北海道の大嶋氏から、「今、適格消費者団体として~ホクネットの財政基盤強化の取り組みから~」をテーマに発表がありました。

〇パネルディスカッション

 

 パネルディスカッションでは、特定認定を受けることの意義と課題、課題を克服するための方策について議論していただきました。

 パネルディスカッション

【特定適格消費者団体として認定を受けることの意義と課題】

・差止請求制度では、差止の対象となる事業者の不当な行為が限定されているが、被害回復制度では制度の訴訟要件(共通性、多数性、支配性)に照らして、検討できる事案が幅広くなった。また、被害回復制度ができるまでは、数十万円程度の少額被害については、個人ではおよそ訴訟提起は困難だったが、この制度により少額被害であっても、共通性・多数性・支配性の要件を満たす場合は、被害回復の道が開かれた。消費者の方々からの情報提供が増え、期待をひしひしと感じている一方で、制度上の制約等から対応できない事案も多いという現実もある。

・活動を継続する上での課題は、まずは、被害回復裁判手続で、実際に対象消費者の被害額を取り戻して分配するところまで実務をすすめてみること。その結果、被害回復関係業務を遂行することで、費用を賄い一定の報酬を獲得しうるとなれば、団体の継続性、活動の維持・発展につながることが期待できる。

・また、消費者への情報提供をさらに強化していく必要がある。消費者の方々の関心事である、自分の被害が回復できるのかどうかといった点について、適切に情報提供していくことで、多くの消費者の方々とつながって被害回復・差止請求の活動をすすめていく姿を目指したい。

【特定認定に向けた課題を克服するための方策】 

<財政の充実(会員数、寄付の増加等)について>

・特定適格団体として認定を受けるためには、「1.財政的基盤の充実」と「2.人的体制(事務局と専門委員)」が大きな課題になる。

・財政を充実させるためには収入を増やす必要があるが、適格消費者団体の収入としては、大きく、「1.事業収入」、「2.会費」、「3.寄付」、「4.助成金」がある。適格消費者団体の現在の主な事業は、事業者に対する差止請求という収入を生まない事業なので、やはり、活動の意義に賛同して会員になっていただける方、寄付をしていただける方を増やしていくことが、まずは重要かと思う。

・Cネット東海では、「ママボノ」に昨年エントリーして、Cネット東海の活動を広く市民や企業に認知してもらい、賛同と寄付を得られるようにするためにはどうしたらいいかの提案をいただいた。

(「ママボノ」は、一般企業での勤務経験がある育休中や離職中の子育て女性たちが、仕事復帰に向けたウォーミングアップと同時に社会貢献活動を行う場として実施されているもので、プロボノ活動を行うNPO法人などに対し、お金ではなく、仕事のスキルや経験を活かして支援していただけるというプログラム。)

・8人のママボノチームの皆さんからは、寄付していただける方を増やすために、様々な提案があった。例えば、

 〇寄付してもらうためには 「共感」・「納得」・「信頼」を得ることが大切。

〇広く共感を得るには、現状の「被害者目線」から「寄付者主体」のアピールが必要。Cネット東海の活動を「消費者目線」ではなく、「企業目線」で紹介して共感を得る。

〇適格消費者団体は、企業にとっての敵や訴訟の相手方ではなく、健全な経営をしている企業とともに「市場健全化」のために取り組む「協働相手」であることを理解してもらえるようにすることが大切。

などである。今後の取り組みにぜひ活かしていきたい。

・スマイル基金でも「ママボノ」に支援を求めたところ、我々とは違う切り口のアプローチを提案してくれた。制度の堅苦しい説明から入るのではなく、「市場の健全化に向けた協働の意義」「業種別アプローチを行い、相手企業の業界トレンドに触れる形で興味を喚起」「訴訟制度といっても大半は和解で終わっていることをアピールして警戒心を解く」などの切り口を提案いただき、相手の状況に合わせた柔軟な対応をすること、企業を敵視している訳でなく健全な市場を築くパートナーと考えていることを理解していただくことが大切だと痛感した。

・消費者支援ネット北海道では、2017年度に大きくホームページをリニューアルしたことで、情報提供も増えた。誰が見ても親しみやすいホームページづくりを意識した。

・おすすめなのはSNSの活用だ。全国消団連で一昨年秋からSNSを開始したが、「消費者団体」などの単語検索をすると、アイドルのファンの方々がCネット東海の取り組みを紹介したり、感謝の弁を述べたりしているツイートを時々見かける。このようなオンリーワンともいえる団体ならではのテーマを持つなどして、一般消費者にアプローチしていくことは新たな切り口だと思う。

 

<人的体制の充実について>

・新たな事案の検討チームの設置や訴訟準備を契機に、これまで当機構の活動に参加されていなかった若手の法律専門家の方々に、声をかけていくことを意識している。

・事務局の業務の内容としては、訴訟の進行にあわせての追加の調査、期日傍聴のお知らせ、理事会への経過報告と重要な局面での提案などは、共通義務確認訴訟と差止請求訴訟とで共通しているが、個別訴訟提起の可能性がある事案については、共通義務確認訴訟の結果を待っている間に時効を迎えてしまう被害者がいる可能性もある。共通義務確認訴訟の進行状況、主な争点について個々の被害者に適宜お知らせし、個別訴訟を提起するか否かの判断材料を提供する必要もある。このような広報活動は、差止請求訴訟では考えられなかった。

・今後、共通義務確認訴訟で請求が認容されて、簡易確定手続きに入った場合は、これまでに経験のない実務に対応しなければならない。そのため、簡易確定手続の期間は、臨時に職員を雇用する予定である。その費用を賄うためにも、多くの対象消費者に手続きに参加していただき、損害賠償金を相手方事業者からきちんと回収し、対象消費者に分配して、団体の費用と報酬を確保する必要がある。

 

【パネリストからの一言】

・お互いに連携を強めて被害回復制度の活用をすすめ、制度の課題もあらためて洗い出して制度改善に結びつけていくことが大切かと思う。

・適格消費者団体は21団体あるが、それぞれの団体はみずからの活動で手いっぱいであり、適格消費者団体総体(特定適格も含む)としての広報ができていない。この点を社会的にアピールすることで、各団体の発展の基盤を形成し、消費者団体訴訟制度が活用される環境づくりにつながると思う。

・行政による活動支援から、最終的には、市民・企業の認知による財政支援を目指すことが必要。

・今後は地方での特定適格消費者団体が必要であり、全国の各拠点にあったほうが良い。

・関係者以外の人の理解が広がっていき、ツイッターのトレンドワードに「消費者団体」「消費者行政」「消費者契約法」等が入ることなどを目指して、できることを頑張っていきたい。

問合せ

愛知県 県民文化局 県民生活部 県民生活課
事業者指導グループ(小椋・安藤)
電話052-954-6166(ダイヤルイン)
E-mail: kenminseikatsu@pref.aichi.lg.jp