家きんグループにおける創意工夫の紹介／農業総合試験場

　フォークリフトを利用して効率的に運搬、荷揚げ作業ができるようにするために、運搬用のケースを載せるパレットを考案しました。今までの運搬車では、1度に16ケースしか運搬できませんでしたが、考案したパレットの利用により30ケースの運搬が可能となり作業の効率化及び作業時間の短縮が図られました。

　また、フォークリフトにより荷揚げ作業時の高さを変えることができるようになったため、荷台の高い業者のトラックへの鶏の詰め替え作業がしやすくなり、作業の安全性も確保できました。　

　なお、材料は不要となったL鋼を切断・溶接して利用したため、製作費は溶接棒などの消耗品代のみでした。

　食塩やビタミン、炭酸カルシウムなどの微量な飼料原料を効率的に混合できるように、飼料撹拌機械を考案しました。今までは、ビニール袋を用いた手作業により混合していたため、均一に混ざるまでに大変な労力と手間を要していましたが、タイマー付きの回転ドラム型自動撹拌機械を作製することにより、労力と手間の省力化と均一で確実な自動混合が可能となりました。

なお、飼料撹拌機械の材料は、廃材の塩ビ樹脂板や鉄材、廃用機械のモーターやタイムスイッチを利用し、溶接加工技術を施すことにより作製しました。

近年、高病原性鳥インフルエンザが冬期に国内で発生するようになり、私たちの職場でも日頃から徹底した衛生対策を実施しています。その対策の一つとして、鶏舎周りに定期的に消石灰を散布し、ウイルスの侵入を防いでいます。しかしながら、手作業による散布は、作業従事者にも多くの消石灰が付着するため、作業安全性の改善が必要でした。そこで、廃用となった給餌機や塩化ビニル管などを利用して、溶接加工することにより、トラクターにけん引して散布できる「消石灰散布機械」を作製しました。

なお、本取り組みにより、平成22年度仕事の質向上運動グッドジョブ部門において、農林水産部優秀取組に選定されました。

鶏糞の堆肥化処理を効率的に行うために、大型の換気扇を使い、乾燥ハウスの鶏糞の水分蒸散を促進しています。しかし、大型の換気扇は天井に常に固定され、鶏糞運搬用のショベルローダーが乾燥ハウスの中央部まで進入できず、中央部への鶏糞の運搬は手作業によって行っていました。そこで、鶏舎のカーテンに使用しているウインチを活用して、溶接加工することにより、可動式の換気扇を作製しました。

高い専門技術を必要とする私たちの職場では、近年の職員数削減や豊富な専門知識をもつ団塊世代職員の退職等により、技術力の低下が懸念されています。そこで、知識や技能を円滑に伝承するため、家きんグループでは、毎月1回、研究職、現業職のすべての職員が集まり、勉強会を実施し、飼育管理状況を的確に把握し、研鑽を図っています。

なお、本取り組みにより、平成22年度仕事の質向上運動グッドチームワーク部門において、農林水産部優秀取組に選定されました。

鶏を出荷した後、鶏舎は水洗、消毒された後に新しい鶏を鶏舎に入れますが、鶏舎の水洗・消毒は鶏の病気を予防するためには不可欠です。鶏舎や餌樋、水樋等の付帯施設の上部を洗浄するためには脚立等の使用やケージ等を足場にして、洗浄しなければならず、洗浄の場所を変えるたびに脚立を移動したり、作業的に非効率でした。そこで、洗浄作業の効率化を図るために、自動給餌機が移動するレールを利用し、水平方向にローラーで移動できるように工夫した洗浄用移動脚立を作製しました。

うずらの育種改良、飼養衛生管理の試験研究をする上で、体重測定は欠くことのできない業務となっています。うずらの体重測定はうずらが飼育されているケージから取り出し、体重測定用の箱に移し替え、それを秤に載せて、うずら1羽毎の体重を測定しています。うずらは上方に飛び上がる性質があり、しばしば、箱から飛び出したりするため、体重測定の作業が中断するなど、作業効率が悪い問題点がありました。そこで、うずらを出し入れする開閉部分にバネを付け、うずらが上に飛び上がっても開閉部分が開かないように工夫した体重測定用小型ケージを作製し、作業性を向上させました。