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【変更】簡単で安くて迅速なDNA濃縮法「SGF法」を開発しました

ページID:0377584 掲載日:2022年1月19日更新 印刷ページ表示
【変更内容】新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、技術の展示・実演をオンライン形式に変更します。

SGF法

    SGF法によるDNA濃縮の様子
近年、環境DNA分析(※1)により、水中や土壌中の生物の生息状況等を把握する技術開発が進んでいますが、従来の分析法では、DNAの分析にあたり専用の機器を使い、多くの時間と費用をかけてDNAを濃縮する必要がありました。
愛知県農業総合試験場(長久手市)では、2019年から特殊な機器などを使わず容易にDNAを濃縮できる手法の開発に取り組み、この度、河川やため池などにいる生物や土壌中の微生物などのDNAを極めて簡単に濃縮できる画期的な技術として「SGF法」(※2)を開発し、2021年11月2日に特許出願しました(特願2021-179373)。
※1 環境DNA分析:海や川・湖沼の水や土壌などにはそこに生息する様々な生物のDNAが残っています。環境中のDNAを遺伝子解析することで、生物の種類やおおよその生息量を推定できます。
※2 SGF法:ガラス繊維にDNAを吸着させて、極微量のDNAを効率的に濃縮し回収する技術です。

1 SGF法の特徴

SGF法は、細かく砕いて水に混ぜたガラス繊維(Suspended Glass Fiber。以下「SGF」という。)が持つDNAを吸着する性質を用いてDNAを濃縮する技術です。従来の分析法(※3)では、サンプルの採取からDNA分析まで半日程度を要していたところを、SGF法を用いると最短で1時間程度まで大幅に短縮することができます。
SGF法はウイルスを含む多様な生物種のDNAやRNAの分析に適用できることが想定されるため、目的とした生物が環境中にいるかどうかを調べる技術として様々な分野での活用が期待できます。
※3 一般社団法人環境DNA学会「環境DNA調査・実験マニュアル」の分析法

2 SGF法を用いた環境DNA分析の手順

(1)SGF法では、細かく砕いて水に混ぜたSGFをDNA吸着材として使用します(図1)。
(2)サンプル(調べたい野外の水又は土壌を混ぜた水)をビニール袋に入れ、SGFを適量混ぜます(図2)。
(3)続いて、これをナイロンメッシュやガーゼなどを通してろ過し、SGFを回収します(図3)。このとき、SGFにはサンプルに含まれていたDNAが吸着され濃縮されています。従来法では難しかった濁った水からもSGF法なら簡単にDNAを濃縮できます。
(4)回収したSGFから、簡易DNA抽出試薬を使って10分程度でDNAを抽出します(図4)。
(5)抽出したDNAをLAMP分析法※4やPCR分析法(※5)で分析します。
(6)LAMP分析法を用いた場合、最短で1時間あればサンプルの採取からDNA分析まで完了でき、反応液の濁度や色の変化で検出対象の有無を判定できます(図5)。
※4 LAMP分析法:栄研化学株式会社により開発された核酸増幅法(DNAやRNAのごく一部を人工的に大量に増やす技術)の一つ。65℃程度の一定の温度(等温)で連続的に増幅反応が進むため、特別な分析機器が不要です。迅速かつ簡易な遺伝子診断法として国内外の医療や農業などに広く活用されています。
※5 PCR分析法:生命科学分野で最も基礎的な核酸増幅法です。専用の機器で温度を精密に制御して、DNAやRNAの一部の配列を大量に増やすことができます。

SGF-1 SGF-2   SGF-3  

        図1 SGF                 図2 SGFを添加                図3 回収後のSGF

 

SGF-4          SGF-5

     図4 抽出DNA             図5 LAMP分析結果の判定例

                       (水色・対象生物「在」、無色:対象生物「不在」)  

 

 

 

3 技術の展示・実演について

(1)展示
「2021年度アグリビジネス創出フェアin東海」において、技術概要を紹介します。
 日 時:2022年1月20日(木曜日)午後1時20分から午後3時35分まで 
  【変更】Zoom Webinarによるオンライン形式に変更します。
   詳細は、フェアのURLを御確認ください。
 主 催:農林水産省農林水産技術会議事務局研究推進課産学連携室 
      NPO法人東海地域生物系先端技術研究会
 フェアのURL:http://www.biotech-tokai.jp/archives/category/agribusiness
(2)実演(報道機関向け)
報道機関向けに、県の担当者がオンライン形式でSGF法の実演説明を行います。参加される場合は、2022年2月8日(火曜日)午後5時までに次の申込先に御連絡ください。
 日 時:2022年2月9日(水曜日)午後1時から午後3時まで
  【変更】Cisco Webex Meetingによるオンライン形式に変更します。
   ※ミーティングルームへのアクセス方法は申込者に個別に連絡します。
 申込先:愛知県農業総合試験場研究戦略部技術開発研究室(担当 加藤恭宏)
 電 話:0561-62-0085(内線390)

4 問合せ先

(1)技術に関すること
愛知県農業総合試験場
環境基盤研究部生物工学研究室
担当  鈴木良地
所在地 長久手市岩作三ケ峯1-1   
電話  0561-62-0085(内線381)
(2)特許の実施に関すること
愛知県経済産業局産業部産業科学技術課
担当 小林孝行
ダイヤルイン 052-954-6370

5 その他

本技術は農林水産省農林水産研究推進事業委託プロジェクト研究「農業被害をもたらす侵略的外来種の管理技術の開発」及び「果樹等の幼木期における安定生産技術の開発」の支援を得て開発しました。