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研究報告第45号-抄録001

ページID:0069982 掲載日:2015年6月2日更新 印刷ページ表示

傾斜畑からの亜鉛の流出に及ぼす家畜ふん堆肥施用の影響

著者:糟谷真宏 1)・坂西研二 2)・板橋 直 2)・阿部 薫 2)・鈴木良地 1)

出典:日本土壌肥料学雑誌84(2):71-79

摘要:傾斜枠圃場を用いてZnの表面流出特性およびそれに及ぼす牛ふん堆肥または豚ふん堆肥施用の影響を調査した。
 土壌のZnは粘土・シルトサイズの微小粒子に高濃度に分布し、堆肥施用、特に豚ふん堆肥施用によって高まった。また、堆肥施用により酸可溶性、還元性Znの割合が高まった。
 降雨に伴う表面流出において、溶存Zn濃度は流出水量、SS濃度に関わらず一定の範囲にあった。一方、懸濁態Znは表面流出水量の増加に伴い、SSとともに高濃度化し、土壌Znの多くが懸濁態、特に粘土・シルトサイズの微小粒子に含まれて流出した。
 豪雨が懸濁態Znの流出に及ぼす影響は非常に大きく、平成20年8月末豪雨時には、5時間のZn流出負荷量は、堆肥無施用区で年間負荷量の77%、豚ふん堆肥区で83%、牛ふん堆肥区で88%を占めた。
 堆肥施用により、表面流出水量あたりのZn流出量が高まったが、表面流出水量は減少し、 Zn流出負荷量の増大は抑制された。特に、牛ふん堆肥区でその効果は大きく、Zn流出負荷量は堆肥無施用区の1/3 以下と極めて少なかった。

キーワード:亜鉛の表面流出、傾斜畑、家畜ふん堆肥、選択的土壌侵食

1)東三河農業研究所(現環境基盤部)  2)独立行政法人農業環境技術研究所

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