夏の暑さに強い水稲早生品種「愛知135号」を開発しました
印刷用ページを表示する掲載日:2020年3月27日更新

新品種「愛知135号」
愛知県農業総合試験場では、愛知県経済農業協同組合連合会(以下、JAあいち経済連)と共同で早生熟期の水稲「愛知135号」を開発しました。本品種は夏の暑さによる高温障害が発生しにくく、高温条件下で登熟※1しても白濁する粒が少なく、外観品質が優れます。また、良食味でありながら玄米の粒大が大きく、搗精歩留(とうせいぶどまり)※2と炊上歩留(たきあげぶどまり)※3が良好であるため、業務用米への需要にも対応することができます。
なお、本品種は3月26日付けで、種苗法に基づく品種登録出願を行いました。
なお、本品種は3月26日付けで、種苗法に基づく品種登録出願を行いました。
1 品種の特徴
(1)本県の熟期区分※4では「早生」に該当します。
(2)耐暑性を有し、夏の高温登熟条件下でも白未熟粒(しろみじゅくりゅう)※5の発生が少なく、玄米の外観品質が優れます。
(3)粒大が大きく、搗精歩留や炊上歩留が良好であるため、業務用米としての利用にも適します。
(2)耐暑性を有し、夏の高温登熟条件下でも白未熟粒(しろみじゅくりゅう)※5の発生が少なく、玄米の外観品質が優れます。
(3)粒大が大きく、搗精歩留や炊上歩留が良好であるため、業務用米としての利用にも適します。

玄米外観品質の比較 (左:愛知135号、右:あさひの夢)
愛知135号の方が大粒で白濁する粒が少なく、透明感と光沢が優れる。
愛知135号の方が大粒で白濁する粒が少なく、透明感と光沢が優れる。
2 開発の経緯
本県では夏の高温障害による品質低下により、早生品種の作付が減少しており、早生熟期の作付推進が課題となっていることから、早生熟期の水稲品種の開発が要望されていました。
そこで、需要が拡大傾向にある業務用にも対応できる耐暑性を有する早生品種を、JAあいち経済連と共同研究で開発しました。
そこで、需要が拡大傾向にある業務用にも対応できる耐暑性を有する早生品種を、JAあいち経済連と共同研究で開発しました。
3 今後の予定
2020年から県内平坦部における現地適応性を確認します。2022年から栽培を開始し、市場評価を確認します。
これらの結果に基づき奨励品種※6への採用を検討し、2025年の一般栽培開始を目指します。
これらの結果に基づき奨励品種※6への採用を検討し、2025年の一般栽培開始を目指します。
4 導入により見込まれる効果
早生熟期において高品質な米の生産が可能となります。また、本県平坦部の品種別作付面積は、極早生品種「コシヒカリ」と中生品種「あいちのかおりSBL」で二極化する傾向にありますが、その中間である早生熟期に「愛知135号」の普及を進めることにより、バランスの良い熟期構成での作付を推進することができます。このため、生産現場における作業競合の緩和が期待できます。
5 関連説明
※1 登熟:穂が出てから籾(もみ)に養分が集まって熟すこと。
※2 搗精歩留:玄米の表面を削り取り精米した際の玄米重に対する精米重の割合。
※3 炊上歩留:精米を炊飯した際の重量の増加比率。
※4 熟期区分:刈り取り時期の早い順に、「極早生」「早生」「中生」と区分。
※5 白未熟粒:玄米のデンプンの蓄積が不足することにより白濁して見える粒。出穂後の高温により発生が増加する。
※6 奨励品種:県内で普及すべき優良品種として位置付けた品種。水稲については、現在18品種(2020年3月現在)。
※2 搗精歩留:玄米の表面を削り取り精米した際の玄米重に対する精米重の割合。
※3 炊上歩留:精米を炊飯した際の重量の増加比率。
※4 熟期区分:刈り取り時期の早い順に、「極早生」「早生」「中生」と区分。
※5 白未熟粒:玄米のデンプンの蓄積が不足することにより白濁して見える粒。出穂後の高温により発生が増加する。
※6 奨励品種:県内で普及すべき優良品種として位置付けた品種。水稲については、現在18品種(2020年3月現在)。
6 問合せ先
愛知県農業水産局農政部農業経営課
技術調整グループ
担当 菅野、福田
ダイヤルイン 052-954-6410
愛知県農業総合試験場
作物研究部 作物研究室
担当 濱頭、伊藤
電話 0561-62-0085
<共同研究機関>
愛知県経済農業協同組合連合会
米穀部 農産販売課
電話 052-951-3628
技術調整グループ
担当 菅野、福田
ダイヤルイン 052-954-6410
愛知県農業総合試験場
作物研究部 作物研究室
担当 濱頭、伊藤
電話 0561-62-0085
<共同研究機関>
愛知県経済農業協同組合連合会
米穀部 農産販売課
電話 052-951-3628